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一流選手の輝き(キムヨナVS浅田真央)



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世界選手権に向かうキム・ヨナ、「浅田真央との比較は負担」

フィギュアスケートのキム・ヨナが王冠を取り戻しに出る。キム・ヨナはカナダ・オンタリオ州で行われる世界フィギュアスケート選手権に参加するため10日午前に仁川(インチョン)空港を出発した。

キム・ヨナは2014年のソチ冬季五輪のチケットがかかった今回の大会に先立ち、「後輩にも五輪に出られる機会を与えたい。出場券は最低2枚は取ってくる」と覚悟を明らかにした。

キム・ヨナはライバルの浅田真央との比較については、「プレッシャーだ」と率直にさらけ出した。キム・ヨナは、「復帰してから私は浅田真央について話したことはないが、周辺でそのような話をするので私も負担を感じないわけにはいかなかった。避けることはできない部分だ。浅田真央も最善を尽くし、私も最善を尽くすだろう」と話した。

キム・ヨナが出場する世界選手権女子シングルショートプログラムは15日、フリープログラムは17日に開かれる。

――久しぶりの世界選手権出場だ。

「最も重要な大会が残った。久しぶりに世界選手権大会に出場するが、大きな競技場で競技するのになじめないか心配もしている。それでもソウルで開かれた国内選手権で多くの方々の前で競技も行い、大きなミスもなく競技を終えた。準備した通りにすれば良い結果があるだろうと考える」

――2014年のソチ五輪出場券がかかっている。

「私がどれだけやるかにより出場券の数が変わる。最低2枚は取り、私1人でなく後輩に五輪に行く機会を与えたい。3枚取れればもっと良いが人のやることはわからないのではないのか。大きな期待はしないで気軽にやりたい」

――浅田真央と2年ぶりに正面対決する。浅田が最近200点を超えて勢いに乗っているが。

「申し上げた通り期待せずに気軽にしようと思うが人は欲が出る。浅田真央が復帰した後に私は浅田真央の話をしたことはないが、周辺で比較をされるとそうした点で負担を感じないわけにはいかない。それでも避けては行けないものと考える。これまで浅田真央ら他の選手といつも比較をしてきた。いつもそうだったように浅田真央も最善を尽くし、私も最善を尽くすだろう」

――これまでは小さな大会に出た。今回は真剣勝負だがコンディションはどうか。

「小さい大会から始め、結果も悪くなかった。今回が大きい大会だからと心配はしていない。コンディションはシーズンを遅く始めたので、ミスを減らすのに焦点を合わせた。そうした点では大いに良くなった。しかしいつもそうであるように緊張など心理状態が重要だ。機会は一度だけだ。ミスすることもありえるが異変がなければうまくできると考える」

――プログラムの完成度はどの程度か。バンクーバー五輪と比較し体の状態はどうか。

「プログラムはシーズン後半にいくほど体が慣れてきて完成度が高まる。プログラム構成は大きく変わらないが、スピンステップに気を遣った。スピンは実戦で回転数を満たせなければレベルが落ちる。スピンステップの場合、少しの油断がレベルを一気に引き下げるのでそうしたことを逃さないようにする。コンディションは五輪の時といまの私を比較することはできないようだ。あの時と違い体力的に非常に厳しい。いま私がやれる最善を尽くした」

――世界選手権に立ち向かう覚悟は。

「カナダは第2のホームタウンのようなところだ。長く滞在したし大会も何度も行った。不慣れなところよりはましではないかと思う。久しぶりに行くだけに心もはらはらしている。準備した分だけ発揮できるように最善を尽くしたい」
(フィギュアスケートニュースより)



 インタビュー記事だから上を読んでもらうだけで、このブログでの役割はほとんど終える。
 キムヨナの現在の調子だが、「・・・コンディションは五輪の時といまの私を比較することはできないようだ。あの時と違い体力的に非常に厳しい。いま私がやれる最善を尽くした」に言い尽くされている。
 この大会で仮にキムヨナが優勝するにしてもソチ五輪での優勝は容易ではなかろうと感じる。
 したがって仕上がり具合はどうであれ、彼女は全力を尽くしてこの大会に臨むことになるだろう。ここでの表彰台を逃せば、ソチ五輪表彰台のハードルはさらに高くなると見てもよいからだ。
 しかし――「プログラムはシーズン後半にいくほど体が慣れてきて完成度が高まる。プログラム構成は大きく変わらないが、スピンステップ(練習で)に気を遣った。スピンは実戦で回転数を満たせなければレベルが落ちる。スピンステップの場合、少しの油断がレベルを一気に引き下げるのでそうしたことを逃さないようにする」体力の衰えを技術でカバーしようとのベテランらしい言葉が味わい深い。
 バンクーバー五輪以降もフィギュアスケート(女子)に関心を寄せ続けてきたが、ソチ五輪を一年後に控えるまで至ってみれば、キムヨナと浅田真央がフィギュアスケート史上突出した選手であったのが証明されてきているように感じる。長いブランク明けでレベルの高い演技、高得点を叩き出したキムヨナ。不調に苦しみながらも演技スタイルを一変させて再び頂点に戻ってきた浅田真央。ベテランと新鋭がサバイバル(生き残り)を競う中での二人の存在感はやはり際立っている。
 この大会はおそらくキムヨナ、浅田真央の両選手どちらかが優勝するだろうし、ここで優勝した選手がソチ五輪での優勝候補筆頭にのし上がってくると思われる。
 しかし、この二人にも相撲でいう徳俵(体力・選手としての限界)が背後に近づいているのは間違いない。バンクーバーで活躍した選手たちの多くがいつしか姿を消していってることからもうかがえよう。そこには新鋭と呼ばれた選手たちも混じり、演技の精彩を見る影もないほど失った選手もいる。フィギュアスケートはそれほどに選手としての寿命が短い。
 さて、キムヨナ、浅田真央の両選手はいつまで一流選手の輝きを保てるだろうか。この大会か? ソチか? それともその後はあるのか?
 明日(11日)から始まる世界選手権は、それを占う最初の大会となることだろう。
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