ファンタスティック・カップル 第12話(1)
「ほんとに?」
「ああ。お前が俺を好きになったのは…俺のウソのせいだから責任を取る」
「誰があんたなんか」
「そうだろ。俺が好きだから…ユギョンと会うのを邪魔するためここまで来たんだろが?」
「それは…そうよ」
アンナは潔く認めた。
「あんたに騙されたせいで、好きになった錯覚からまだ覚めてないのは事実よ」
「…」
「でも、それはただ…気持ちの整理がまだついてないだけよ。だから、その責任取ってもらう」
「…」
「記憶が戻るまで、花束女の元へは絶対行かせない。これはその罰よ」
「わかった。わかったから俺は行くよ」
チョルスは先に向かって行こうとする。
「どこに行くのよ?」
この時、向こうで呼ぶ声がした。
「おーい、チョルスーッ!」
釣り仲間たちだった。
チョルスは仲間に手を振った。
「今、行きます」
チョルスを呼ぶ男たちを見てアンナは拍子抜けした。今の今まで、ユギョンと会うとばかり思っていたからだ。
「あんた、釣りに来たの?」
チョルスはアンナを見た。
「ああ」
「釣りにですって?」
「そうだよ。だから、最初から何の用事か聞けばよかったんだ。オーバーだよ。一緒にやるか?」
「けっこうよ」
アンナは憤然とチョルスをにらみつけた。背を向け歩き出した。
その背にチョルスは呼びかけた。
「酒を飲んだら呼ぶから、迎えに来てくれよ」
チョルスの声を背中で聞きながらアンナは憎まれ口を叩いた。
「魚にでも食われちまえばいいわ」
チョルスをちらと振り返った。
「とんだ恥さらしだったわ」
アンナは悔しさいっぱいで車に引き揚げていった。
script type="text/javascript" src="//translate.google.com/translate_a/element.js?2db9cb=googleTranslateElementInit"></script> google-site-verification: google3493cdb