雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「病院船」から(連載146)

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 韓国ドラマ「病院船」から(連載146)




「病院船」第14話➡友の思い②




★★★


 ヒョンの携帯がまた鳴った。
「先生、電話よ」
 促すウンジェ。
 ヒョンが携帯に向かおうとすると患者が突然声を上げた。身体の痙攣を始める。
 ヒョンは叫ぶ。
「心停止だ」
 心肺蘇生に向けて、すかさず酸素吸入に入る。ヒョンは心臓マッサージ(胸骨圧迫)に入った。
「チェックを」とヒョン。
 除細動器がセットされる。
「チャージ!」とアリム。
「3.2.1、ショット」
 ヒョンはすかさず胸骨圧迫に戻る。
「1.2.3.4.5.6.7.…」
「もう一度」
「チャージ!」
「3.2.1、ショット」
 すかさず胸骨圧迫。
「1.2.3.4.5.6.7.…」
 ヒョンは必死だった。
 携帯が鳴った。無視して救命処置は続く。
「チャージ!」とアリム。
「3.2.1、ショット」
 ここでようやく患者は息を吹き返す。
「回復した」とヒョン。
 頷くウンジェ。ほっと息をつくアリム。
 携帯はずっと鳴り続けている。
 ウンジェが言った。
「電話よ」


★★★


「分かってる」とヒョン。
「療養病院よ」 
 しかしヒョンは鳴り続けてる電話に出ようとしない。
 ウンジェとアリムは怪訝そうにする。
 ヒョンは携帯に歩み寄って交信を切った。
 しかしすぐにまた鳴りだす。
「患者は安定したから電話に出て」
 ウンジェは言った。
 ヒョンは首を横に振る。
「急用かも」
「…」
「私がいるから大丈夫よ」
「じゃあ、少しだけ」
 ヒョンは携帯を握ってデッキに出てきた。


「先生、どうしました?」
「お父様の行方がまだ分かりません。海辺で靴が見つかりました。こうなったら警察の力を借りましょう。ご家族しか捜索願を出せないので…」
 ヒョンは応えた。
「先に届け出を出してください。おっつけ僕も駆けつけます」




 電話を終え、診療室に戻ろうとしたヒョンはふと足を止める。
 グンジャを必ず助けてくれ、と言った友達の言葉を思い出したのだ。ヒョンは携帯を見た。療養病院にすぐ向かうべきかどうかを迷った末、母に電話を入れた。 
 母はすぐに笑顔で出た。
「もしもし母さんよ」
 ヒョンは切り出した。
「父さんがいなくなった」
 イ・スギョンの表情はとたんに険しくなる。
「なぜ、私に知らせるの?」
「頼むよ、母さん。僕は行けそうにないんだ。巨済から3時間も離れた島にいる上に、急患が出て身動きがつかない」
「急患ですって?」
「適切な処置をしないと―患者の命は予断を許さない状況なんだ。だから…」 
「わかったわ。わかったから、あなたは心配せずに仕事に専念して。母さんが何としても捜し出すから。いいわね」
「わかった。父さんを…頼むからね、母さん」
 電話を終え、ヒョンは息をついた。


 イ・スギョンは急いで部屋を飛び出した。療養病院に向けて車を走らせた。
「いったい、どこへ? あの人はもう…どうして息子を苦しめるの…!」


 その頃、クァク・ソンは市街地をどこかに向かって歩いていた。




 オンジャはグンヒのことをゴウンに話して聞かせた。
「見かけはきついけど、心根は優しいんです」
 頷くゴウン。
「そのうえ、料理もとても上手で、そこらへんでつんできた野草でも、すてきなごちそうに作り変えるんです」
 船室に入ってきたヒョンはオンジャの話を聞くともなく耳にした。
「自分の母親の具合が悪いからと― 帰郷してから一日も欠かさず、
野山に行っては山菜を採り…」
 特に気にする話でもなさそうと傍を通り過ぎたヒョンは突然足を止めた。
 山菜? 
 突然、気になることがヒョンの脳内を走った。ヒョンはオンジャのそばに歩み寄った。
「山菜ですか?」
 オンジャはヒョンを見た。
「はい…」
「毎日、山菜採りに?」
「はい。それがどうかしましたか?」
 ヒョンの中で気になるものは閃きに変わった。急いで診療室に戻っていく。
「何事ですか?」
 オンジャはゴウンに訊ねた。
 ゴウンも首を傾げた。

 ヒョンは診療室に飛び込んだ。
「高熱の原因が分かったよ」
「それは何?」
「この患者は2週間、毎日、山菜採りに行ってた。秋に流行する感染症だろう」
「もしかして」とアリム。
「ツツガムシ病?」とウンジェ。
 ヒョンは頷いた。
「その可能性が高い?」
 ヒョンは急いで虫が刺した場所のチェックを開始した。
「刺し口はどこかにあるはずだ」

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