戦後引揚げと日本人女性の性暴力被害
~「慰安婦」問題との距離を通じて再考する~
講演者:山本めゆさん (日本学術振興会特別研究員(PD))
民間人を置き棄てた関東軍撤退とソ連軍の侵攻、引揚政策の遅延などにより、1945
年8月以降に朝鮮半島北部や「満洲」地域に残された日本人は、支配者の地位から「難民」へと転落しました。むき出しの暴力に曝され、多くの人びとが命を落とす極
限状態で、性暴力被害も多発します。加害の多くはソ連兵によるものでしたが、現地住民や日本人男性による暴力被害も少なくありませんでした。
近年では、その性暴力被害の多様性も知られるようになりました。武装した兵士に襲撃されるような暴力のみならず、生き延びるために兵士に女性を「供出」していた
満蒙開拓団の経験が大きく報じられるなどして、関心を集めるようになっています。
今回は、この問題に対してフェミニズムの視点から発言を続けている山本めゆさんをお招きして、お話をうかがいます。山本さんは、こうした引揚者たちは、日本社会
においては周縁化される一方、「満洲」や朝鮮半島においては支配者であったという両義的な存在であり、そのような人びとの被害といかに向き合っていくのかという問
題は、日本のフェミニストにとって大きな挑戦であると呼びかけてきました。
さらに、70年前の性暴力被害が排外主義や歴史修正主義に利用されつつある事態についても、きちんと声をあげていかなければならないと訴えます。
皆さんふるってご参加ください。
当日は、VAWW RAC編『日本人「慰安婦」―愛国心と人身売買と―』(現代書館)などの書籍を割引価格で販売します!
☆日時:3月31日(土) 午後2時開始(1時半開場)
☆場所:立教大学・池袋キャンパス・10号館X203教室
☆資料代:800円(会員700円)
主催:「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)
http://vawwrac.org/
*バウラックは、VAWW-NETジャパンの後継団体です。
※「取材を希望される方は、主催者に必ずご連絡ください」