ささやかな就職応援記録

ありきたりなことを淡々と綴ります。誰かのささやかな参考になればと思い、書いてます。

就職活動に役立つ本⑤『新版ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則』

2020-12-24 20:06:00 | 本の紹介
企業研究をより深く行うために…。

当記事では『新版ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則』(福永雅文著、2018)を紹介します。



この本における「強者」の定義は「競合局面において勝っている市場占有率1位の企業」(同書78頁)です。反対に「弱者」の定義は「競合局面において負けている市場占有率1位以外のすべての企業」(同書78頁)です。

そうすると、競合局面(市場)ごとに「強者」は異なることになります。
スマホ本体の市場では劣る(「弱者」)けれども、スマホの特定の部品に関しては市場占有率1位で「強者」ということが起こりえます。 

競合局面で勝っていれば「強者」になれる。だから、小さい規模でも特定の競合局面に注力した「強者」の企業があるかもしれない。そういった視点をもてば興味を持って企業研究ができるような気がします。

(補足)
本書では、軍事戦略理論に基づいて「強者」の戦い方及び「弱者」の戦い方が、具体例とともに紹介されています。就職活動から離れて考えても興味深い本です。

就職活動に役立つ本④「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話」

2020-12-12 17:42:00 | 本の紹介
大学生の就職活動について余すところなく直視した本という印象を持ちました。

今回紹介する本は、「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」
(沢田健太著、2011)です。



著者は大学キャリアセンターの職員です。
大学キャリアセンター職員の立場から大学生の就職活動、大学生自身、大学生の周りの大人についてかなり赤裸々に記述しています。

基本的には「キャリアセンターは企業社会と大学教育との橋渡し役である。これからの厳しい社会を見据えて、そこで最低限必要な知力は大学の勉強を通して養えるんだよ、と学生に教える立場であるべきだ。」(本書47頁)という考え方で貫かれています。
これが本書の一番の特徴だと私は感じました。

以下、本書を読んで考えた私の考え、感想を述べます。

社会の一部論調では「大学教育は企業社会で役立たない」という考え方もあります。私はこういった論調に大学生自身が飲み込まれてしまうのはもったいないなと感じています。なぜなら、大学や大学教育は大きな就職活動にも使えるリソース(資源)となりうると考えているからです。
例えば、一番作成に苦労したレポートを自己PRとして提示する。これも、大学教育をリソースとして就職活動に活かしている例といえます。本書でも大学の授業で課される「小レポートやリアクションペーパーを意識的に利用すれば、日々の文章訓練になると思うのだ。」(同書156頁)とし、エントリーシートなどの提出書類の記入に活かせるのでは、としています。

せっかく大学に所属しているのだから、就職活動にも大学、大学教育で得た成果を活かしてほしいなと思っています。

就職活動に役立つ本③「内定取消!終わりがない就職活動日記」

2020-11-21 10:07:48 | 本の紹介
就職活動に役立つ本として紹介するか迷いました。
就職活動のノウハウが書かれた本ではないですし、2009年リーマン・ショック時期のことが書かれた本ですし。
ただ、改めて読み返してみると、普遍的な内容が書かれている箇所があると感じたので紹介します。

「内定取消!終わりがない就職活動日記」
(間宮理沙著)です。



ざっくり説明すると、大学卒業間近に控えた2009年2月、企業採用担当者から強烈な内定辞退の強要を受けた著者間宮理沙さんが当該内定辞退の強要を告発するといった内容の本です。

6章の構成になっていますが、5章までが主に告発の内容、周りのサポートを受けながら内定辞退の強要に対抗する様子が書かれています。

6章に間宮さんが内定辞退の強要を受け開始した2回目の就職活動において、考えたこと、苦戦したことが書かれています。

6章の冒頭に普遍的な問題提起につながる箇所があります。少し長くなりますが、引用します。

「会社を探す基準も変わった。以前はスキルを身につけて、市場価値の高い人材になって転職したいとずっと思っていた。ベンチャー企業の社長さんに会っても、『間宮さんは向上心が強いからそういう働き方が向いているよ』と言われた。
 でもあの面談を受けてから、『働くこと』って自分だけの問題じゃないんだと気づいた。こんなに周りの人に迷惑をかけてしまったからだ。
 だから、人を大切にする企業がいい。できれば同じ会社で長く働きたい。
 スキルも市場価値も、働ける場所がしっかりしていないと意味がない。不安定なところで頑張っても、またみんなに迷惑をかけてしまうかもしれない。」(「内定取消!終わりがない就職活動日記」(間宮理沙、2010)178頁)


①将来の転職を視野に人材としての市場価値を高めることができる企業を選ぶのか
②長く働くことを前提に自分が長く働くことができる企業を選ぶのか
といった問題提起を読み取ることができるかなと思います。

①②の選択はご自身の価値観、ライフプランによると思います。社会の流れがこうだからとか、日本の雇用慣行がこうだからとか、といった形で結論が出る問題ではないと思います。

ただ、個人的な意見を述べますと
就職活動の初期に応募企業を選ぶにあたっては②を基軸に、すなわち自分が長く働くことができるかを基軸に選んでいった方が無難だと思います。

理由は、ある程度長く働かないと人材としての市場価値は高まらないのではないかと思うからと、予測に反して人材としての市場価値が高まらなかったときのリスクがあると思うからです。

背伸びして長く働くことに多大な努力を要する企業を選ぶよりも、自分の適性や能力にあった長く働くことができる企業を選んだ方がいいのではと個人的には思います。

就職活動に役立つ本②「就活テクニック大全」

2020-11-16 21:34:55 | 本の紹介
就活テクニックを描くことによって、就職活動の本質に迫る、といった本です。

「就活テクニック大全」(坂本直文著)です。



就活テクニック(就活の実践的アドバイス)が記載されている本であることは、タイトルからわかる通りです。
加えて、企業の採用担当者のコメントが随所に記載されており、企業の本音に肉薄していると感じました。企業の採用担当者ならこのように考えるのもありえるなとリアルさを感じました。

読む際の注意としては、この本に書かれている内容を全て実践しつくそうとは思わない方がいいかなと思いました。一定の努力を要するアドバイスが満載なので、全て実践しようとするとキャパオーバーになると思います。

「大全」とタイトルにもあるので、就職活動の百科事典みたいな使い方がいいのかなと思います。



就職活動に役立つ本①「高校生の就職活動オールガイド」

2020-11-16 21:09:50 | 本の紹介
就職活動について本で概観したい、というニーズあると思います。
そういう方に少しだけ本の紹介をしたいと思います。

まず、紹介したいのは、「高校生の就職活動オールガイド」(加藤敏明氏監修)です。




高等学校卒業予定者向けの本ですが、大学生の方にも役立つと思います。
なんといいますか、就職活動のお手本が載っているという感じです。今、高校生が置かれている環境(労働市場)が載っていたり、内定が決まらない場合の対処法が載っていたり、就職活動の一通りの内容が網羅されています。
もちろん、高校生の就職活動特有の記述もあるので、その辺りは差し引いて考えてください。

就職活動ってそもそもどういうもの?、といったイメージを持つのにはいい本だと思います。