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米連邦最高裁判所判事の指名公聴会は11月の大統領選をにらみ、与野党の攻防が激しくなる。与党・共和党は支持者に成果を訴えるため選挙前に価値観の近い保守派を承認する案を探る。野党・民主党は医療保険制度や妊娠中絶の権利が揺らぐと主張し、女性有権者の取り込みを狙う。
上院司法委員会は12日、トランプ大統領が指名した保守派のエイミー・バレット氏の公聴会を開く。9月中旬に死去したリベラル派のルース・ギンズバーグ氏の後任にあたる。15日までの公聴会では与野党議員が質疑を通じてバレット氏の適性を見極める。承認には上院(定数100)の過半数の賛成が必要だ。最高裁は米社会を二分する中絶や同性婚、銃規制、移民政策、医療保険、選挙制度など幅広い分野を扱う。上院がバレット氏を承認すると、最高裁判事9人のうち保守派が6人、民主党の価値観に近いリベラル派が3人になるとみられている。終身制の判事は数十年にわたって職務を続けるため、米社会が長期にわたり保守に傾斜しやすくなる。
民主党はバレット氏の承認に猛反対する。バレット氏が低所得者に医療保険加入を促す制度に否定的だからだ。11月に同制度の存続をめぐる審理があり、民主党は「バレット氏への賛成は保険制度廃止への賛成と同義だ」と訴える。中絶を女性の権利として認める1973年の歴史的判決を批判する広告にバレット氏が署名していたことも厳しく追及する構えだ。(中略 原文を)
現時点でバレット氏には民主党の全議員が反対するとみられる。大統領選前の承認は強行採決の色合いが濃くなる。
(共和党幹部は)「大統領選前の承認でトランプ氏が再選へ優位になるかどうかは判然としない」と指摘する。国民の関心が高い最高裁判事の承認を強行すれば、民主党支持者の反発を招くのは確実だ。民主党員の投票率が上がればトランプ氏には不利になる可能性がある。
承認手続きを最終決定する共和党上院トップのマコネル院内総務は大統領選前の承認を明言していない。大統領選と同時に実施される上院選でも共和党は過半数を維持できるか否か綱渡りなのが現状だ。当落線上の議員がバレット氏に賛成票を投じることで保守色を強めれば無党派層の支持を失うリスクがある。マコネル氏は情勢を見極めているとみられる。(*日経 記事より)写真:バレット氏は人工妊娠中絶の権利に否定的な立場を示す=ワシントンポスト・AP
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