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平方録

おっ、復讐劇の幕開けか?

比例でかろうじて復活当選した甘利幹事長が小選挙区で敗れた恥ずかしさから幹事長を辞任し、その玉つき人事で外務大臣に林芳正という名が挙がってアベなんちゃらがカンカンなんだそうだ。

幹事長が辞任した後に幹事長に就いたのが茂木外務大臣で、その空白になった外務大臣を誰にしたらいいかと岸田がしおらしい態度でアベなんちゃらにお伺いを立てたんだそうな。

するとアベなんちゃらは最初は渋ったものの、結局2人の候補者名を上げたのだが、岸田はこれを無視して同じ派閥の実力者である件の林芳正にする意向を固めたということらしい。

名前を言わせておいて無視するとは何事か、それなら初めから聞かなければいいではないか…と言う意見もあり、この件は波紋を呼んでいるんだとか。

 

話がややこしいのは林芳正が山口3区選出で隣の4区がアベなんちゃらの選挙区だということだろう。
林は参議院議員を5期も務めたベテランで閣僚経験も豊かな実力の持ち主で、衆院に鞍替えしたのも総理総裁を目指してのことであるという。
早い段階から衆院への鞍替えを狙っていたが果たせず、今回、引退に追いやった元官房長官との間でトラブルを引き起こしながら強引に念願をかなえたといういきさつがある。
おまけに林家と安倍家は積年のライバル関係にあり、熾烈な地盤争いを繰り広げてきたいきさつがある。
加えてアベなんちゃらを刺激しているのが、山口県の小選挙区定数が次回から4から3に減ることである。
仮に3区と4区が一緒になるとなるとすると、アベなんちゃらは「過去の人」で、総理総裁を狙う林の人気には適わないというのがもっぱらの見方だそうな。
山口1区は弟の防衛大臣の地盤だし、2区も副総理を務め憲法を蹂躙して強引に成立させた「戦争法」(安保法制)では、アベなんちゃらが知恵袋兼根回し役として手を借りた恩人・高村正彦の息子が後を継いでいる。
つまり、次期衆院選でアベなんちゃらは選挙区を追われかねない危機にあるという訳である。
 
安倍が面白くないのはこの出来事以外に、岸田が恭順の意を示しているように見せる一方で、自分の意見を無視して事を進めることが続いていることも原因しているというのが、外野席からの見立てのようである。
つまり、岸田の組閣に当たってアベが推奨したのが高石幹事長—萩生田官房長官のアベなんちゃらの息のかかった2人だったのだが、岸田はこれを無視している。
そしてあろうことか今度は傷口に塩を刷り込むような仕打ちを仕掛けてきた…っていうことのようなのである。
 
フムフム、あの生きてるのか死んでるのかさえわからず、踏みにじられても踏みにじられても「アベサマ、アベサマ」と見苦しいまでひれ伏していたあの男が、ついに権力の座に座った途端、これまでの積み重なる恨みを晴らすべく復讐劇に出たのだとすると、これは下手な芝居を見るより数百倍も面白いものになりそうである。
総裁選の最中、口にしていた高額所得者への課税強化などの目玉政策をあっさり引っ込めたり、モリカケサクラ疑惑の再調査を約束するかのような口ぶりも、その舌の根も乾かないうちに翻したり…
何が分配無くして成長なしだ、口先野郎めっ!っと白い目で見ていたのだ。
 
そんな男がアベなんちゃらへの復讐劇にこんなあからさまなやり方で乗り出したのだとすると…
それはそれで相当な覚悟があってのことだろうと思わざるをえませんな。
そうだとするなら頑張れ! と遠くからだがエールを送るね。
最大派閥のボスに返り咲いたアベなんちゃらに、またぞろ大きな顔なんかされてたまるかってんだ。
ここは岸田が赤穂浪士のように本懐を遂げるところを是非見てみたい。
まさか返り討ちに遭うってことはないだろうな。
 
 
 
(見出し写真は近所の空き地に群がり咲いている野菊の仲間)
 
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