一月 一日(火)晴 屠蘇交わす横顔にみる緊張感(屠蘇)
一月 二日(水)晴 菜を刻む俎板始め朝晴れる(俎板始め)
一月 三日(木)晴 屠蘇酌めば三日も晴れて新時代(屠蘇)
一月 四日(金)晴 数の子の歯応えの良く快く(数の子)
一月 五日(土)晴 初炊きを寿ぎ染める雑穀米(初炊き)
一月 六日(日)晴 一瞬で角まで膨れ餅焼ける(餅焼)
一月 七日(月)晴(七種) 七種粥苦みも旨し胃を温む(七種)
一月 八日(火)晴 すずしろの引き出す会話悲喜こもごも(すずしろ)
一月 九日(水)晴 白菜の芯の固さが歯に応え(白菜)
一月 十日(木)晴 朝仕済み十指労わり蜜柑剥く(蜜柑)
一月一一日(金)晴 お汁粉に鏡開きの餅伸びる(お汁粉)
一月一二日(土)曇 色さえて紫大根丸大根(紫大根)
一月一三日(日)曇 人参の甘さしみ出す夕あかり(人参)
一月一四日(月)晴(成人式)鍋料理何から入れる大騒ぎ(鍋料理)
一月一五日(火)晴(小正月)小豆粥甘さ啜れば晴れ続く(小豆粥)
一月一六日(水)晴 白菜の芯柔らかく踊る鍋(白菜)
一月一七日(木)晴 冬苺だれか見つめて並んでる(冬苺)
一月十八日(金)晴 牡蠣鍋の最後の一つ頑なに(牡蠣鍋)
一月十九日(土)晴 鍋噴けば鱈の身締る北の幸(鱈)
一月二十日(日)晴 搾りたて蜜柑ジュースに喉鳴らす(蜜柑)
一月二一日(月)晴 寒鰤の兜焼きから脂飛ぶ(寒鰤)
一月二二日(火)晴 石焼き芋石の熱さに焦げ目無く(石焼き芋)
一月二三日(水)晴 夕ぐれてレンジに掛ける蒸かし飯(蒸かし飯)
一月二四日(木)晴 鍋焼きの焦げて言葉の無く啜る(鍋焼き)
一月二五日(金)晴 みかん剥くみかんの色に爪を染め(みかん)
一月二六日(土)晴 何度でも立ち直れるさ寒苺(寒苺)
一月二七日(日)晴 節料理残す物無く重は空(節料理)
一月二八日(月)晴 沢庵の固さが旨さこりこりと(沢庵)
一月二九日(火)晴 リゾットの鱈の旨みに場の和む(鱈)
一月三十日(水)晴 三平汁湯気ごと盛れば具の荒く(三平汁)
一月三一日(木)曇 赤味噌に根菜とろけほうとう鍋(根菜)
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