韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第16話(最終回)(3)
Korean drama "You're Handsome" Episode 16 (Final) (3)
「おお、ソウルにいたのか・・・!」
アン社長はミニョの肩を叩いた。
後ろめたさでミニョは目を合わさず俯いている。
ミニョを見てアン社長は言った。
「すると、晋州の話はいったい何だったんだ?」
フニは笑いで主張を通した。
アン社長もおどけて謝った。
「マ室長、ソーリソーリー」
フニをちらと見、
「コ・ミナム、頑張れよ」
とミニョの肩を叩いて行ってしまった。
フニはその背に手を振った。
「ジャックポッ、ジャックポッ(的中、的中)」
「うまくいってよかったです」
とミニョ。
「再会も男装なのね。みんな、あんたのせいよ」
ワンはフニの身体を小突きだす。しまいには蹴りまで入れようとする。
ミニョはあわてて止めに入る。
「やめてください。赤ちゃんに障ります」
「・・・赤ちゃん?」
ワンは動きを止めた。
二人の間に入り、フニは話をつくろった。
「ベビー、ありがとうな」
正直者のミニョもお祝いを述べる。
「おめでとうございます」
ワンは不思議な顔をする。
フニはさっとミニョの腕を取った。
「さあ、行きましょう」
そこに遠くから声がした。
「ミナム!」
向こうからやってくるのはジェルミだ。
「今日こそ絶対に白状させるぞ。妹はどこにいる?」
ワンはミニョを連れて逃げ出した。
「また逃げるのか!」
フニが息巻くジェルミの行く手を阻んだ。
ミニョを連れて逃げながらワンが説明した。
「ああやって、ミナムを毎日問い詰めてるの。必死であなたの居場所を捜してるわ」
二人の後ろはプロレスごっこになっている。
「ジェルミ、ごめんね」
申し訳なさいっぱいで角を曲がろうとしたら、前からやってきたシヌと鉢合わせした。
「ミナム」
ミニョはとっさに目を合わせないようにした。
「話がある」
「ミナムは急いでるの。行って」
ワンがミニョの背中を押す。ミニョはシヌの横をすり抜ける。
追いかけようとするシヌをワンが引き止める。
「シヌ、話があるの」
シヌはワンを睨みつける。
「ミナムが先だ」
ワンはシヌを行かせない。
「ファッションが新人グループと合ってない・・・」
先に進んでからミニョは後ろを振り返る。
「シヌ兄貴、すみません」
テギョンのくよくよした感情はちっともほぐれない。
「認めたくないが、俺はフラれたんだ。元気になれば戻ってくると勝手に思い込んでた。ブタウサギはとっくに忘れただろうに、俺だけがこの気持ちを引きずっていたんだ。これ以上、惨めになる前にこの思いを切り替えよう」
そこに、ジェルミやシヌに会ったことで、辛い気持ちを呼び起こされながらミニョが出てきた。
目の前にテギョンがいるのに気付いて足を止めた。
――院長様。手の届かない人なのに、どうして目の前で輝いてるんでしょう。
テギョンの後姿を見つめているといよいよ辛さは増してくる。ミニョはたまらず背を返した。
この時、テギョンはミニョに気付いた。
ミニョのそばまで歩いてきて言った。
「妹からの”大丈夫だ”のメッセージ受け取ったと伝えてくれ」
「・・・」
「直接言われた方がすっきりしただろうけど、すっぱり切ってくれて感謝してる」
「・・・」
「ああ、昼に見かけたけど挨拶できなかった。俺も元気でやってると伝えてくれ」
返事は聞こうとせずテギョンは立ち去った。
(続く)
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