月が変わって5月になりました。
今月最初の投稿なので、従来の札のデザインを紹介します。
5月の札は「菖蒲(あやめ)」です。
「杜若(かきつばた)」とするところもあります。
左から「菖蒲に八ツ橋」「菖蒲に短冊」「菖蒲のカス札」です。
タネ札に描かれている八ツ橋は、『伊勢物語』に登場する「三河の国の八橋」に由来すると考えられています。
その地には杜若がきれいに咲いていて、それを見た主人公(在原業平)が、
「から衣 きつつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たびをしぞ思ふ 」
と歌を詠んだとあります。
この和歌、学校で習った覚えがあるという方も多いかと思いますが、各句の頭の文字を取ると、「かきつはた(かきつばた)」となっているのですね。折句という技法が用いられた歌なのです。
さまざまなナントカ花札を鑑賞していると、この「菖蒲に八ツ橋」札が最もデザインしずらい札なのではないかと感じます。
モチーフが生物ではなく、その形も特殊なので、アレンジするのが難しいのではないでしょうか。
はたしてどんなデザインが登場するのか、次回からじっくり見ていきましょう。
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