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韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑧

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韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑧



韓国ドラマ「青い海の伝説」第16話⑦


★★★

 モランは眠りについた。セファは眠りにつけないでいた時、携帯が鳴った。ジュンジェからだった。

―早く寝ろよ

 セファはすぐにメールを返す。

―誕生日なのにあなたの顔をろくに見てない。
―扉を開けろ。

 寝ているモランを見て、セファはそっとベッドから抜け出す。階下に通じる扉を開ける。
 すぐ下にジュンジェが立っている。笑顔を交わし合ったところで、ジュンジェは手にした携帯でメールを作成する。

―見ただろ? もう寝ろ。
―誕生日なのにキスもしないの?

 気持ちを先回りされてジュンジェは咳き込んだ。

―寝ろよ。
―嫌よ。

 仕方なくジュンジェは下りて来いのサインを送る。
 セファは上着を羽織り、そっと部屋を抜け出した。

 セファが部屋から消えた後、寝ているように見えたモランの顔から笑みが広がった。

★★★



 ジュンジェたちはプールサイドに来た。 
「キスしよう」とセファ。
「いきなりか?」
「うん。準備出来てるわ」
 セファは目をつぶり、タコみたいに口を丸めて突き出す。
 ジュンジェは真顔で見てられない。思わず吹き出す。
 ジャケットのフードを両手でつかむ。頭にかぶせ、おでこを押す。
「呆れるよ、まったく…」
「どうしてよ?」
「ムードがゼロだ。俺たちはロマンスをやるんじゃなかったのか?」
「キスはロマンスのレッスンワンよ」
 ジュンジェはカラカラ笑った。
「前から言おうと思ってたが、寝る前に考え事をするのだけはやめろ。うるさくて眠れないんだ」
「…盗み聞きするからよ」
「やらなくても勝手に聞こえて来るんだ。だったらお前が気をつけるべきだ」
「…」
 ジュンジェは身振りを入れて説明した。
「とにかく俺は騒音が苦手なんだ。俺の安眠はお前のせいで毎日脅かされてるんだよ」
「つまり…文句をいうためにここへ連れて来たってわけ?」
 ジュンジェはセファを見た。
「違うさ」
「じゃあ、何で?」
 ジュンジェはセファを抱きしめた。
「こうするためさ」
 セファの身体を強く抱きしめてジュンジェは言った。
「今夜はお前の心臓の状態を確認して寝ないとな」
「…」
「だけど、あまり元気がないな」
「そう? 問題ないと思うけど…」
 ジュンジェはセファの身体を離す。顔色を見てフードを取る。軽くキスをし、再びセファを抱きしめる。セファの顔色はどんどん赤みがさしてくる。
「だいぶ元気が出てきたみたいだ」
 セファは満足そうにジュンジェを強く抱き返した。 



 戻ってきたモランにジンジュは言った。
「昨夜は興奮して眠れなかったわ。息子さんは元気だった?」
「ええ、元気でした」
「そう。それはよかった。あとは息子さんと一緒に元の家に戻るだけね」
「私がどうしてあの家に?」
「またまた~」
 是が非でもその恩恵に預かりたい表情のジンジュ。
「でも、息子には必ず戻ってもらいます」
 立ち上がろうとするモランをジンジュが制す。
「まだ話の途中よ」
「食事の準備を」
「あら、準備なんて要らないわ。しなくていいわよ。今日は出前を取るわ。それよりもっと話を聞かせて」
「…」
「そうだ。お茶でも飲みましょ。姉さんはコーヒーでいい?」 
 モランはにっこりして答える。
「梅茶を」
「梅茶ね。任せて」
 ジンジュは立ち上がって梅茶を作ろうとするものの勝手がわからない。 
「梅茶はどこにあるのかしら?」
「冷蔵庫の二段目です」
「あ、そうだったわ」
 冷蔵庫を開けてゴソゴソやってるジンジュを見てモランはいう。
「そこじゃなくて内側の上から二段目です」
「ああ、そうか」
「私がやりましょうか?
「ああ、いいのよ。見つけたわ。私に任せておいて」
 そこへジンジュの夫ドンシクが何か手にしていそいそ帰宅した。すごくご機嫌な表情である。
「あら、早いわね。もう話したけど、モランさんが息子さんと再会したのよ」 
 ジンジュはドンシクに言った。



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