兄が3度目の退院をしたのは3月2日 約2ヶ月弱の入院でした。
退院するにあたり病院のソーシャルワーカーさんの説明がありましたが
その説明では在宅療養にしても 緩和ケア病棟に入るにしても不安なことばかりでした。
決めかねてのとりあえずの退院で自宅に帰ってきました。
不安だらけでしたが少しでも確実な情報を集めようと緩和ケア病棟のある病院を何か所か回り説明を求めました。どこもとても親切に時間を割いて
責任者の方が説明してくださいました。
しかし 緩和ケア病棟に入るには当然のことながら以前の病院の診断書と紹介状を持参しても 新たにその病棟を持っている病院の診察を受けなければなりません。 又コロナが蔓延していることも有り面会は一切出来ないとのことでした。
そして最も信頼していた訪問看護の看護師さんとも縁が切れてしまうのです。
訪問看護師さんは1回目の退院の時からお願いしていました。
そのベテランの看護婦さんは知識も広く仕事もテキパキ とても優しい
信頼のおける看護婦さんでした。
何か問題があると入院していた病院の主治医と相談して適切な処置を取ってくださいます。
その看護婦さんのアドバイスでソーシャルワーカーさんがおっしゃっていたお医者様とは違う地元のお医者様を知り早速往診を頼みました。
その優しさやこれからの医療方針をお聞きして不安は一掃されました。
そして 介護支援員さん 看護婦さん お医者様の連係プレーが素晴らしく
看護婦さんとは24時間相談に乗ってもらう契約をしていましたが本当に
安心でした。
そして 看取りも家でするということに何ら迷うこともなく決めることが
出来ました。
それからは 入浴サービス 介護ベッドをお願いして 看護婦さんも週2回から3回に増やして頂きました。
兄は広い浴槽で身体を洗っていただき ストマ交換もマメにして頂き
気持ちが良かったのでしょう。「病院の看護師さんはあまりに忙しすぎて
何も頼むことが出来なかったけど 家でなら俺の専属の看護師さんだから
俺のためにだけ時間を使ってケアしてくれるので嬉しい。 風呂も病院では
入ることが出来なかったけど タップリの湯につかって綺麗にしてもらい
本当に気持ちが良い。 やっぱり家がいいなー」と言っていました。
そして とうとうその日が近付いてきて看護師さんには3日連続で来ていただき その最終日に兄は旅立ちました。 3月28日 日曜日
兄の息子と 私たち兄姉妹は 家で看取れて本当に良かったと泣きながら
頷き合いました。
桜の満開の時期に旅立った兄の遺影は 大好きだった釣の服装で満開の桜の前で微笑む姿です。
昨日 ハラハラと舞い散る桜の中葬儀が執り行われました。