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【展覧会】ミロ展―日本を夢みて

2022-02-21 00:05:05 | アート・文化
初期から晩年まで時系列でミロ作品を総覧。
各作品に付された詳細な解説とともに、表現の変遷がつぶさに。

初期の作品は画面全体が強いトーンながら、多色を用いているのに
調和がある。こういう描き方もしていたのかと思う。

生涯を通じて表現の工夫に飽くことがない。
浮世絵や大津絵、玩具、民藝との接点。墨、書。

よく知られた細い描線の表現に至るあたり、
情報量が減ってきた、とか、音楽的だなと思ったのだけれど、
その後《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》を観るに至り
「情報減ってないぞ」と思い直した。
たとえば森の中に立って、全方向に多様な音を聞くようなのだ。

詩と絵の越境。
私はフランス語は分からないから、そもそも意味を取れない記号なのだ
けれど、フランス語圏の人から見るとまた違うインパクトなのだろう。
ミロの絵画表現が象形文字や漢字と似て見えることの意味について
この展覧会で理解が進んだ気がする。
ミロの脳の中で起こっていたことを想像してみたりする。

スペイン内戦など容易ならざる時代を生き抜けて来た方、
少なくとも展示の中でみた、ご本人の人となりはチャーミングで、
瀧口修造はじめいくつもの「仲良し」の楽し気な様子になごむ。

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ミロ展―日本を夢みて
Bunkamura ザ・ミュージアム
2022/2/11~2022/4/17
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_miro/

(2022.2.19)


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