韓国ドラマ「30だけど17です」(連載145)
「30だけど17です」第17話(おじさんが正しい)②
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ソリは着替えて出てきた。ジェニファーを見て訊ねた。
「お部屋ですか?」
「はい」ジェニファーはソリを見た。「少しはフォーマルに近づきましたね」
ソリは髪に手をやった。恐縮した。
「支払いまでしていただいて…」
ジェニファーをよく見てソリは言った。
「ところでジェニファーもカットしたのにあんまり変わらないですね」
ジェニファーは首を横に振った。
「ノーノ―、微妙に違います。では、おやすみなさい」
★★★
カン代表とウジンは音楽祭の組織委員長と会って、クラシック舞台の最終的な詰めをカフェラウンジで行った。
「いいですね。すごくいい」
ステージの新鮮なデザインをタブレットで見てピョン・ギュチョルは感心した。
カン代表は満足そうな笑みをウジンに流した。
「これをキム監督がOKなら何の問題もない」
「…」
「だけど、コーヒーより酒を飲みながら話したかったね」
「では、製作所に依頼します」
ウジンはクールに伺いを立てる。
「そうしてくれ」
その時、組織委員長の携帯が鳴る。
ウジンたちに断りを入れて、組織委員長は席を立つ。
「ああ、チョン記者か…」
電話しながらテーブルから歩き去る。
彼が席を離れ、カン・ヒスは両腕を上げ、伸びを入れる。
「やっと解決したわ」
そこへラウンジのスタッフが店内の客を捜しにきた。
「お車ナンバー、4885のお客様、車の移動をお願いします」
「委員長の車だわ」
テーブルに置かれたキーを見てヒスが手を伸ばした。
横からウジンがさっと手を伸ばし、キーを握った。
「僕が渡しに行くよ」
ウジンは委員長を捜してラウンジの外に出た。
出入り口に向かう階段の手前で委員長は相手と話している。
「それじゃあ弱い」
語調は強い。
「もっと注目を集めたいんだ」
ウジンは足を止めた。声をかける前にやりとりが耳に飛び込んで来る。
委員長は握りこぶしをつくる。
「もっと刺激的な記事をかけ。…だから頼むよ」
ウジンは陰口を聞く気分で隅に身を寄せた。委員長の背を凝視した。
ウジンは一向に戻って来ない。ヒスは頬杖をついた。
「遅いわね…どうしたのかしら」
ようやく委員長は戻ってくる。
「電話が長引いてもうしわけない」
委員長が席をおろすと続いてウジンも戻ってきた。
着席するなりウジンは切り出した。
「謝るくらいなら最初からやるべきじゃない」
ヒスはびっくりする。ウジンを見る。
「どうしたの?」
委員長は苦笑する。
「待たされて気を悪くしたようだ」
委員長はタブレットに改めて手を伸ばした。
「クラシックだからか、舞台に品格がある」
ウジンたちの業務に一目おくような素振りを見せる。
「品格に興味などないのでは?」
ウジンはズケッと言った。
委員長は表情を険しくする。
「ちょっと…」
ヒスはウジンを諫めた。
「私に不満があるなら持って回らず、実直に言えばいい」
「言わなくても分かっておられると思いますが」
「正気なの?」
カン代表はヒスを咎めた。
委員長は咳払いした。
「話せる雰囲気じゃないな。またあらためて話そう」
カン代表に伝え、委員長は席を立った。上着を握って出ていった。
「何なのよ」
事情を知らないヒスはウジンを睨みつけた。
「どうしたっていうのよ!」
ヒスは慌てて委員長の後を追った。
テーブルに残されたウジンはウジンで大きく深呼吸した。
その頃、リン・キム監督は某放送局のインタビューを受けていた。
「”面白い企画”とは、音楽祭のことでしたか」
「話は真っ先にチョン記者に来たんでしょ」
記者は笑顔になった。
「まず練習風景を見せていただき、あとは話題の新人演奏家の取材もさせてくれませんか?」
「えっ?」
「チケットを買ってまで―クラシックを聴きに来る人は少ない。ですけど、今回は彼女のおかげで集客できますね」
リン・キム監督は質問を返す。
「”彼女”とは?」
「委員長から聞いてませんか? シム先生と協演する方です」
リン・キムははっとなった。
そう言えば委員長は妙なことを口にしていた。
― クラシック公演の成功は決まってるから。チケットは争奪戦になるはず。私にまかせておけばいい。
あれがそうだったのか―。
「ああ〜」
リン・キムは晴れやかな表情になった。
「そのことだったんですね」
「…」
「時間もあるし食事しながらゆっくり話しましょう。私がごちそうしますよ」
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