韓国ドラマ「30だけど17です」(連載199)
韓国ドラマ「「30だけど17です」第23話(新たな旅立ち)⑤
韓国ドラマ「「30だけど17です」第23話(新たな旅立ち)⑤
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ウジンは取り乱すソリに言った。
「まだ確かなものは何もない。自分を責めないで」
ソリは頷いた。
「これでわかったわ。叔母さんは私と縁が切れたから―病院から足が遠のいたのよ」
何度も自分に言い聞かせる。
「当然だわ。理解できる」
しかし、解せない点は残る。
「じゃあ、叔父さんは? 破産に離婚までして…どこかで元気でいるかしら? 心配でならないわ」
ますます気が急いて来る。
ソリはウジンを見た。
「叔母さんに会って、話を聞いて来るわ」
ウジンは不安そうにした。
「ひょっとしたら、君が傷つくかもしれない」
ソリは首を横に振った。
「叔父さんの消息さえ分かればいい」
ソリたちはカフェラウンジを出た。クク・ミヒョンに会いに向かった。
★★★
ウジンはソリを案内して生花店の前に立った。
ドアに貼られた紙を見てウジンは中を覗き込む。
ソリはドアに貼られた紙を怪訝そうに見つめた。
ドアに貼られた紙にはただ「休業」と書かれていたからだった。
「私が訪ねて来ると思って〜、お店を休んでるのかも」
「ここで待ってて」
ウジンは言った。
「近所の人に話を聞いてくる」
「私もいく」
2人は急いでそこを離れた。別々に生花店のことについて訊いて回った。
「生花店はいつから休業になってますか?」
「休業の理由をご存じですか?」
しかし、近所の人たちは意外とクク・ミヒョンについて知らないようだった。
ソリたちはこれといった情報を得られず、途方に暮れた。家に帰り着くとすでに夜だった。
2人は車の中で今日の出来事を振り返った。
「私を見た日―」
ソリは切り出した。
ウジンはソリを見た。
「あの日からお店を休んでる」
「…」
「せめて、叔父さんの消息くらい〜、私に教えてくれるべきよ」
ウジンは黙ってソリの手を取った。
ソリは混乱と戸惑いの中にいる。
余計な言葉や意見はソリを気持ちをかき乱すだけだと分かっていた。
「諦めないで。そのうちなんとかなるから」
ソリが頷くのを見てウジンは車の外に出た。ソリの手を引いて玄関に向かった。
その時だった。後ろで声がしたのは―。
2人は足を止めた。
ウジンとソリは顔を見合わせる。ゆっくり声の主を振り返る。
「叔母さん…」
後は言葉が続かない。
クク・ミヒョンは目を潤ませてソリを見ている。後ろめたそうな笑みを浮かべて訊ねる。
「意識が戻ったのね」
ソリは叔母の言葉を夢を見るような思いで聞いた。
ミヒャンはウジンからの連絡を無視していたのではなかった。無視ではなく、ずっと気にかけていた。
だから電話には出なくてもウジンのメッセージだけは聞き続けた。
「離婚したと知ってソリは自分を責めています」
「…」
「恨み言どころか叔父さんの心配ばかりです。見捨てられたのも―家を売ったのも事情があったはずだと信じています」
「…」
「このままでは一生、自分を責め続けるでしょう。僕はそのつらさが痛いほど分かるから、何とかソリを助けたいんです」
「…」
「ですから、彼女に会ってやってください―せめて、叔父さんの行方だけでも教えてほしいんです。お願いします」
この日、クク・ミヒョンはソリたちが店にやって来たのを車の中で見かけていた。
「私が訪ねて来ると思って〜、お店を休んでるのかも」
「ここで待ってて」
ウジンは言った。
「近所の人に話を聞いてくる」
2人が近所の人たちの話を聞きに行こうとしてた時、ドアを押してソリたちの前に立とうとしたのだった。
だが、押そうとしたドアは重かった。ソリに対する後ろめたさが強かった。
だからいったんはソリの前から逃げてしまった。
しかし、その後、ミヒョンは思い直した。この日を逃せば、またずるずるとソリの前から逃げ続けてしまう。
だからこうして必死の思いでやって来たのだった。
ソリと目が合うとミヒョンは言った。
「意識が戻ったのね」
「…」
「よかった」