平成という一つの時代を振り返って、年代別に最も多く自慰回数を記録したオナペットを挙げてみると、一九九〇年代が誰だったのか、どうにも浮かんでこない。それは自慰用の素材が写真集や雑誌のグラビア、アダルトビデオ、漫画などと多岐にわたっていたからで、飽きるのも早かった。最も記憶に残っているのは誰かと問われると、躊躇なく当時愛読していたお菓子系雑誌「クリーム」の九六年四月号に登場した中山由香だが、最多記録かどうかの判断には迷う。
〇〇年代は石井めぐるか滝ありさのどちらかだが、二人とも僕の性欲のピーク期においてひっきりなしに股間を熱くさせてくれ、一日四、五回の固め打ちの立役者だったので、記録としての甲乙はつけたくない。一〇年代は武田紗季がぶっちぎりで、一四年十月にDMM.comからダウンロードしたイメージビデオ(IV)「SAKIMO」は、今日でも頻繁に使わせてもらっているほど、僕の平成オナペット史を総括するうえで終生忘れ得ぬ作品となるだろう。
武田はアイドルグループ「palet」のメンバーで、一五年十二月まで在籍していたが、僕はアイドルとしての彼女には一切興味がなく、ひたすらオナペットとして汚し続けている。発表したIVは「SAKIMO」のみだが、一級品の美少女が着エロすれすれの演出とカメラワークに堪えながらも健気に笑顔を絶やさず、ひたむきに撮影に臨む姿勢に、僕が今まで視聴してきたIVの中でも、文句なしの最高傑作だ。
「SAKIMO」は全部で九つのチャプターから成っているが、尺の長いインタビューや料理を作ったりするなどの実用性の低い、いわゆる捨てチャプターは一つもなく、すべてにおいて射精に導かせてくれる。九つのうち、よく使わせてもらっている上位三つを挙げると、①メイド姿②水玉柄ビキニ③あずまやでの白ビキニで、それら以外にも競泳水着姿や体操服、シャワーシーンなど高校生世代の商品価値を余すところなく体現させてくれている。
武田は石井や滝のような巨乳を売りにした美少女ではないが、唯一の映像作品ではどのチャプターとも胸の立体感が目立ち、僕の性的興奮のボルテージを大いに高めてくれている。一六年以降、十八歳未満の3号ポルノの新作がほとんど発表されなくなったのも、武田の希少性を際立たせる結果となり、動画サイトなどで違法アップロードされた旧作を拾い集めてみても、高校生世代ならではの健康的なエロティシズムを併せ持った彼女の美少女度には到底及ばない。
一四年十月から僕のオナペットとして七年近くになるが、このままコンスタントに自慰を続ければ、石井と滝で記録した約百八十回を超えるのは間違いない。彼女たちの現役時代のように、高校生世代のグラビアアイドルが次々とデビューできるわけでもないので、武田に引導を渡せる美少女が現れる可能性はゼロに等しく、僕が肉体的にも精神的にも衰えて自慰ができなくなってしまうまでは、おそらく彼女がずっとオナペットの頂上の座に君臨しているだろう。