Y.Cです。またまた失礼します。
自分が最近見た中で勉強になった映画がありましたので、それを紹介します☆
7月14日にポレポレ東中野でやっていた『台湾アイデンティティ』(監督: 酒井充子/制作国:日本/制作年:2013年)を見に行きました。
この映画は2009年に上映された『台湾人生』の次に製作された作品で、多様な台湾社会の状況や日本統治時代・国民党時代の中で育った人々の葛藤が日本語世代のインタビューを中心に描かれています。
今作は台湾国内の原住民のツゥオ族出身で、日本統治下、海軍へと志願し、戦後は二二八事件に参加して国民党に抵抗した鄭茂李さん。終戦を朝鮮北部で迎え、シベリア抑留を体験し、横浜市在住の呉正男さん。インドネシアに残留し、インドネシア兵として独立戦争に参加した宮原永治さんなど、台湾人で日本兵として戦った人たちの話、またツゥオ族のエリートとして台湾師範学校に通い、警察官・教員として働き、戦後は郷長を務めるが、原住民の自治を主張していたため、無実の罪で強引に捕まって投獄され、その後銃殺された高一生さんの娘である高菊花さんや、二二八事件に参加して捕まり、離島にある収容所に連れて行かれた経験を持つ張幹男さんなど、階層・性別・台湾内外に関わらず、様々な状況の方々の話が取り上げられています。
自分が印象的だったのは、片言ではなく、流暢な日本語を話す姿に奇妙さを感じつつ、日本語名・中国語名・原住民名(インドネシアに残った方の場合はインドネシア名)と三つの名前を持っている状況を見て、とても複雑な気持ちになりました。特に国民党に捕まって銃殺された原住民ツゥオ族の高一生さんの娘である高菊花さんが子供の時に自ら日本語と原住民語で歌を作って教えてもらったことや、投獄中も父親が日本語で手紙を家族に送っていたという話を聞き、高一生さんの知識の高さには驚きました。それだけに銃殺という結果には愕然するとともに、このような優秀な人物がなぜ殺されなければいけないのかといった戦争後の状況における理不尽さを強く感じました。また、娘の高菊花さん自身も戦後初期から歌手として働いて苦労したという話はもちろん、父親の投獄後は国民党関係者から必要に尋問を受け、銃殺された後も続いていたという話に驚くとともに、いかに国民党政権下の弾圧の酷さを改めて知りました。
映画全体を振り返り、「日本統治時代に教育を受けた」「日本軍人として戦った」「日本人に良くしてもらった」ということを言うなど、好印象的な話が多かったです。その一方、横浜市在住の呉正男さんが日本人として戦ったため、簡単に帰化できると思って市役所へ相談しに行ったが、職員に「帰化できる可能性があります」と遠回しに断られるような言葉を三回も言われ、腹が立って帰化するのをやめたという話は心に残りました。国民党政権の弾圧の影響から日本に対し、好印象な発言が多いのかもしれませんが、こんなに簡単に割り切れるものなのか正直そこは疑問に感じるとともに、色々と考えさせられました。
8月中もポレポレで上映されているみたいなので、機会があればぜひ見てみてください☆
・『ポレポレ東中野』
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
・『台湾アイデンティティ』(公式サイト)
http://www.u-picc.com/taiwanidentity/about.html
Y.C
自分が最近見た中で勉強になった映画がありましたので、それを紹介します☆
7月14日にポレポレ東中野でやっていた『台湾アイデンティティ』(監督: 酒井充子/制作国:日本/制作年:2013年)を見に行きました。
この映画は2009年に上映された『台湾人生』の次に製作された作品で、多様な台湾社会の状況や日本統治時代・国民党時代の中で育った人々の葛藤が日本語世代のインタビューを中心に描かれています。
今作は台湾国内の原住民のツゥオ族出身で、日本統治下、海軍へと志願し、戦後は二二八事件に参加して国民党に抵抗した鄭茂李さん。終戦を朝鮮北部で迎え、シベリア抑留を体験し、横浜市在住の呉正男さん。インドネシアに残留し、インドネシア兵として独立戦争に参加した宮原永治さんなど、台湾人で日本兵として戦った人たちの話、またツゥオ族のエリートとして台湾師範学校に通い、警察官・教員として働き、戦後は郷長を務めるが、原住民の自治を主張していたため、無実の罪で強引に捕まって投獄され、その後銃殺された高一生さんの娘である高菊花さんや、二二八事件に参加して捕まり、離島にある収容所に連れて行かれた経験を持つ張幹男さんなど、階層・性別・台湾内外に関わらず、様々な状況の方々の話が取り上げられています。
自分が印象的だったのは、片言ではなく、流暢な日本語を話す姿に奇妙さを感じつつ、日本語名・中国語名・原住民名(インドネシアに残った方の場合はインドネシア名)と三つの名前を持っている状況を見て、とても複雑な気持ちになりました。特に国民党に捕まって銃殺された原住民ツゥオ族の高一生さんの娘である高菊花さんが子供の時に自ら日本語と原住民語で歌を作って教えてもらったことや、投獄中も父親が日本語で手紙を家族に送っていたという話を聞き、高一生さんの知識の高さには驚きました。それだけに銃殺という結果には愕然するとともに、このような優秀な人物がなぜ殺されなければいけないのかといった戦争後の状況における理不尽さを強く感じました。また、娘の高菊花さん自身も戦後初期から歌手として働いて苦労したという話はもちろん、父親の投獄後は国民党関係者から必要に尋問を受け、銃殺された後も続いていたという話に驚くとともに、いかに国民党政権下の弾圧の酷さを改めて知りました。
映画全体を振り返り、「日本統治時代に教育を受けた」「日本軍人として戦った」「日本人に良くしてもらった」ということを言うなど、好印象的な話が多かったです。その一方、横浜市在住の呉正男さんが日本人として戦ったため、簡単に帰化できると思って市役所へ相談しに行ったが、職員に「帰化できる可能性があります」と遠回しに断られるような言葉を三回も言われ、腹が立って帰化するのをやめたという話は心に残りました。国民党政権の弾圧の影響から日本に対し、好印象な発言が多いのかもしれませんが、こんなに簡単に割り切れるものなのか正直そこは疑問に感じるとともに、色々と考えさせられました。
8月中もポレポレで上映されているみたいなので、機会があればぜひ見てみてください☆
・『ポレポレ東中野』
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
・『台湾アイデンティティ』(公式サイト)
http://www.u-picc.com/taiwanidentity/about.html
Y.C