渋谷・コクーン歌舞伎 第十八弾
天日坊
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「天日坊」こんな感じだったっけ?
2012年の公演、熱さや充実は印象にあるけれど、
こんなに凄みを感じはしなかったと思う。
10年で記憶が薄れたせいだけではないだろう。
メモをひっくり返したら、「俺は、誰なんだ?」を2012年の私は
天日坊
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「天日坊」こんな感じだったっけ?
2012年の公演、熱さや充実は印象にあるけれど、
こんなに凄みを感じはしなかったと思う。
10年で記憶が薄れたせいだけではないだろう。
メモをひっくり返したら、「俺は、誰なんだ?」を2012年の私は
"自己認識の混乱"とか書いてる。
今回、印象に残るのは、むしろ、後戻り不可能の切迫。
重なり、前後する、嘘と嘘、その場しのぎの積み重ねの後にくるもの。
ただ1回の踏み外しから至るところの破滅はしかし、情報が物理実体に
優先する現代において、10年前よりも、より、現実味を帯びている。
勘九郎さんは真摯に法策⇒頼朝ご落胤⇒義高を演じておられて、
それが却って現代のリアルな不安と重なって胸に来る。
17歳なんだよね。切ない。
今回、印象に残るのは、むしろ、後戻り不可能の切迫。
重なり、前後する、嘘と嘘、その場しのぎの積み重ねの後にくるもの。
ただ1回の踏み外しから至るところの破滅はしかし、情報が物理実体に
優先する現代において、10年前よりも、より、現実味を帯びている。
勘九郎さんは真摯に法策⇒頼朝ご落胤⇒義高を演じておられて、
それが却って現代のリアルな不安と重なって胸に来る。
17歳なんだよね。切ない。
せりふの丁々発止、ちょこちょこ挟まる笑い、
立回り、特に最終盤の七之助さん獅童さんから勘九郎さんへそれぞれの見せ場、
音楽、装置、全編充実。
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(2022.2.19)