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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「アイリス」第17話 感想(ネタバレ注意!)

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女王チェ・スンヒ

 ペク・サンは謎のクーデター組織「IRIS-アイリス」の指令で、ヒョンジュンの両親を暗殺した。指令には幼子ヒョンジュンの殺害も含まれていたが、彼は漠然とした意思でヒョンジュンを助け、育てる方を選んだ。両親の亡骸は海に葬り、ヒョンジュンは教会に預けて育てた。育ってくるにつれ、ペク・サンは彼を自分の意のままに操ろうとするようになる。「IRIS-アイリス」なる組織の本質は、端的だがペク・サンとヒョンジュン、ペク・サンとスンヒの関係に見ることもできそうだ。
 現在は組織の中枢部の近いところに位置するらしい彼も、当時は今のチン・サウと同じように「IRIS-アイリス」が如何なる組織かもよくわからず行動を起こしていた。まるで画面を見つめる誰かの指によって操作されるテレビゲームのキャラに通じるものがある。
 チェ・スンヒもほぼヒョンジュンと似た境遇でペク・サンによって育てられている(スンヒ自身がこれをヒョンジュンに話す場面がどこかで出てくる。しかしこの情報はペク・サンによって意図的に作られたものかも知れず、確かなものかどうかはわからない)。
 ソウルでの核テロ攻撃に失敗した「IRIS-アイリス」は大統領暗殺に向け、次の行動を起こした。小隊規模の傭兵を南へ送り込んできた。いずれも世界の紛争地でもまれてきた猛者たちである。彼らは「アイリス」のメンバー護送中の車を襲撃し、ペク・サンやチン・サウらを助け出して姿を晦ます。
 道路網を監視する衛星システムを妨害して行われた周到な作戦で、NSSによる彼らの追跡は困難を強いられる。
 一方、チョリョンはリ・テジュン次官の取調べ過程で、南において「IRIS-アイリス」による新たな作戦が開始される情報を手にした。田舎からソンファを呼び寄せる。データーの解析を指示する。
 ソンファがデーターを解析するとそこからスンヒに関する情報も出てきた。ヒョンジュンのことが心配になったソンファは再び南に向かう決心をする。南北会談の準備会委員としてチョリョンらは韓国へやってくる。
 ヒョンジュンと再会したソンファは、「IRIS-アイリス」のデーターにチェ・スンヒがあったことを告げる。
「彼女の命が危ない」
 ソンファはヒョンジュンにそう告げたが、スンヒは幾度か彼らから守られているので、説得力はありそうにない。ソンファはヒョンジュンに対し、彼女と「IRIS-アイリス」の間には自分には理解できないようなつながりがありそうだ、とでも伝えたかったのではあるまいか。南へやってきたほんとの理由は、これ以上スンヒにかかわり続けるとヒョンジュンの命があぶない、自分がそんな彼を守らねば、の思いでなかったろうか。

 「IRIS-アイリス」の傭兵部隊の顔ぶれなどの中にチェ・スンヒも登場した。
 救いだされて大統領暗殺の策謀をめぐらしだすペク・サン部隊だが、その場所にチェ・スンヒも連れてこられる。
 この舞台まわしに、「IRIS-アイリス」が構想するクーデター後の体制は、チェ・スンヒをおしたてての女王制なんじゃないか、と筆者は思ってみたりする。彼女が孤児同様なら血縁をタテにした勢力も入り込んで来づらそうである。実現過程の冷血そのものはちょいと気になるが・・・。
 現在、他のテレビ局で韓国ドラマ「尊徳女王」が放送されている。これは昔に材を取った歴史ものだが、そのイメージがここにダブってきたりもするのである。
 現代に女王を復活させる。ドラマはしょせん娯楽である。何でもありってことでそれもまたいいのではないか。
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