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平方録

見知らぬちっぽけな花に出会ったよ

見たこともない花だった。
直径が1cmほどしかない小さな花がたくさん咲いているのに気付いた。
波打ち際から少し離れて一段高くなっている場所に据えられた2本足のベンチの下。
こんなところに!とちょっとびっくりするような場所にびっしりと密生して花を咲かせている。

写真で見ても分かるように花色は白と黄色と薄紫が入り混じった洒落た色合いで、形もなかなか凝った造りになっていて小なりと言えども、何気なくすれ違えば必ず振り返りたくなる‶見返り美人〟といって差し支えない。
このベンチは自転車でのパトロールの折にちょくちょく利用して、もうずいぶんの年月が経っている。
それなのに、このベンチの下にこんな可憐な花が咲くとはついぞ知らなかった。

知らない花が咲いている。何だろう?すっごく珍しいものなんだろうか?
時々こういう具合にして未知なるものに出会って知的好奇心を刺激されたりするからニンゲンは辞められないんだよな♪

で、家に戻ってネットであれやこれや検索して調べた結果、花の名は「イワダレソウ」と判明した。
ああ、これが!というのが最初にこぼれて来た感想。
名前はしばしば耳にしていたのだ。
その昔、社会党に同じ名前の代議士がいて中選挙区時代のわが住居地の候補者の一人(岩垂寿喜男氏)で身近だったばかりではなく、仕事柄付き合いが深く‶タレさん〟と呼ばせてもらって親しくさせてもらい、時々酒を酌み交わしたりもしていた。
亡くなった時は葬儀にも参列して別れを惜しんだものだった。

あの‶タレさん〟の実直で骨太の性格の、あの時代の如何にも社会党っぽい人物像とこのちっぽけな可憐な小花はイメージが重なりにくいが、まぁ、対比の妙と言えば言えないこともない。
ともかく「あぁ、これが…」という思いで、予期せぬ形で久しぶりにタレさんのことを思い出した。

ネットのウィキによると世界中の熱帯から亜熱帯に広く分布し、日本では本州南岸から南西諸島の海岸によく生え、乾燥に強く、1日の日照時間が3時間程度でも成長するーとある。
それで海辺の日陰になるベンチの下に群生していたわけが分かった。
ヒメイワダレソウっていう種類もあるらしいが、そっちだと「ヒマワリの30倍のセシウムの吸着効果がある」と書かれている。
原発の敷地一面にびっしり咲かせたらどうかね。
日本の原発はおあつらえ向きに立地はことごとく海辺だろっ。
事故防止のおまじないくらいにはなるだろうってことよ。


相模川河口左岸の茅ケ崎・柳島海岸に咲くイワダレソウ

午前中の湘南海岸パトロールでは富士山は姿を隠したままだった


ちょうど正午ごろ、スタート地点に戻ってきて振り返るとすそ野の一部が雲の切れ目からかすかにのぞき、目を凝らすと薄っすらとした雪化粧が残る頂も見えるようになった♪


江ノ島に寄り道をして午後1時近く、橋を渡って戻る途中には頂が完全に現れるくらいに雲がどいてくれた

何れにしたって梅雨入り直前みたいな空気感だけど…

コメント一覧

平方録
海辺に行けば咲いている実物に出会えるかもしれませんから、ぜひ!
「クラピア」という名で園芸種として売られているそうですよ。
はるのとり
イワダレソウ 
おはつに おめに かかりました …

ごしょうかい ありがとうございます ˘人˘*
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