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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「アイリス」第2話

韓国ドラマ「アイリス」→TBS広報板から例によって第2話のあらすじを貼りつけよう。


 ヒョンジュン(イ・ビョンホン)は幼い頃、ある事故で両親を亡くしていた。大統領官邸に招待されたヒョンジュンは、記憶の一部を思い出し、スンヒ(キム・テヒ)と一緒に、自分が育った保育園を訪れる。そして、育ててくれた神父に自分の過去を尋ねるのだが、何ひとつ知ることはできなかった。ヒョンジュンは気落ちするが、明るく接してくれるスンヒのおかげで救われた気持ちになる。
 日が経ち、ヒョンジュンとスンヒは休暇をもらい日本の秋田へと旅行に行くことになった。そして、2人だけの幸せな時間を過ごし、お互いの気持ちを確かめ合うのだった。
 休暇を終えて職場に復帰した2人は、すぐにサウ(チョン・ジュノ)がいるハンガリーへと向かい、大統領が亡命許可を出した北朝鮮の核兵器研究員ホン・スンリョンを助ける任務に投入されるのだが…。

 
 ソ連という国が存在した頃、アメリカのハリウッド映画はこの手のスパイ映画をたくさん作った。007のシリーズ(イギリス映画)のジェームズ・ボンドもそういった中から生まれたヒーローの一人だ。
 今年、バンクーバーでボンドガールを演じ韓国のキムヨナ選手が金メダルを取ったのは記憶に新しいが、このドラマ「アイリス」がキムヨナ選手の活躍に刺激されて生まれでてきた企画のようにも感じられるのは僕だけだろうか。
 ソ連が消滅し、アメリカの対東欧圏のスパイ映画は活力を失い、対テロ用にシフトを移しつつあるが、韓国の場合は、お隣北朝鮮が意固地に頑張っているせいか、スパイ版にテロまで加わり、ドラマや映画にするだけの鮮度はちっとも色あせていないようである。
 しかし、政治や国際紛争を扱った題材は正直言って堅苦しい。映画ならファン層をしぼって製作できるだろうが、茶の間に送り込むとなるとさてどうだろうの疑問符がつきまとう。この「アイリス」がどんなドラマかを知った時、韓国ではともかく、日本の茶の間ではちと無理なんじゃないか、受けないんじゃないか、と僕は思ったのだった。
 これはいい意味で外れたようだ。この手の話の映画やドラマは韓国ではたくさん作られていたのであろう。そうしてどうしたらダメで、どうしたら受けるか、というのもドラマや映画作りのスタッフは十分過ぎるくらい学習してきているようだ。
 このドラマはそれに加え、日本の茶の間に登場させるにあたり綿密に計算していることをうかがわせる。
 第2話では本筋の進行を脇役に任せ、主人公の二人を日本に観光旅行させるという話を作り上げた。ここだけ話を追っていると、日本の湯けむりドラマとあまり違いがないようだ。いや、むしろこっちの方が妙に素朴で味わい深かったというか、心に染みてくるものがあった。
 日本のドラマで、川端康成の小説「雪国」の話が出てくると、ちょっと苦笑してしまうが、外国から来た人間がこのやりとりをするとそれを感じない。どうしてであろう。
 あと、ヒョンジュンとスンヒが裸になって毛布かなんかで身をつつみ、降る雪を眺めるシーンがあったが、このシーンを見て僕は驚いた。そのシーンが美しかったというのもむろんあるが、僕はこのシーンを見て、加藤剛と栗原小巻の主演で作られた「忍ぶ川」の初夜のシーンを思い出したからなのだ。ひょっとすると、日本の制作スタッフもここの場面作りには関わっていた?
 あの映画では、雪国では初夜を裸で迎えるんだよ、みたいなセリフを東北育ちの主人公が口にしたと思ったが、ヒョンジュンとスンヒが裸で見た雪はそこにイコールしたのだ。つまりこの夜に二人は結ばれたわけであろう。
 
 さて、本筋の方だが、第2話でこのドラマは核開発をめぐる南と北の謀略やテロをあつかった話であることが明らかになった。今回、重要な機密を持って北からの亡命を図った核兵器研究員はテロの犠牲となった。過去の履歴を抹殺されているヒョンジュンの父もどうやら学者として核開発に関わり、テロに遭遇したようだ。やはり、北の指令によるテロだったのか。そのへんの輪郭も見え出してきた。

 最後に、スンヒ(キム・テヒ)がスキーをするシーンが少しだけ流れた。少しで残念だった。彼女は確か、ソウル大の部活でスキーをやっていたはずだ。どうせ秋田めぐりは日本のファンへのお目見えシーンなんだし、もう少し、彼女がスキーをやってるシーンを映してくれてもよかったんじゃないだろうか。

 
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