2019年度VAWW RAC総会シンポジウム
性売買経験女性とともにⅡ
——植民地支配の「遺産」とたたかう現代韓国のフェミニズム
◆来日基調報告
シンパク・ジニョン(大邱女性人権センター代表・性売買被害相談所「ヒムネ」所長)
大邱における脱性売買支援活動——「性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ」とともに
◆サブ報告
金富子(東京外国語大学教授)
植民地遊廓から現代韓国の性売買へ——日本軍「慰安婦」との関連から
◆司会
小野沢あかね(立教大学教授)
◆日時 10月19日(土) 13:30~(13:00開場)
◆会場 在日本韓国YMCA 9階国際ホール
◆参加費 1000円(会員割引あり)
◆問い合わせ vawwrac@vawwrac.org
韓国では今、性売買(売春)経験女性たち自らが性売買反対運動に立ち上がっています。「慰安婦」被害を受けた女性たち自身が「慰安婦」問題解決運動に立ち上がったように。
本シンポジウムでは、大邱で脱性売買支援活動の先頭に立っているシンパク・ジニョンさんをお招きし、「性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ」と連帯してすすめている運動についてお話いただきます。韓国では2014年に制定された性売買防止法により、性売買業者と買春客を処罰するようになりました。一方で、性売買当事者女性を完全に非犯罪者化するための運動が続いています。大邱では、シンパクさんたちの運動によって、性売買集結地「チャガルマダン」がついに閉鎖と決まり、性売買当事者女性たちの転業支援が続いています。
本シンポでは、性売買をめぐる韓国でのこうした目覚ましい運動に学び、日本の現状を批判的に問い直すことにつなげたいと思います。買春を肯定し、性売買当事者女性を差別する社会であるかぎり、「慰安婦」問題も本当の意味で解決されないと思うからです。
現代韓国の性売買集結地は、植民地時代に日本が設置した遊廓だった地域が多く、大邱の性売買集結地「チャガルマダン」は、かつては「八重垣町遊廓」でした。今でも人身売買が行われており、日本人男性が買春しているのです。
そして、植民地遊廓は日本軍「慰安婦」問題とも深いかかわりがあります。
植民地遊廓・日本軍「慰安婦」問題・現代の性売買を貫く性搾取に抗して、性売買経験当事者女性たちとともにたたかう方法を、一緒に考えてみませんか?
どうぞふるってご参加ください!
【解説】韓国の性売買と脱性売買女性運動
現在の韓国では「売春」ではなく「性売買」という。韓国の性売買は日本の朝鮮侵略のなかで日本式遊廓がもちこまれたことにより、大きく広がり、解放後も存続した。韓国の軍事政権が制定した「淪落行為等防止法」(1961年)は、女性だけに「淪落」という道徳的レッテルを押し付ける差別的なものだった。この法で性売買を禁止する一方、性売買特定区域を設け、米軍兵士向け基地村女性に性病検査を義務づけるなどの矛盾した政策がとられた。日本人男性向け買春観光、韓国人男性向け性産業も盛んになり、性売買女性への人権侵害がまかりとおっていた。
しかし、2000年代に群山市で起こった性売買女性焼死事件をきっかけに、幅広い女性運動がおこり、2004年に新たに「性売買防止法」が制定された。同法の目的は、①業者・買春者の処罰、②脱性売買をのぞむ女性たちに向けた資金援助・自立支援だ。各地で、脱性売買を希望する女性たちのための相談所、シェルター、自立支援、アウトリーチ活動が本格化し、現在は有給の活動家が、各地域でそれぞれ20数名ほど活動している。
性売買経験女性とともにⅡ
——植民地支配の「遺産」とたたかう現代韓国のフェミニズム
◆来日基調報告
シンパク・ジニョン(大邱女性人権センター代表・性売買被害相談所「ヒムネ」所長)
大邱における脱性売買支援活動——「性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ」とともに
◆サブ報告
金富子(東京外国語大学教授)
植民地遊廓から現代韓国の性売買へ——日本軍「慰安婦」との関連から
◆司会
小野沢あかね(立教大学教授)
◆日時 10月19日(土) 13:30~(13:00開場)
◆会場 在日本韓国YMCA 9階国際ホール
◆参加費 1000円(会員割引あり)
◆問い合わせ vawwrac@vawwrac.org
韓国では今、性売買(売春)経験女性たち自らが性売買反対運動に立ち上がっています。「慰安婦」被害を受けた女性たち自身が「慰安婦」問題解決運動に立ち上がったように。
本シンポジウムでは、大邱で脱性売買支援活動の先頭に立っているシンパク・ジニョンさんをお招きし、「性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ」と連帯してすすめている運動についてお話いただきます。韓国では2014年に制定された性売買防止法により、性売買業者と買春客を処罰するようになりました。一方で、性売買当事者女性を完全に非犯罪者化するための運動が続いています。大邱では、シンパクさんたちの運動によって、性売買集結地「チャガルマダン」がついに閉鎖と決まり、性売買当事者女性たちの転業支援が続いています。
本シンポでは、性売買をめぐる韓国でのこうした目覚ましい運動に学び、日本の現状を批判的に問い直すことにつなげたいと思います。買春を肯定し、性売買当事者女性を差別する社会であるかぎり、「慰安婦」問題も本当の意味で解決されないと思うからです。
現代韓国の性売買集結地は、植民地時代に日本が設置した遊廓だった地域が多く、大邱の性売買集結地「チャガルマダン」は、かつては「八重垣町遊廓」でした。今でも人身売買が行われており、日本人男性が買春しているのです。
そして、植民地遊廓は日本軍「慰安婦」問題とも深いかかわりがあります。
植民地遊廓・日本軍「慰安婦」問題・現代の性売買を貫く性搾取に抗して、性売買経験当事者女性たちとともにたたかう方法を、一緒に考えてみませんか?
どうぞふるってご参加ください!
【解説】韓国の性売買と脱性売買女性運動
現在の韓国では「売春」ではなく「性売買」という。韓国の性売買は日本の朝鮮侵略のなかで日本式遊廓がもちこまれたことにより、大きく広がり、解放後も存続した。韓国の軍事政権が制定した「淪落行為等防止法」(1961年)は、女性だけに「淪落」という道徳的レッテルを押し付ける差別的なものだった。この法で性売買を禁止する一方、性売買特定区域を設け、米軍兵士向け基地村女性に性病検査を義務づけるなどの矛盾した政策がとられた。日本人男性向け買春観光、韓国人男性向け性産業も盛んになり、性売買女性への人権侵害がまかりとおっていた。
しかし、2000年代に群山市で起こった性売買女性焼死事件をきっかけに、幅広い女性運動がおこり、2004年に新たに「性売買防止法」が制定された。同法の目的は、①業者・買春者の処罰、②脱性売買をのぞむ女性たちに向けた資金援助・自立支援だ。各地で、脱性売買を希望する女性たちのための相談所、シェルター、自立支援、アウトリーチ活動が本格化し、現在は有給の活動家が、各地域でそれぞれ20数名ほど活動している。