平方録

秋バラの代わりにサンマの煙をかいできた

そろそろ秋バラが見ごろになってきているだろうと思い、妻と横浜イングリッシュガーデンへ。

もちろん短パンに半そでのポロシャツ。真夏を思わせるような暑さと青空に心は浮き立つのだ。
併設する住宅展示場では東日本大震災復興支援の「ハマのサンマまつり」が開かれていて、住宅展示場の中に炭火で焼くサンマの煙がもうもうと立ち上っている。
大震災の翌年から始めた行事で今年で6回目である。
サンマのほかにホタテ、つみれ汁、ふかひれスープなどがあり、売上金はすべて被災地に寄付されるのだが、ここの場合は防潮堤の水門を閉じに行って犠牲になった気仙沼の消防団員たちの遺児に毎年届けられている。

青天に恵まれたことと催しそのものが6年目を迎えて認知されてきているのか会場は大盛況で、サンマにありつくまで30分近くも待たされた。
今年のサンマ漁は不漁で、この日に合わせてサンマが調達できるかどうか危ぶまれていたようである。
何とか開催にこぎつけたものの、やはりサンマは例年より痩せていた。小ぶりでやや貧相に見えるのは仕方ないとして、それも今年だけの特異現象であってほしいものである。
とはいえサンマはサンマ。特に炭火で焼いて秋空の下で食べるサンマはどう考えたっておいしいし、実際わが舌で味わってみれば、やっぱりまごうかたなき正真正銘の焼きサンマで、滴る脂の一滴一滴までが愛おしい。

ここのサンマのトレイは開明的なシロモノで内側に薄いフィルムの膜が張ってあるのだ。
食べ終わってごみ箱に捨てる前に薄いフィルムをはがせばもう一度きれいな状態で使えるのがミソである。
したがってごみ箱の前は慣れない手つきでフィルムをはがし、ヘェ~とかホォ~とかの感嘆符が乱れ飛んでいるのだ。
はがしたフィルムは焼却ごみに、フィルムをはがした後のトレイは再利用の箱に入れるのである。

さて、ガーデン内の秋バラはまだ時期が早かった。
それも致し方ないのだ。何せ夏せん定を手伝わされたのがひと月前の9月11日のことである。
伸び切ってしまった枝をバッサバサと切り落としてから、まだひと月しか経っていない。
現状は切り落とした枝の脇から伸びた新しい枝の先についた蕾が膨らんでいる時期なんである。ただいま開店準備中。

夏の不順な天候のあおりを受けてせん定作業もずれてしまったのだ。
秋バラの花芽はじっくりじっくり時間をかけて成長するのが特徴である。
だから初夏に比べて花数が少ないものの、一つ一つが大きく咲いて、しかも酒の類が熟成しておいしくなるように、秋バラもじっくりじっくり育っていくためか香りが一段と際立つものなのだ。
そういう意味で、初夏のバラより秋バラが好き、と言う愛好家も少なくないんである。

でもしばし待たれよ。見ごろは今月の下旬から11月の中旬頃でござろうぞ。
あと少しの養生期間が必要でごザル。おサルの駕籠屋はホイサッサ。
晩秋を彩ってもらい、来たるべき冬の憂鬱を前にした慰めにしたいと思っているでごザル。




炭火に焼かれたサンマから立ち上る煙がたなびく


ぼちぼち頃合いですかナ


お~い、まだかぁ~と首を長くして待っているのだ


熱々を手に入れたぞ。今年のサンマは味は変わらないけどやせっぽちなのだ


ホタテもあるでよ


バラはただいま〝製造準備中〟


こっちも、準備中に付きしばらくお待ちください


数房だけどつるバラの「伽羅奢」が咲いている。ボクの家の伽羅奢は気配すらなく、ちょっと嫉妬してしまったのだ


バラのアーチからハローウインの飾りをぶら下げ


モスグリーンの車体をカボチャ色に塗り替えてバラの遅れをカモフラージュしているのだ
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