雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「青い海の伝説」第6話⑨



 


韓国ドラマ「青い海の伝説」第6話⑨
Korean Drama "Legend of the Blue Sea" Episode 6 ⑨
 

第6話⑧
 

「もしかして…ゾンビとか? あの女に噛まれたけど…まさか私も?」
 ナムドゥは真面目な顔でいう。
「ワクチンが必要かもな…」
 シアは苛立った表情になる。
「なぜ、ジュンジェが面倒を見てるの? 見る必要なんてないじゃない」
「奴は、スペインで自分たちに何があったのかを知りたいのだろう。正体の方も気になるだろうしな…」
「私もそこは気になってる。一体、何者なの?」
「俺の予想では…記憶を失った財閥のご令嬢なんじゃ…?」
 シアはナムドゥの肩をビシッと叩く。
「どこがよ」
「いい物を食べてるから丈夫なんだ」
 ナムドゥはおどけて見せる。
「それは違う」とシア。「どう見ても貧乏人だわ」

★★★


 セファは車椅子で病院の外へ出てきた。
 すると、

★娘の死の真相を明かせ!

 と書き付けたプラカードを手にして動かないでいる女がいる。
 彼女に興味を覚えて動かないでいると、高級車が走ってきて止まった。降り立ったのはそこの副院長だった。
 彼はプラカードを持った女に目をやった。迎えに出てきた男に言った。
「何やってるんだ? 理事長のご子息が帰国される前にあのゴミを片付けろ!」
「申し訳ありません」
「業務望外で訴えろと言いつけたはずだぞ」
 警備員に命令する。
「さっさと追い払え」
「ですが…あの人は娘さんを亡くして…」
 副院長は警備員の向こう脛をけりつける。警備員はうずくまる。
 副院長は言った。
「その言い草は何だ! お前の給料は病院が払ってるんだぞ」
 男のほっぺたをつまむ。
「クビになったら飯も食えないだろ? そうしてやろうか、おい!」
 ほっぺたを叩いた。
「すみません…」
 やってることが頭にきて、セファは車椅子で副院長のもとへ向かっていく。おりて雄たけびを上げながら突進する。飛び上がって頭に蹴りを入れる。副院長は5メートルほど飛ばされた。
「副院長!」
 取り巻きは驚いて副院長のもとへ駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
 セファは副院長に向かって叫んだ。
「この人を絶食させるつもり? 許せないわ」




 副院長はセファを自分の部屋に連れて来させた。
 セファを指差し「骨折してるんだろ?」と医師に訊ねた。
「ERではティビアのフラクチャー(骨折)だと…」
「映像を見ただろ? テコンドの選手どころじゃないぞ。どうなってるんだ?」
 医師は説明に窮した。
「そうですね…」
 と同調するしかなかった。
 医師はセファに訊ねた。
「どうしたのですか?」
 セファは答える。
「ギブ・アンド・テーク」
「何だって?」
 と副院長。
「あのおじさんを蹴ったから蹴られたのよ」
「支離滅裂な言い分だ。イカレてるんじゃないのか?」
「脳の検査をやろうとしてたところでした」
「その必要はない。この女は詐欺師だ。弁護士に連絡し、すでに終えた検査だけやり直せ。刑務所でくさい飯を食わしてやる」
 副院長は怒りの収まらない口調で言った。
 するとセファは何事か医師に囁く。
「何だ?」
 医師は代弁する。
「くさい飯は嫌だ、と…」

 セファは副院長から解放されて部屋を出てきた。プラカードの女が病院内に来て座っている。
 二人は外のベンチに落ち着いた。
「私のせいで面倒なことになってしまいましたね…ごめんなさい」「何がそんなに悲しいの?」
「娘は優しい子で…家計を助けるために修学旅行にも行かなかったの。簡単な手術だと聞いてたのに。こんなことになるなら」
 プラカードの女は声を詰まらせた。ふいに泣き出した。
「あの子を…修学旅行に行かせたかった。…服も買ってあげたかった」
「…」
「アルバイトもさせずに遊ばせてあげていれば…悔いばかり残って…」
 セファは泣いている女の手を握った。
「私の秘密を教えてあげる」
 女は顔を上げた。目が合った。
「私は人の記憶を消せるの。今から悲しい記憶を消してあげる」
「…」
「娘さんのことを覚えてるから悲しいのよ。やってあげる」
 セファは目をつぶった。
 合わせて女も目をつぶる。つぶると同時に娘と楽しかった日々が脳裏をめぐり始める…。

「行ってきま~す」
「お弁当持った?」
「持ったわよ」

「私、修学旅行なんか行かなくていいわ」
「…」
「気にしないで」

「わぁ~、美味しい匂い」
「あら、抱きつかないで」
「こうしてると気持ちいいの」
「宿題は終わった?」
「当然でしょ。ママの子だもの」

「面白い?」
「面白くないわよ」
「えへっ、母さん、手術が終わったら旅行に行こうね」
「わかったわ。だから頑張るのよ」
「じゃあ、後でね」


「いいえ」女は目を開けた。「死ぬまで――絶対に忘れたくない」
「どうして? そんなに苦しんでるのに…」
「苦しくても…愛せるから」
「…」
「忘れてしまったら、愛そうにも愛せないでしょ?」
 女は自分に言い聞かせるように頷いた。
「あの子を…ずっと愛し続けたいの」
 セファはじっと女を見た。親の愛がどんなに深いものかを思い知らされながら…。
   


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