雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「30だけど17です」(連載200)






韓国ドラマ「30だけど17です」(連載200)




「30だけど17です」第23話(新たな旅立ち)⑥


☆主なキャスト&登場人物

○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)

★★★


「回復してよかったわ」
 涙ながらにミヒョンは続けた。
「ごめん」
 叔母さんは急に自分の前に現れた。
 気持ちは混乱したままで、何と返したらいいか分からない。
 ミヒョンはソリの思いを汲み取った。意を決して前に進み出る。
「ごめんね、ソリ」
「…」
 ミヒョンは泣きそうな声になった。
「私を許して」
 それ以上の言葉は出てこないようだった。
 うな垂れているミヒョンの前にソリは立った。
「叔父さんは?」
「…」
「どこにいるの?」
 ミヒョンはソリを見つめ返す。ため息をもらし、またうな垂れる。
「教えて。叔父さんはどこなの」
 手を握っても、ミヒョンは答えられないでいる。
「…どうして泣いているの? 叔父さんがどこにいるか聞いているのに…」
 ミヒョンは顔を上げた。
 思い直すように両腕を伸ばしてソリを抱きしめる。
「ソリや…」
 グスグス泣き始める。
 弱さを見せつけるミヒョンにソリは戸惑った。
「泣いてないで早く教えて。叔父さんはどこに?」


 3人は庭のテーブルに落ち着いた。
 ミヒョンは古いノートをソリの前に差し出した。叔父さんが書き残してものだという。




― 出張だとウソをつかず、ソリのそばにいればよかった。俺がソリを送ってやるんだった。
 バスに乗せなければよかった。
 でも、ソリは必ず目覚めると信じてる。頑張るんだぞ。叔父さんがついてる。


 会社が傾いたと知った時、ミヒョンは自分の考えを伝えた
「家を売って会社を守るべきよ」
 夫の考えは違った。
「それはできない。ソリにとって大切な家だ。売るなんてとてもできない」
「だけど、裏切った共同経営者をどうやって捜すの?」
「あいつが俺を裏切るわけない」
「…」
「何とかするから、もう少し待ってくれ」
 あの頃、ミヒョンはため息をつくことしかできなかった。


 眠り続けるソリのベッドの傍でキム・ヒョンギュは日記を書き続けた。


― 3か月も経つのになぜ目覚めないんだ。近頃は叔父さんもつらいよ。
それでも、ソリの家だけは守ってみせる。必ず守って見せるから。


 しかしその頃、会社の立て直しも見通しも立たず、キム・ヒョンギュの表情は次第に焦りと苦悩の色を深くしていた。


「…」
 ソリは日記の何ページか先をめくった。


― ソリと話せなくなって1年だ。これからは辛くても、酒に溺れず、必ず再起する。― だからソリも早く目覚めてくれ。― 今日は嬉しい知らせがある。お前に従弟が出来るぞ。目覚めて一緒に遊べたら楽しいだろうな。


 この時、ヒョンギュは胸に激痛が走った。あまりの痛みに顔を歪めた。
病の進行は早いようだった。


― ソリがいとこにバイオリンを教えてやってくれ。


 病の進んだヒョンギュはミヒョンに”協議離婚 申請書”を差し出した。
「君が代わりにソリの後見人になってくれ。そうすれば家は守れる」
「…」
「俺の会社のせいでソリの家を売るわけにいかない」
「あなた」
 ミヒョンは夫を見た。
「私のお腹には赤ちゃんがいるのよ」
 ヒョンギュはミヒョンを見つめ返した。
「すまない」
「…」
「この離婚は形だけだ。何も変わらない」
 ビョンギュはミヒョンの手を取った。
「君と―生まれてくる子供。そしてソリを、俺が命をかけて守る」


「手遅れだったの」
 ミヒョンは言った。 
「無理がたたったのか、肝硬変と診断されて―あれから、ひと月も経たずに…」
 ヒョンギュは日記帳を握ったまま、ソリの枕元で床に崩れ落ちてしまったのだ。
 


 話を聞いてソリは泣きだした。叔父にそんな壮絶な死があったなんてにわかには信じられなかった。
 しかし、叔父の日記はある日突然に中断し、その事実を厳粛に伝えていた。
 ウジンは泣き出したソリの手を握った。


 次の日、ソリはウジンと2人で叔父の墓参りをした。
 ソリは叔父からもらったお札を取り出した。
「これがあれば、必ず、また会えるって言ってたのに―」
 ソリはお札をギュッと握りしめた。膝を叩き続けた。
「なのに、こんなのあんまりだわ」
 ソリは叔父の墓の前で泣き続けた。
「”私を捨てて―””どこかで幸せに暮らしてる”って、その方がよかった。どうして、こんなことになったの。叔父さんが可哀そうでならないわ」
 ウジンが見守る中、ソリは泣き声を上げ続けた。
 
 墓参りをすませて車に戻る時、ウジンはソリに小さな袋を差し出した。
「これを君の叔母さんから預かった」
 ソリはその場で紙を取り出した。
 何かの鍵も一緒だった。
 ミヒョンはウジンに言づけた。
「メモに書いた銀行でいつでも引き出せます」
 ウジンはソリに伝えた。
「家を売ったお金だって。全額、取っておいたそうだ」
 紙には当該銀行の名が記されていた。
「早く家を売っていれば―叔父さんも苦労しなかったのに」
 ソリはため息をついた。
「私の方が、叔父さんにつらい思いをさせたのね」
 ウジンは落胆するソリの手を取った。




script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script>  google-site-verification: google3493cdb


名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「30だけど17です」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事