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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載32)

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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載32)


「30だけど17です」第4話(壊れたバイオリン)②
☆主なキャスト&登場人物


○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)



★★★

 車を走らせる途中、ウジンはふいに車を止める。
 家に滞在する女性のことでユーウツを覚えだしていた。
「一か月か…」
 つぶやいて目をつぶる。
 しかし、滞在を許した以上は仕方がない。
「ひと月だけ我慢すればいい…」
 自分に言い聞かせてウジンは車を走らせた。

★★★


 ドクスたちは表で買い物をすませて中に入ってきた。
「わーい、来たぞ」
「遅かったな」
 チャンは中でドクスたちを迎えた。
 ソリも一緒だった。
「あれ?」
「出ていったかと思ってたけど」
「人が訪ねて来てましたよ」
「私をですか?」とソリ。
「もしや」チャンがすぐ反応した。「叔父さんでは?」
「確か名刺が」
 ドクスはズボンのポケットをまさぐる。
 しかし、手は何も握らないで出てくる。
「あれ? ポケットに入れたのに…どこに消えた」
 ドクスは買い物をした時のことを思い出す。
 お札と一緒に入れてしまったらしいと気づいた。
 話を聞いてチャンはドクスに蹴りをくわせた。
「オッチョコチョイだな…そうやってなくすなよ」
 ドクスも顔をしかめた。
「まいったな~、あ、そうだ」
 と表情を明るくする。
「叔父さんは医者ですか?」
 チャンはソリを見る。
「違います」
 へボムも頷いて言った。
「もらったのは病院の名刺でした」
「病院…ですか」
 ソリは少し困ったようにする。
「どこの病院?」とチャン。
「病院か…名前は…」
 ドクスは思い出せないでいる。
 チャンは呆れる。
「追いかけて取り返してきます」
 出ていこうとするドクスらをソリは止めた。
「いいんです、行かなくて」
 ドクスらは振り返る。
「病院ならやってきた理由は分かってます。戻る気はありませんから」
 チャンとドクスらは顔を見合わせた。


 ソリは何か思いついたように言う
「検索したいものがあるんですが、インターネットできますか?」
「そうか、携帯を持ってなかったね」
 チャンはポケットから携帯を取り出した。
「どうぞ」
 ソリは苦笑する。
「電話じゃなくてネットで調べたいんですよ」
 ドクスらは驚く。口に手をやる。
 チャンは平静を装って言った。
「だから、これで」

 ソリは両手で携帯を受け取る。しかし、どうしたらインターネットにつなげられるかが分からない。手にしたままの状態でソリはチャンを見つめ返した。

 結局、パソコンを使わせてもらって検索をかけた。
”貿易会社 K&J”
 それが叔父のやっていた会社だった。
「そこはずいぶん前になくなったのでは?」
 叔父の会社を尋ね歩き、探し回っていた先で聞かされた言葉は、現実だったことをソリは思い知らされた。
 出て来るのはため息だけだった。


 ソリは2005年の事故当日、車を運転して走る叔父を見かけていた。
 信号で停止した時に叔父の横顔をはっきり見た。
 それで叔母さんに携帯で電話までしたのだ。


―叔母さん、叔父さんは帰国した?
―何言ってるの。日本に出張中でしょ。
 叔父は笑って答えた。
―今朝も電話で話したじゃない。夢でも見たんじゃないの。
―そうか。人違いだったのね。


 インターネットでの検索を終えた後、ソリはあの時のやりとりを思い起こしていた。
「あれが叔父さんだったら―私たちにウソをついていたことになる…」




 事務所での仕事の合間に、ウジンは自宅売買の件で父親に電話を入れた。
「はい、父さん。先方も1か月は待ってくれると言ってる」
 そこに社長のカン・ヒスが帰ってきた。
「いいえ、父さんは気にしないで。それじゃ」
 ウジンの話を聞いていたカン・ヒスはウジンに訊ねた。
「1か月って何のこと? 問題でも発生したの?」
「どうかな…何もなければいいけど、ひょっとしたらまずい状況かも」
「…」
 チン・ヒョンはカン・ヒスのそばに椅子を寄せてぼそぼそ訊ねる。
「話の意味か分かります?」
 ヒスはチン・ヒョンの肩に手をおいてウジンを見た。
「10年来の付き合いだけど、まだ、さっぱり―」
「…」
「まずもって性格が理解できないのよね」
 ステージのパーツ作りにいそしみながら、ウジンは時おり”1か月…”という言葉を呟き続ける。

 仕事中、ウジンはふいに立ち上がった。
「ちょっと出かけて来る」
 ヒスとヒョンにそう言い残して事務所を出ていく。
 ヒョンは首を傾げた。
「今から?」
「心配するな。30分以内に戻る」
 出て行くウジンに向けてヒスは叫ぶ。


「ちょっと、今から会議する、って言っても出て行くのよね…」
 ヒスは手にしたファイルをうちわ替わりに扇いだ。
「ヒョン、焼酎はある?」
「ああ、飲むには早い時間ですよ」
「いっそ、クビにしたいけど、仕事はできる」
「確かに仕事はできますから、仕方ないでしょ」

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