雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第6話(5)






韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第6話(5)
Korean drama "You're Handsome" Episode 6 (5)



 ユ・ヘイに歩み寄ったフニは腰を低くしながら話しかけている。
「サインをください」
 
――あれれっ?

 ミニョは首をかしげた。

「”マ・フニの成功を祈って”とお願いします」

 ユ・ヘイの天使の微笑みで応じている。
 ミニョは女の子らしく星の髪飾りに目がいった。
「本当にきれいな女性だ。テギョンさんも美人が好きなのね」
 ミニョの表情は寂しそうに曇った。
 痛みに似た軽いときめきがやってくる。胸をおさえた。
「まただわ・・・ああ、水を飲まないと・・・!」
 
 ユ・ヘイは寂しそうに去っていくミニョをちらと見た。
「終わったら僕にもお願いします」
 別の一人が言った。
「つ、次は写真を一枚」 
 フニのさらなる言葉に、ミニョが行ってしまったのを確認したユ・ヘイはさらっと態度を変えた。
「仕事があるので失礼します」
 他の者にはサインしないで行ってしまった。
「見せてくれ」
 サインしてもらえなかった一人が言った。
「俺にも」
「ああ、もう死にそう。心臓がバクバクする」
 フニは床に寝込むと身体をブルブル震わせた。

 ユ・ヘイはミニョの後を追ったのだった。
 気が抜けたようにして歩いていくミニョ。彼女を冷たい目で観察してユ・ヘイはつぶやく。
「まるで子供じゃないの」
 腕を組んだ。
「よくも男の振りができるものね。ん?」
 ミニョの前にシヌとジェルミが現れる。
「ミナム、水だ」
「ありがとう」
「ミナム、具合でも悪いのか?」
 ジェルミが訊ねた。
「いえ、違います。水を飲めば大丈夫なんです」
「そうか」
 すごく仲のよさそうなやりとりだ。
 そこへまた社長が姿を見せる。
「コ・ミナム、身体の調子が悪いんだって? 美味いものでもごちそうしてやる。行こう」
 みんなして行きかけたところにテギョンが現れる。
「おお、ちょうどいいところに来た」
「どこへ?」
「ごちそうを食べに行く。お前も行こう」
「ステーキはいいな」
 ガヤガヤ楽しそうにしながらミニョたちは立ち去った。

 それを見てユ・ヘイは舌打ちした。
「何なのよ、あれは・・・? 男の振りしてるのにお姫様扱いじゃない」
「ユ・ヘイさん」
 そこへフニが姿を見せた。
「一枚だけでいいですから写真お願いします。ほんと、一枚だけです」
 ユ・ヘイはシラーッとした目を返す。
 この時、楽しそうに階段を下りていくテギョンらの姿が目に入った。
「ユ・ヘイさん、ぜひお願いします。一枚だけでいいですから」
 ユ・ヘイはうっとうしい目を天井に向けた。
 しかしやむなく笑顔で応じる。
「いいですよ」
「感謝です。では親しげに」
 フニはユ・ヘイの脇の下に腕に潜り込ませるようにして携帯を構えた。 
  
――ファンだというのだか仕方ないか。

 割り切って天使の笑顔を浮かべたら、フニの目にミニョたちの姿が飛び込んできた。
「ミナマー!? 食事か?」
 フニは携帯で写真撮るのを中断した。
「すみません。写真は次回ということで」
 そう言ってユ・ヘイの前から立ち去った。
 フニの急変ぶりにユ・ヘイは呆れてしまった。
 フニは急いで階段を駆け下りていく。
「僕だけひとり仲間はずれですか? ミナマー、僕を置いて行くなよ」

 ワイワイ談笑しながら立ち去っていくミニョたちを見ながらユ・ヘイの心に猛烈な闘争心が湧いてきた。
「男になるなんて・・・ずいぶん、身の程知らずなのね。女に戻ったらどんな騒動が待っているか分からないってのに・・・! どうやって、バラしてやろうかしら」

 ミニョたちが出向いたのはバイキングの店だった。
「それは俺のだぞ」
 ジェルミが騒いでいる。
「おいおい、喧嘩はするな」
 アン社長がたしなめる。食べ物をさらに盛っていきながらテギョンに訊ねた。
「ユ・ヘイのことはいつ公表するんだ?」
「・・・」
 テギョンの背後にはミニョがいる。ミニョは後ろからテギョンの様子をうかがった。
「ユ・ヘイの試写会でやるというのはどうだ? 国民の妖精とA.N.JELLのリーダーならお似合いのカップルだ」
 ミニョは下からシゲシゲとテギョンの顔色をうかがう。テギョンの目が返ってくるとさっと目をそらす。
 テギョンは答えた。
「俺たちは何でもない」
 アン社長は”俺の前でとぼける必要はない”という顔になった。
「ああ、リメイクの件はどうする?」
「ほかにあたってくれ」
「しかし・・・お前をご指名だっていうのに・・・仕方ないな。断るとしよう。ただし、その代わりにやることがある。ミナムとだ」
「ミナムと?」

 席に戻ったミニョは壁に身をもたせかけて思案に沈んだ。表情は暗い。たそがれている。ユ・ヘイのことが気になってならないからだ。

――すごくきれいな女性だった・・・!

 そこへジェルミが食べ物を皿に盛り付けて戻ってきた。ミニョの横に座りかけ、思い直して席をひとつあけて座った。そしてミニョの方を気にした。
 ミニョは水を飲んでいる。
「ミナム、また水を飲んでいるのか? せっかくのビュッフェだ。おいしいものをうんと食べろ」
「・・・・・・はい」
 ミニョは力なく頷いた。
「・・・」
 ジェルミはミニョの皿を見た。何も盛り付けてきていない。
 ジェルミは自分が盛り付けてきた食べ物を黙ってミニョの前に置いた。
「ミナム、元気を出せ」

(続く)



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