見出し画像

雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「アイリス」 第1話

 とりあえず冒頭に韓流特集で拾ったこのドラマのあらすじを貼り付けよう。

「707特殊部隊の精鋭隊員だったキム・ヒョンジュン(イ・ビョンホン)とチン・サウ(チョン・ジュノ)は変わらぬ友情を約束したかけがえのない親友だ。ヒョンジュンは幼い頃両親を亡くし、そのショックで両親に関する記憶がない。そのことで、いつも心の片隅に寂しさを抱えて生きていたが、その穴はサウが埋めてくれた。2人は諜報要員選抜のために707部隊を訪れた国家安全局(NSS)の目に留まり、NSS最高要員として活躍することになる。また、NSSのプロファイラーであり2人の上司であるチェ・スンヒ(キム・テヒ)に同時に恋に落ちる。しかし、いつしかヒョンジュンとスンヒが恋人同士となり、サウは自分の本心を表すことなく2人を見守る。NSSの同僚たちの目を避けながら愛を育むヒョンジュンとスンヒは日本へ旅に出かけ、初めて2人きりで甘い時間を過ごす。それもつかの間、帰国した2人はすぐさまサウと共に任務遂行のためハンガリーへ向かう。素晴らしいチームワークで任務を終え、成功を祝っていたヒョンジュンの元に連絡が入る。NSS副局長であるペク・サン(キム・ヨンチョル)からの呼び出しだった。ペク・サンは彼に危険な単独任務を命ずる。それは、北朝鮮最高人民会議委員長・ユン・ソンチョルの暗殺だった―――!」


 待ちに待っていたドラマなのに、別のことに夢中でうっかりしてしまった。初回、冒頭の数分を見損なったのだ。
 しかし、流れを見失うほどでなかったのは幸いだった。
 主人公キム・ヒョンジュン(イ・ビョンホン)は遅刻してきた大学の講義室で見知らぬ女子学生(キム・テヒ)と出会う。ヒョンジュンが彼女に興味を覚えたのは、講師の質問に手をあげた彼女が美貌の女だっただけでなく、理路整然とした弁舌を展開し、まばゆいばかりの知性を発揮したからだった。アメリカ軍がベトナム戦争に踏み込むに至ったトンキン湾事件の解説と分析は教授をうならせた。
 昼食時、キャンバスで彼女を見つけたヒョンジュンはお近づきになろうとするが、すげなく無視される。
 次の日も彼女は姿を見せた。ヒョンジュンは湾岸戦争について一夜漬けで調べてきて、多国籍軍として参加した国や犠牲者の数などを講義の場で発表した。彼女の興味を引くためだった。彼女は謎の微笑を浮かべ、戦争は単なる数字の羅列では語れない、それらがもたらすものを考えることこそが重要、と解説し、ふたたび教授の賞賛を受ける。
 プライドを傷つけられたことにくわえ、ますます彼女への興味をそそられたヒョンジュンは彼女をお茶に誘う。彼女は酒なら付き合うと答える。その夜、彼は彼女にへべれけに酔わされる。店の者に店じまいを告げられ目をあけると、彼女は勘定をすませ先に消えていた。
 翌日から、彼女は大学に姿を見せなくなる。
 これらはキム・ヒョンジュンのたぐいまれな運動能力や才能を見抜いたNSS(国家安全局)の勧誘(スカウト)作戦だった。
 肉体の耐性検査をパスし、ヒョンジュンは親友チン・サウとともに国家安全局に入る。配属を拒否することもできたが、プロファイリングの室長は、二人がそれぞれの勧誘作戦にはまり、一目ぼれした女、チェ・スンヒだったからだ。
彼女のそばにいたい二人はこの道を選択したのだった。
 二人は訓練に入り、実習を終え、テロリストたちとの戦いにはいったのだった。
 
 とまあ、以上のような流れで話は進んでいくが、話だけ追いかけてもこのドラマを語ることにはならない。
 このドラマが僕の目にどう映ったか。その辺から話を始めてみよう。
 
 初回放送(二時間)から感じたのは、舞台設定こそ違うがオム・テウンとハン・ジミンのコンビで描かれた「復活」とちょっと似ているなの印象だった。
 「復活」は韓国の2005年度を代表するテレビドラマである。誰もが予期せぬストーリーと息もつかせぬ場面展開で視聴者の目を釘付けにした傑作だ。
 それに似ている、とこちらが感じる以上、作る側はそこから外そうとするだろうから、舞台設定だけでなく、ストーリー展開や場面づくりなどもぜんぜん違っていくのだろうが、この放送分で、テロリストの標的になって暗殺されかかった大統領候補を演じた俳優、カン・インチョルは、「復活」で重要な役どころを演じていた。
 この俳優を見た瞬間、僕はそのドラマを思い出してしまったのだ。ひょっとしてこの俳優もここだけのゲスト出演でなく、重要な役どころを続けていくのではないか、と思って人物相関図を調べてみたが、主だった登場人物はわかったものの詳しいところにはたどりつけなかった。
 (登場人物にくわしい方にはぜひにお教えいただきたいものです)
 
 もうひとつ気に止まったのは、NSS(国家安全局)なんて機関室を主要舞台に据えておきながら、そこが任務の特殊性や重要性で厳粛な空気で満ちている一方、楽天的な日常性の明るさも内包していることだ。過去にトラウマを持つものの陽気で前向きなキム・ヒョンジュンを、好きな女のいる場所に放り込んだことでそれがパチンとはじけた。茶の間への登場を許されたような弾け方である。
 ハードボイルド一辺倒では、この種のドラマは茶の間に歓迎されるとは思えない。そのへんを練り上げてのくふうであろうか。
 そういう中でもストーリーはきちんと展開している。壁にかかった大きな絵を見て、キム・ヒョンジュンの忌まわしい記憶が目覚め出した。蘇る父の死。両親は何者の手で殺されたのか。
 彼の忌まわしい記憶とNSSの仕事の中で、話は三角関係の恋を絡め、重層的に展開していくことになりそうだ。
 blogram投票ボタン
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「韓国ドラマ「IRIS――アイリス」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事