誰かが見た暗やみを、わたしが知る事は無い。
わたしが抱く暗やみもまた、誰にも知られる
事は無い。
暗やみの彼方に
ひと握りの星がある
どうか忘れないでほしい
ひかりばかり見つめていては
大切なものも見えなくなるから
そこに暗やみがあるなら
それは必要だからだ
目を凝らせば
見えてきはしないだろうか
かすかな喜びや
本当のねがいが
見落としてきた
大切なものが―
歩く。歩く。この暗やみを、ゆっくりと、ひとり。
目を細めてジッと手のひらを見つめてみる。
その時、初めて、手のひらにも星がある事を知
った。
あなたは
その手のひらを
暗やみに浮かべてみた事が
あるだろうか
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