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韓国ドラマ「青い海の伝説」第4話⑦
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 4 ⑦
第4話⑥…
あの時ジュンジェに教えられた言葉を呟いた。
「花火大会…?」
「ああ、そうだ」
女は目を円くした。あの時の約束が今実現している。花火の美しさにたとえようもないほど感動を覚えていた。
「初めて見るのか?」
女はジュンジェを見つめて何度も頷いた。
ジュンジェは立ち上がった。
「あれは触れるものじゃないんだ。見てみろ。パッと開いてすぐ消えてしまう」
女も立ち上がった。肩を並べて花火を見た。
女は打ちあがる花火に向かって腕と手のひらを伸ばした。
二人は目を合わせ、顔をほころばせた。
★★★
ジュンジェも花火を見ながら母の言葉を思い出していた。
母に連れられて花火を初めて見た時、きっとこの女のように感激を顔にだしていたのだろう。
一緒に花火を見ながら母親は話してくれたものだった。
「いい? 美しいものはすぐ消えてしまうの。だから、見てしっかり覚えておきなさい。それを心で撮ってここにしまっておくの…そしてね、悲しいことがあったら思い出すの。”あの時の花火はきれいだったな。すごく楽しかったな”ってね」
ジュンジェは甘えて言ったものだった。
「母さん、来年もここに来られるよね?」
「もちろん」
「再来年も?」
「もちろん」
「その次の年も?」
「…」
「もちろん」
「…」
「もちろん
「…」
「もちろんよ」
あれから歳月はどんどん流れ去った。だが、母親と過ごしたあの時の楽しいひと時は、今でも白日の追想や夜の長い夢となって戻ってきたりする…。
ジュンジェは我に返った。そばにいて立ち去りもしない女に向かって言った。
「ところで初めて会ったにしてはずいぶん馴れ馴れしいな」
女は黙ってジュンジェとのひと時を楽しんでいる。
「聞いてるのか? 俺も遠慮しないぞ」
やっぱり彼女は反応しない。花火で明るい空を見て楽しそうにしている。
さすがにジュンジェは呆れた。自分を何だと思ってそんな顔をしているのか…。
ジュンジェは女への文句をやめた。花火を楽しそうに眺めてる人間に何だかんだとかまって文句をいうのは無粋というものだ。
ジュンジェも女と一緒になって水上に打ちあがる花火を楽しんだ。
その頃、ジンジュ宅のリビングルームのテレビはで花火中継を映し出していた。そこへ夫のドンシクがやってきてリモコンを握った。
「ゴルフでも見るか…」
リモコンで切り替えようとすると、掃除機を使っていたメイドのモ・ユランがテレビに見入ったままになり待ったを入れる。
「あなたね」
ジンジュが注意を促す。それも手で制した。
ジンジュ夫妻は固まった顔でモランを見た。
モランはテレビが映し出してる花火の様子をしばらく眺めていた。何か思い出すものでもあったらしい。
「もう結構です。ゴルフを見てください」
「それはどうも…」
モランは掃除機を握ってその場を離れる。
モランがいなくなってからジンジュは亭主の身体を蹴った。
「どうして礼なんか言うの。私たちの家じゃない。私たちのテレビじゃない。彼女の言いなりになってどうするの?」
ドンシクは仕方なさそうに答える。
「自分にも分からないよ。なぜかつい従ってしまうんだ」
亭主の言葉にジンジュは黙った。不思議だが、自分にもなぜかそうしてしまうところがある。
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警察の手から逃走中のマ・デヨンは電話をしている。
「今は女と一緒にいる。ところでなぜあいつがここに来ることを?」
電話相手はイルジュンの内縁の妻、カン・ソヒだった。
「昔から誕生日にはそこに行くのよ。変わってないみたいね」
ソヒは子供の頃のジュンジェを思い出していた。
彼女には懐かない子だった。
「誕生日だからママに会うんだ。ママが待ってるから行かないと」
手を握って行かさないようにしても振りほどいて行ってしまう子だった。
「そう。分かった。好きにしなさい」
ソヒは顔を近づけ、優しい声で言い聞かせたものだった。
「でもね、ママは来ないわ」
「…」
「あんたとは会わない約束で出ていったから。パパからお金をもらってね。何も言わずに消えた理由は、あなたよりお金が好きだったからよ」
「嘘だ」
ジュンジェはそう言って泣きじゃくった。
「僕のママはそんな人じゃない。ないんだよ」
そこへイルジュンが帰ってくると、ソヒは意地悪な態度を豹変させ、心の優しい母親になった。
「どうしたんだ?」
ソヒはジュンジェを抱きしめて答えた。
「母親に会うっていうの」
するとイルジュンはジュンジェのバッグを強引に取り上げた。
「わがまま言ってないで部屋に行け」
部屋に連れて行こうとするイルジュンから取り返してソヒはジュンジェを抱きしめる。
「乱暴はやめて。この子、傷ついているのよ」
イルジュンに対し、わざと怒って見せたりもする。
それでもジュンジェは泣きじゃくりながら必死に訴えた。
「僕は行かなきゃいけないんだ。ママと約束したんだ」
ハンカチで涙を拭いてあげながらソヒは言った。
「いい子だから泣いちゃダメ。私まで悲しくなるわ」
再び抱きしめてソヒは言った。
「ごめんね」
ソヒはマ・デヨンに言った。
「私の恩を忘れて実の息子を跡継ぎにしようだなんて許せるもんですか。どこに住んでいるのか必ず家を突き止めて。いいわね。…それがお互いのためよ」
「わかった。動きがあった。切るぞ」
女は家に向かうジュンジェの後をついてくる。ジュンジェは女を振り返った。
「何で俺の後をついて来るんだ?」
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