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韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第6話(9)
Korean drama "You're Handsome" Episode 6 (9)
その頃、アン社長はテギョンの母、モ・ファランと会っていた。
「彼が断ったのですか?」
「ああ、いえ、そうではなくて・・・彼は今、とても忙しいんです。新人に提供する曲を準備しています。別の人を紹介して差し上げます」
「ダメです」
モ・ファランはきっぱり言った。
「彼がいいんです」
「彼が? あっははは・・・ところで曲は決めましたか?」
モ・ファランは黙ってCDケースをアン社長の前に差し出した。
「コ・ジェヒョンさんの(どうしよう)よ」
「これですか? ヒットした曲でもないのに?」
「私はこの人の曲がいいの。リメイクをぜひファン・テギョンに頼んでほしい」
モ・ファランの決意にアン社長もいくぶん感激した様子だ。
「ええ、では何とか・・・」
ワインを口に含みながら、モ・ファランはアン社長の表情をうかがい見た。
ミニョを車で送って行きながら、テギョンは訊ねた。
「それがお前、コ・ミナムの本当の姿か?」
「はい。それに近いです」
「それじゃ、初対面ってことか。敬語で話さなきゃならんな」
「でしたら、カツラを取りますか?」
「けっこうです、ミナムさん」
ミニョはためらいつつ、しっかり説明した。
「コ・ミニョです」
テギョンはクスンと笑った。
「ミナムに変身するため、髪をわざわざ切ったのですか?」
「はい。でも、カッコよくなりました」
「つらかったろうな。実際は女だったから」
「ええ。髪は短くても私は女です」
「しかし、俺の知ってるミナムは男だ」
「だけど、髪も長いし、ピンも留めたからけっこう女らしいでしょう?」
勘違いだったにしろ、テギョンが自分を追いかけてきてくれたからすごく気分もよくて、ミニョはついつい自分を売り込んで訊ねた。
「ふん。カツラにピンを留めてるから女らしいだって?」
「ああ、それは・・・カツラにピンは確かに似合いません・・・」
ミニョはピンをカツラから外した。
「あっ!」
ピンは壊れたようだ。
「ほら、ピンもわかってるじゃないか」
「似合わないことをやったようです・・・」
「・・・」
ミニョは壊れたピンをじっと見つめた。
「これって・・・今の自分?」
車は止まった。
「着いたぞ」
ミニョはバッグを持って降りようとする。
[置いていけ」
「ああ、そしたら帰りも乗せてくれるんですか?」
「ついでだ。どれくらいかかる?」
「では、2時間後にここで。ありがとう」
「・・・」
ミニョはいそいそ車をおりていった。
テギョンはミニョの置いていったバッグに目をやった。壊れた髪飾りが目に止まる。手にする。
ピンを見つめたままつぶやく。
「あんなこと言ったから、気になって仕方がない・・・」
(続く)
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