週刊金曜日な日々

「週刊金曜日」、一読者のB級時評
題名に「週刊金曜日」と使用する事は、編集部の許可を得ています。

ローマ人の物語(塩野七生・著)

2006-08-27 12:46:44 | 言葉

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複雑な地勢と数多くの部族が分かれて住むスペインではゲリラ戦法は効果を発揮しやすい。それに世紀軍は勝たなければ負けだが、ゲリラは負けなければ勝ちなのである。
(第3巻 197P)
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まるで、アフガニスタンとイラクの事が書いてあるようです。。。


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イエスキリストは、人間は「神の前に平等である」といったが、彼と「神」を共有しない人間でも平等であるとはいってくれていない。それゆえ、従来の歴史観では古代よりは進歩しているはずの中世から始まるキリスト教文明も奴隷制度の全廃はしていない。キリスト教を信ずるものの奴隷化を禁止したにすぎない。だから、ユダヤ教徒を強制収容所に閉じ込めるのは人道的には「非」でもキリスト教的には完全に「非」であるとは言い切ることはできない。
(中略)
キリスト教を信じようが信じまいが、人間には「人権」というものがあるとしたのは18世紀の啓蒙思想からである。ゆえに奴隷制度の廃止を謳った法律は1772年のイギリスから始まって1888年のブラジルにいたる1世紀に集中している。とはいえ、法律はできたものの人間の心の中から、他社の隷属化に無神経な精神までが、完全に取り除かれたわけではないのである。
(第3巻202P)
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システムの持つプラス面は、誰が実施してもほどほどの成果が保証されるところにある。反対にマイナス面は、ほどほどの成果しかあげないようでは敗北につながるような場合、共同体が蒙らざるをえない実害が大きすぎる点にある。
ゆえに、須ステムに忠実であるいるのは平時ということになり、非常時には忠実でありたいと願っても現実がそれを許さないという事態になりやすい。だからこそ柔軟性をもつシステムの確立が叫ばれるわけであるが、このくらい困難なこともないのである。
(第3巻 213P)
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