ハイナンNETの日常

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台湾の旅、感想

2013-07-01 20:50:19 | 交換日記
珍トリオin台湾

ご無沙汰しています、海南島に住んでいたMです。
先日、海南島と間違えて台湾に行って来ましたのでご報告します。(ってコロンブスじゃあるまいし)

一緒に行ったメンバーは、中国人と在日コリアンと日本人の珍トリオでした。
台湾東部の花蓮県に行ったのですが、とても綺麗な海と、切り立った山に囲まれた素敵なところでした。

私たちは、まずバイクでタロコ渓谷に行きました。
もともとタロコ族という原住民が住んでいる場所です。
花蓮特産の大理石がむき出しの、崖の下には河が流れ
雨季のためかしょっちゅう落石も土砂崩れもある、なんともスリル満点の渓谷でした。
霧の中に、映画「セデック・バレ」のような風景が広がっていました。

「セデック・バレ」を見た方はご存知の通り、あの映画は霧社事件をテーマにしていますが、現地の原住民ガイドのおじさんが
「霧社事件は各地で起こった原住民の抗日闘争のほんの一つで、ここタロコでも同じことが起きた」
と言っていました。
1914に起きた「タロコ事件」でも、霧社事件と同じように日本人は
抗日蜂起した原住民を「敵蕃」と呼び、蜂起に参加しない方を「味方蕃」と呼び、
「蕃をもって蕃を制す」という政策のもと、金にものを言わせ、更に部族間の対立を利用して
「味方蕃」に「敵蕃」の首をとらせるという事をしていたそうです。

日本の敗戦後、台湾に来た国民党が、大陸で日本と戦ってきた国民党と抗日蜂起した台湾原住民は仲間であり、
国民党が台湾を日本から解放したのだと強調するために「霧社事件」を持ち上げ利用したことで、
日本人から「味方蕃」とされていた部族の人々に与えた衝撃は大きかったようです。
今も「敵蕃」「味方蕃」に分断された原住民の人々の対立は和解することができない地域もあり、
日本人が現地に残した問題の深さをもっと知らなければならないと、タロコ渓谷の深い谷を見下ろしながら思いました。

次の日は、日本軍の将校の家などを保存、修復し公開している場所に行きました。
修復された日本家屋には、日本語世代(子供の頃に日本語で教育を受けた世代)の
おじいちゃん(李さん。84歳)がいて、昔のことを色々話してくれました。
李さんは、日本敗戦時15歳だったので、日本統治時代の事をはっきり覚えていて、
当時のことを「懐かしい」と言っていました。
でも、彼は日本名を持っていないので、どうしてか聞くと
「僕の父親が日本名に変えないと決めたから。
当時、台湾には4段階の階級があった。一番階級が高かったのが日本人と、日本名にした台湾人で、
二番目が名前を変えていない台湾人、三番目は大陸から来た中国人、一番下が原住民だった。」
と言っていました。
台湾の原住民は今では台湾人口の2%にまで減少しています。
経済発展の中で村の伝統的生活は維持できず、都会に出稼ぎに出るなど、
いまだ不安定な社会階層におかれている人も少なくないそうです。
その点は海南島の少数民族と似たような状況なのではないかと思います。

李さんは、日本が戦争中、花蓮市内にも慰安所があり、「慰安婦」も見たと言っていました。
彼の見た「慰安婦」はみな朝鮮人だったそうです。
18、19歳の特攻隊員達が出撃に飛び立つ前は慰安所に行き、「慰安してもらっていた」と言っていました。
台湾人で「慰安婦」にされていた人の中には海南島の慰安所に連れて行かれた人もいて、
当時の日本政府が海南島を「第二の台湾」にしようとしていた事を考えると、台湾と海南島の関係史から
新たに見えてくる問題もかなり多いことを、今回改めて実感しました。

最後に、珍トリオの感想で印象深かったつぶやきをご紹介します。
中国人の友人「日本は、清に勝って植民地として台湾を手に入れて、それでも満足しなかったんだね。
もしも台湾を手に入れるだけで止めていたら、歴史はどうなってたかなー」
在日の友人「日本から来たって言った時のお年寄りの反応が、予想に反してすごく好意的でびっくりした。
朝鮮と台湾の植民地統治の違いをもっと知りたくなった」

台湾から見た日本、海南島、中国大陸、朝鮮半島、アジア、に更に興味が湧いた旅でした。
もっと勉強して、また行きたいと思います。


(おまけ☆)
この感想文を読むと、なにか歴史問題に取り組む真面目な旅をしてきたかのように誤解が生じますが
実際は、夜市で食い倒れ、温泉に入りガールズトークをするフワフワな女子旅でした。
でも、時代が違えばうちら珍トリオの立場は全く違ったものだった事、
こんな風にフツーのキラキラ女子旅なんて絶対できなかった事を考えると、
この旅に限らず、今あるうちらのフツーの友情がどんなにすばらしいことだか実感せずにはいられません。
また珍メンバーで行けると、いろんな視点が生まれて面白いから次回もぜひ☆期待です。

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