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「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」読了

2024-10-24 23:08:42 | 読書録

なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅 香帆 | 集英社 ― SHUEISHA ―

なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅 香帆 | 集英社 ― SHUEISHA ―

【人類の永遠の悩みに挑む!】「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……...

集英社 ― SHUEISHA ―

 
同僚にお借りしてやっとこさ読了。
そうなのですよ。
カバンに入れているのに
疲れ果てて読めない日も多かった。。
開くと目が閉じる。
スマホはダラダラ見られるのに。
不思議だ…。
というわけで、読んでみました。
簡単に感想を書き留めておきます。

長時間労働だから本が読めないのか?

本書では丁寧に歴史の視点から読書習慣について振り返り、昔から長時間労働下でも労働者は本は読んでいたことを提示。

とはいえ、時代と共に読書の目的や質は移り変わってきたよう。
(明治、大正、昭和、平成の労働環境と読書習慣、社会情勢を分析した件は読み応えあり。調べるのは大変だっただろうとお察しするも、とても楽しそうな研究

長時間労働も原因のひとつかもしれないけれど、根本的な原因ではない…。

自己啓発本は読めるのに、小説を読めないのは何故か。

スマホやメディアなど
多様な媒体による情報が溢れかえる昨今。
単なる「情報」ではなく、読書には「情報」の他に「知識」として目的外の「ノイズ」が含まれているという考え方を紹介。

自己啓発本は「ノイズ」の除去を促す立場の本であり、自己分析をして自分をコントロールするための本なので、現代の労働と相性がよく、一方、文芸書は社会や感情について語られているので、ノイズを含みやすいとのこと。

確かに自己啓発本を読む時は、現在の自分の悩みや問題点など、頭の中にある状態で読むことで解決策を得ることがあるかも知れないが、小説を読む時にはその小説の世界に入り込むことが必要で、自分の悩みや問題点を頭で考えたまま小説の世界に没入するのはかなり難しい気がする…。

で、結論。

そんなわけで著者は
「半身の労働」を推奨。
全身全霊で働くことを賞賛することから卒業し、半身で働き、あと半身で読書や副業や趣味を楽しむ生活が望ましいと締め括っている。

そうだよね。
仕事で頭がいっぱいだとやっぱりすぐには切り替わらないよね。。と頷きながらふと思う。

働く主婦の多くは、ずっと「半身」で労働をせざるを得なかったのではないか。
「半身」で仕事をし、あと「半身」は家事をこなす生活が続く毎日。

「半身」だからといってクオリティーが中途半端であることは、なかなか許される状況にはなく、どっちの「半身」も全身全霊でやらざるを得なかったら、本はなかなか読めないはずだわ。
と妙に納得。
子育て時代は「半身」の「半身」くらいのボリュームでみんなが仕事ができるようになると日本も変わるのかもしれないと思うのでした。




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