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韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第5話(16)
Korean drama "You're Beautiful" Episode 5 (16)
「私、甥にうまく取り入ることができたわ」
コ・ミジャは誰かに電話をかけている。金にまつわる話のようだ。
「だから私はやるといったらやるんだから。利子もすぐ送るから心配しないで待ってて。わかった!?」
彼女は携帯を閉じた。
ため息をついた。
景気よく啖呵は切ったもののまだ何もはじまっていない。
「だけど・・・どういうタイミングで話を切り出そうか・・・? どうしたもんかな・・・」
そこへフニとミニョが出てきた。ミニョは毛布などを抱え込んでいる。
「あら、ミナム・・・」
フニはコ・ミジャのカバンを持った。ミニョの部屋に彼女を誘った。
「こちらへ」
「それはどうも」
そう言ってミニョを見た。
「話はあとにしよう」
「ええ」
コ・ミジャはそそくさ部屋に踏み込んだ。
「まあ、すてきな部屋だこと」
ミニョは毛布を抱え込んだまま、コ・ミジャの座っていたトランクを握った。苦労して持ち上げ、カニ歩きでテギョンの部屋へ移動を始めた。
この時、部屋からテギョンが顔を出した。
テギョンはミニョのトランクと毛布を見て言った。
「俺の部屋に居座るつもりか?」
「私の荷物を見て不審に思うかもしれないし、出て行く準備をしていたから・・・」
「その甲斐あったようだな」
「・・・」
「出ていくと言ったのにずいぶん近くに来たじゃないか」
ミニョは黙って持っている物を持ち直した。ため息をついた。
「ああ、重い・・・」
辛そうな表情でテギョンを見た。
「まさか・・・荷物運びを手伝えとは言わないだろな?」
ミニョはブルブル首を振った。
「当然です。そんな気持ちはありません」
テギョンは片目を細め、疑う表情になった。
「まったく迷惑千万なやつだ」
ミニョは愛らしい笑顔を返した。
亭主から何言われても動じない中年のカミさんみたいな表情をして言った。
「そう思われて当然です」
「何を言ってもムダのようだな」
ミニョは三日月の目でまた笑った。
「ハハーァーッ」
テギョンもその表情を返した。
二人のそんなやりとりにまたしてもシヌは遭遇した。彼の表情はさらに打ち沈んだ。
ワンは飲み物を手にユ・ヘイと打ち解けていた。
「本当にいい人、テレビで見たとおりだわ」
ユ・ヘイは何かと利用できそうなワンに話を合わせた。
「私たち、すごく気が合うみたい・・・これからも仲良くしてね。それに・・・テギョンさんの秘密なんかもたくさん教えてくださいね」
「わかった。何かあったら教えてあげるわ」
「ええ」
頷いて飲み物を口にした時はもう冷めた表情になっているユイだった。
部屋に入ったミニョはテギョンのベッドのそばで寝床の準備を始めた。
部屋に戻ったテギョンは黙って寝床にもぐったミニョの前に立った。
「邪魔しないように寝ますので」
ミニョはテギョンを見上げて言った。
「お前がいるだけで部屋が貧乏くさくなった」
「すみません」
ミニョは掛け布団を引き寄せて横になった。
「コ・ミナム」
テギョンはミニョを見下ろして言った。
「そこでお前を俺が寝かすとでも?」
ミニョはテギョンの言葉をいい方にとってはにかんだ。
「大丈夫です。兄貴のベッドで寝ようなんて考えてもいません。ここで十分です」
「フッ」
テギョンは呆れて口を曲げた。
「何をほざいてる」
ちらと横を見て言った。
「お前は向こうで寝ろ」
ミニョは命令された方を見た。
「ああ、はい・・・」
しぶしぶ頷いて立ち上がった。
枕を持ち布団を引きずり言われた場所に移動した。
ベッドの縁に腰をおろし、ミニョをしげしげ観察しながらテギョンはつぶやいた。
「女だというのに、男の真横で寝ようとするなんていったい何考えてんだ?」
舌打ちした。
「こっちが動揺したら負けになる。取り合わないことにしよう・・・」
テギョンは布団にもぐりこんだ。
寝る準備を整えたミニョは言った。
「兄貴、明かりを消しますね」
「消すな」鳥目のテギョンは答えた。「俺が眠れなくなる」
ミニョは困った顔をする。
「私は消さないとダメなんですけど・・・」
テギョンはいきなり身を起こす。ミニョを睨みつける。
怒りに駆られているテギョンを見てミニョは態度を変える。
「寝ます」
シュンとなりながら布団にもぐりこんだ。
ほどよい照明の下でテギョンは眠りに落ちたようだ。だがミニョは明かりが邪魔で眠れない。何度も寝返りを打った。寝ようと努力した。しかし、眠れない。逆に目が冴えてくる。ため息が出た。
「ああ・・・明かりで眠れない・・・」
身を起こす。テギョンを見ると気持ちよさそうに眠っている。
「寝られる人はいいよね・・・だったらもういいはずね」
ミニョは抜き足差し足で歩いていって、部屋の照明を落とした。
自分の布団に戻ろうとして、ふとテギョンの方を見た。近づいてテギョンを観察した。
「ああ・・・寝てる姿はぜんぜん違うよ。目を閉じてるからやさしく見えるんだわ」
自分なりに納得した時、ミニョはポケットに入っているスタンガンを思い出した。ポケットから取り出した。
「これに気付いたら気を悪くするはずだわ」
テギョンに向かって頭を下げる。
「すみません」
ミニョはテギョンを見ながら昼間の出来事を思い出した。
「テギョンさんだけど・・・今日は別の一面をたくさん見たわ」
エビアレルギー・・・すてきな笑顔・・・心のやさしそうなこの寝顔・・・
ミニョは我に返った。
「あれっ、まただ・・・! どうして? 電気が走るみたいに胸がどきどきする・・・!」
ミニョは目をつぶった。
「院長様・・・私、どうしちゃったんでしょう・・・?」
この時、ミニョの手にしたスタンガンが鋭い閃光を放った。
ミニョはそのままテギョンの上に崩れ落ちていった。
(続く)
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