韓国ドラマ「30だけど17です」(連載170)
「30だけど17です」第20話(名前はウ・ソリだった)①
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ソリの質問にヒョンテはふと思い出した。
ソリの家を訪ねた日のことだ。
家の前であわただしく車に乗り込む叔母を目にしていた。
「どうしたんです?」
ドアを引いて車に乗り込む叔母に訊ねても答えてくれなかった。
「私とはもう関係ないのよ」
捨て鉢にそう答えて走り去ってしまったのだ。
その後、表のドアをいくら叩いても誰も出てこなかったのだった。
あの時の叔母を悪者にするわけにいかない。
ヒョンテは答えた。
「何を言ってるんだ」ヒョンテは軽く受け流した。「見捨てるわけはないさ」
ソリは言った。
「ペンと荷物を残していなくなったんです」
「でも、入院費を払ってくれてただろ?」
「…」
「だから、勘違いだよ」
「…」
「ソリを気遣っていた」
力ない表情でソリは言った。
「私が目覚めてから一度も会いにこなかった…」
「海外へ」ヒョンテは答えた。「行ったんだ」
「…」
「事情があってね」
「…」
「何とかして、僕が連絡を取ってみるよ。だから心配しないで」
「そうだ」ソリは訊ねた。「一緒にバスに乗ってたスミはどうなりました?」
ヒョンテはあっさり答えた。
「引っ越していって、音信不通だけど元気にしてると思うよ」
「…」
「スミも一緒に捜してみるよ」
ヒョンテの言っていることはソリにとって何となく半信半疑だった。
「だから、まずは検査を受けよう」
ソリはヒョンテを見た。
「何の検査?」
「完治する前に病院を出ただろ」
ソリは両手を広げた。
「この通り、いたって健康よ」
ソリはヒョンテとのやりとり空しいものを覚えた。自分の知りたいことをはぐらかされてるように感じたからだった。
ヒョンテとの2人きりにソリは次第に息詰まるものを覚えた。
辺りを見やり、所在なさげにして呟いた。
「おじさんとチャン君はどこへ行ったのかしら?」
ヒョンテは言った。
「友人でなく、医者として言ってるんだ」
「…」
「それから僕に、敬語を使うのはやめてくれ」
ソリは思わず頭を下げる。
「すみま…いえ、ごめん」
「…」
「頭では分かってるけど、初めて会う人みたいで…」
ヒョンテはため息をつく。
「わかった。ともかく…会えてよかった。お互い、ゆっくり前へ進もう」
「…」
★★★
ソリをヒョンテに連れ出されて、ウジンとチャンは落ち着かなかった。
2人が何を話してるのが気になっているウジンに対し、チャンは怒りをたぎらせた。
「気易くソリさんに抱きつきやがって!」
松葉杖を握り、殺気立つチャンにウジンの表情も強張ってくる。
「こうしちゃおれない」
チャンは言った。
「ちょっと様子を見てくる」
ベッドから立ち上がったチャンをウジンは制した。
「ボートを漕げなくなるぞ。それでいいのか?」
そう言われてチャンは腰をおろす。
その時、病室のドアがあいた。
「おじさん〜」
ソリが駆け込んで来た。ウジンの横に立った。
後ろからヒョンテが入ってきた。
ウジンに向かって口を開いた。
「ソリの面倒を見てくれてありがとうございます」
気が晴れた表情である。
頭を下げたヒョンテにウジンも頭を下げた。
「ソリには」
チャンが立ち上がった。
「呼び捨てにするんじゃない」
慌ててウジンがチャンを制した。
ヒョンテは続けた。
「精密検査を受けさせます」
チャンはびっくりしてソリを見た。
「どこか悪いんですか?」
ソリは首を傾げ加減にする。
ウジンは訊ねた。
「体調に何か問題でも?」
ヒョンテは答えた。
「身体が治る前に病院から消えたので、念のためです」
「…」
「すぐに手続きして明日にも検査をしましょう」
そう言ってソリを見た。
「僕は当直室で寝るから、退院後はうちへ行けばいい」
ウジンが何か言おうとしたら、ヒョンテは続けた。
「部屋は探しておくので」
チャンは立ち上がった。
「なぜ先生の家に?」
すぐにウジンも続いた。
「うちで暮らしてます」
ヒョンテはクールに反論する。
「僕が見つけた以上―そちらに居候させるわけにはいきません」
「…」
「ソリさんの面倒は僕が見ます」
「いいえ」
ウジンがすぐ反応した。説明する前にソリが話し出す。
「あの家で家族と過ごすほうが気楽です」
「家族?」
ソリはヒョンテに笑みを返す。
ウジンはほっとしてヒョンテを見た。チャンもツンと胸を張った。
「そうですか。その話は後にして」
ヒョンテは話を引っ込めた。
「先に入院の手続きをしよう」
そう言ってウジンを見た。
ヒョンテはソリらを従えて受付に出向いた。
出て来たバインダーをヒョンテが握ると、ウジンが先にボールペンを掴んだ。
「僕が書きます」
そう言ってバインダーも握った。
「僕が保護者なので」
受付の事務員が訊ねた。
「患者とのご関係は?」
ウジンはすかさず答えた。
「恋人です」
ヒョンテは怪訝そうにウジンを見た。
ウジンは申込書に自分の名前をサインした。バインダーを事務員に戻して背を返す。
ヒョンテは行こうとするウジンを呼び止めた。
「話があります」
2人は病院の屋上に上がった。
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