「〇〇〇〇さんが、しょっちゅう転んで、どうもおかしいと思って医者に行ったそうだ」
「なんたら~かんたらで、ああして~こうして・・・。」(実家で聞く話は延々とあまりに長いため、中略)
「これから入院して手術するんだって、本人が言ってたよ。おばあちゃん一人で留守番では、よいでねだろうの。様子見に行ってくる…。」
今月初め、実家で、こう言う話を聞いて真っ先に思い出したのは、10月頃のことだ。〇〇〇〇さんにお目にかかった時、片目の周りに青黒く内出血の跡があるので、どうしたかと尋ねたことがあった。
「転んで、額のあたりをぶつけたのよ~。だんだん、内出血が下がってきて、みっともないったら。恥ずかしくて出て歩かいね。」
「だいぶひどく転んだみたいですが、骨は大丈夫・・・だ、みたいですね~。医者には行きましたか?えっ、行かない…。手首や足の付け根は何ともなかったですかね。」
「骨は全然ダイジョブよ。それより、この青たんが嫌ね~。どのくらいかかるかしら~。」
ご本人は見た目が悪いのばかり気にしていたが、頭をぶつけた後、じわじわと頭蓋内に出血が溜まり、神経症状が出たりすることがあるから、ひと月ぐらいは気を付けたほうがいいと、話をした覚えがある。
余計なお世話を、とも思ったが、治療室の患者さんでそういう例があったのだ。
「やっぱり、あの時転んだせい?」
と、小声で尋ねると、
「お医者はそうだろうって…。」
と、大きくうなづいていた。
「でも、治ってよかったですね。おばあちゃんも安心してたでしょう。〇〇〇〇さん、髪はじき元通りになるし、ほら、新しい年もすぐですから。」
運悪く,ほんとに、ぶつけたくらいでこんなことになるなんて、おそるべし、ゴッツン!!あなどるなかれ。とはいえ、復活できて本当にめでたしめでたし。
厄をすっぱり払ったようなものだもの、来年はきっと良い年に違いない。