先日ひょんなことからお誘いを頂き
観てまいりました。
「1125自決の日 三島由紀夫と若者たち」
中学、高校の頃
三島由紀夫作品を一時期読み漁ったことがあります。
何に惹きつけられたのか…
よくわからないのですが
(究極のエロチシズムに対する好奇心?笑)
とにかく何か取り憑かれたように読んでいました。
当時はネットなどはありませんので詳細は調べませんでしたが、
その作家が割腹自殺というかなり特殊で過激な死を遂げたことは知っていたように思います 。
さて。
映画の感想ですが
実に興味深かったです。
私のイメージする三島由紀夫と井浦新演じる三島由紀夫には観る前かなり開きがあったのですが、
これが不思議とスッと馴染めました。
何処か
美意識レベルが共通しているというか…。
美しく生きるということ。
美しい魂を感じ取るということ。
美しいものを愛でるということ。
そんなところに三島由紀夫と井浦さん共通項があるんじゃないかなぁー。
形は違えど精神性とか拘る姿勢が似通った匂いがするような…(あくまで主観です。)
とにかく映画を観ていて
井浦新さん演じる三島由紀夫が美しさに拘る姿が半端ではないと強く感じる。
それは髪型
洋服の選び方
住まい
美しい肉体
のような形あるものだけでなく
美しい生き方
美しい魂
そして
美しい死。
人生そのものが美意識の塊のような印象でした。
ストイックな印象を醸し出す人からは大なり小なりそのような雰囲気が漂うもので、私はそういう人に弱い。
ついふらふらと…ついて行っちゃう。(笑)
ただ三島由紀夫は極めてますから私などではとても崇拝することさえ
躊躇われますが、
映画の中の
森田必勝をはじめとする「若者たち」はたぶん胸をグワッシッ!と捕まれちゃったのかなぁー。
まさに強烈なカリスマ。
周りを引き寄せる彼の美に拘る姿が
引き寄せた周りの若者の一途な想いに突き上げられ
さらに昇華し、エスカレートする美意識の極致が
あの「死」の形だったのかなぁ。
遺体に縋って泣く若者を観て
美しい死というのは
ないのではないかと考えたり。
この人たちはもっと過去の幕末や戦時中に生まれていたら英雄になったのかもしれないなぁーなどと考えたり。
時折挿入される学生運動
安保闘争でたくさんの市民が新宿駅や大学の構内で乱闘する実写フィルムをみて、この人たち、今何してるんだろうとか思ってみたり。
今の若者にもこの時代と同量のエネルギーが存在するとしたら、今の若者のエネルギーは何に費やされているんだろうかとか。
いろいろ思うこと多し。
国を憂う気持ち。
消費税を巡って(なのかどうなのか)
名前が違うだけであまり理念とか理想とかも代わり映えしない枠組みを辞める辞めないと大騒ぎしている立派そうな大人より
日本海に突き出す岬に立ち
雨の中ずぶ濡れでプラカード持って叫んでいる人たちのほうがよっぽど国を憂いでいるように見えるのは気のせいかしら。
国会議員の年俸は2000万円だとすると
辞める辞めないで料亭で密談して経費で美味しいもの食べてグダグダやってるだけであの人たちに一日5万円払ってるのか…なんて計算して虚しくなったり。
急にリーガルハイの古美門君の
「誇り」の名長セリフや
政治に対する冷静な視点が思い浮かんだりしてほくそ笑み。
美しく生きるってどういうことなのだろうと改めて思う。
きっと三島由紀夫が生きてたら
すっごい怒られそうな気がする世の中かも。
というより、失望して死んじゃうかも。
それくらい
彼が描きそうな美意識に包まれた未来と現在に開きがありますかね。
美しく生きられなければ死も辞さず
果たしてこれが正常な精神状態かといえば微妙ですが、
この精神の爪の垢程度を煎じて飲んだ心持ちで日々生活出来たらかっこいいなぁー。
そしてそれが何処か彼の小説にも流れる拘りできっと遠い昔、若かった私が惹かれた何かの正体なのかもしれないなぁーと思ったりしたのでした。
三島由紀夫に心酔する若者たちも
実に暑苦しいほど暑く。
満島真之介君
そんなまっすぐな眼差しで
見つめられたら
三島先生逃げられないから。(汗)
男が男に惚れる?(そういう話もありますが、この映画はそっちには行きません)
熱演でした。
お姉さんの満島ひかりさん同様
素敵な俳優さんになりそう。
舞台挨拶、ティーチイン後、
会場を後にすると、狭いロビーに
何と井浦新さんと満島君がお出迎えして下さってました。
まるで書籍のような充実感のパンフレットに一生懸命サインをし、
おまけにファンと握手まで。
え?
もちろん並んでしっかり握手&サインして頂きましたよー。
井浦新さんは(君とは呼べない雰囲気)
瀟洒とした穏やかな空気を醸し出す何だか崇徳院のような(平清盛リタイア未視聴なくせに・笑)方で。
真之介君は小さな女の子の目線にあわせて一生懸命会話してあげている姿が異様に可愛かったです。
ああ、いい人だなぁーと。
梅ちゃん先生集中放送を観ているのでちょっと嬉しかったです。
あ、若松監督のティーチインがとっても面白かったです。
パンフレットがたくさん売れたらまた舞台挨拶するとおっしゃってましたので、たくさん売れたからきっとまた出るとみた。(笑)
この映画若い子が観たらどんな感想を持つのかな。
意外に美しいもの好きの今の若者なら
自分との共通項を見いだしそう。
ここまでは望みませんが
こういう人らしき人がこの国に実在したことを
忘れずにいてほしい。
若者に是非観てみて欲しい映画です。
あの若松監督が三島を撮るというだけで何故?
そして今何故三島?
ありふれたクエスチョンだらけです。
何事もなかったら文壇の大御所でノ-ベル賞作家になっていらしたのでは。
とにもかくにもこの日、私は多感な高校生で
しかもお誕生日でした。
忘れられない11/25、衝撃の日ではあったけれど
やはり時代錯誤の惨めな三島を感じたのはまだ青い高校生の私だったからかしら。
新さんや満島さんと握手できて良かったね。
私もこのごろ映画をよく観てます。
映画って楽しいわ。
多様とはいい表現ありがとうございます。
ま、節操がないとか手当たり次第です。(^_^;)
ま、そうですかっ!
お誕生日おめでとうございますっ!
あの時代、多感な高校生ですか。
あの時代の熱い若者をしるTakiさんから今のぬくぬくの若者はどんな風に見えるのでしょうか。
しかしながら
たぶんその時代にいたら
三島由紀夫について幻想は抱かないのかもしれないなぁー
などと思ったりしています。
自分が見られない過去だから
余計にそそられる…
すっかり気分は「ミッドナイトインパリ」状態です。(笑)
井浦新さん、良かったですよ、地味で。
映画楽しいですねー。
これから見たい韓国映画公開ラッシュで
嬉しい悲鳴です。