雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「プレーヤー」(連載43)

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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載43)

☆主なキャスト&登場人物


○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)


 「プレーヤー」第3話→(検事と手を組む詐欺軍団)⑪


★★★


 ナ社長はジヌンを配下に得られてご機嫌だった。
「チェ社長の泣きっ面な顔を見るのが今から楽しみだ」 
 口に愛用のサプリメントを放り込んで秘書を見た。
「礼の件はどうなった?」
「入札関係者との話は終わりました。マンションの方もじきに終わります」
 ナ社長はボクサーのファイティングポーズで秘書にジャブを入れ始める。パンチは秘書の身体にヒットした。
「問題がないように進めろよ」
「はい」
 パンチを逃げながら秘書は答える。
「社長、保険には入られた方が」
 ナ社長は足を止める。
「保険?」
「もし、試合で負けたら金が流れません。こっちとしても計画があるんです」
「…」
 秘書は匂いけしを口内にスプレーしてから、ナ社長の耳元に顔を近づけた。
 秘書の話を聞いてナ社長は顎を撫でた。
「うむ…、それも悪くないな」 


★★★


 ナ社長らは車に乗り込んだ。
 車が走り去ると、近くに待機していた白い乗用車も後を追って走り出した。




 ジヌンの兄たちによる”土地開発反対”の座り込みは続いている。
 そこにボックスワゴンの車が何台か走りこんで来た。中から黒装束に黒い帽子、黒マスクの男らがドカドカ降りてくる。連中は鉄パイプなどを手にし、デモの集団を目がけて歩いていく。
 連中の異様さにデモの参加者らはざわめいた。
 連中は休息中のデモ隊に向けて突進してきた。鉄パイプやバットを容赦なく振り回した。デモの参加者は次々叩きのめされ、ジヌンの兄も頭を割られて意識を失った。




 格闘技の賭博場にナ社長は悠然と姿を現した。女たちを従え、今までに増して表情には自信が溢れている。
 遊興客も大勢押し寄せ、会場は盛況のようだった。
 地下の奥へと階段を下りて行きながら、ナ社長は連れの者たちに言った。
「楽しみにしてろ。今日は最高の夜になるからな」
 ナ社長は女たちをはべらせ特等席に腰をおろした。




 ジヌンはリング裏の部屋で準備に入っていた。サポートにはハリとアリョンがついている。
 準備を手伝ってやりながらハリは言った。
「いいか。興奮はするなよ。落ち着いてやれ」
「俺を信じられないか?」
「信じてるに決まってるだろ」
 ハリは両手でジヌンのホッペを挟み付ける。パチンと叩いて笑う。
 ビョンミンから電話が入った。
「ああ、準備できたか?」
 キーボードを叩いてビョンミンは答える。
「準備完了だ」

「OK」
 ハリはアリョンを促して出て行く。
 アリョンは少し歩いてジヌンを振り返る。
 拳を振り上げた。
「ファイト!」
 笑みを残して出て行った。
 ジヌンには最高のエールだった。
 


 ナ社長は女に訊ねた。
「どっちが勝つと思う?」
「社長よ」
「今夜、待ってろ。乾杯だ」
 ナ社長は女たちとグラスを重ねた。
 その時、ナ社長の携帯に着信がある。
「何だ?」
 ナ社長は携帯に目をやった。
 画面に”ワイフ”の写真が現れる。
 ナ社長は舌打ちして携帯を裏返す。
「誰です?」
 女が訊ねた。
「うちの家政婦だ」
 ナ社長は適当に答えて笑う。
 葉巻に火を付けようとしたら女が言った。
「顔を見ずに選んだのね」
「そうでもない」
 ナ社長は弁解する。
「料理は上手だ」
 ナ社長の適当過ぎる物言いに女たちは甲高い声で笑った。
「さあ」
 ナ社長はまたグラスを差し上げる。
「乾杯だ。勝利のために」
 グラスを重ね、乾杯したところでメールが飛び込む。
 ナ社長は携帯を握った。
 チェ社長からだった。


―新人を出すんだって? 大丈夫なのか。


 顔を上げると別の2階席で手を振ってる男がいる。余裕の笑顔は”今日もいただき”のサインなのか…。
 ナ社長は相手を見つめ返して呟く。
「自分の心配でもしてろ」
 ナ社長は酒を飲んで両側の女を抱きよせた。
「さあ、みんなで楽しもう」
 女たちは軽い悲鳴で応えた。


 
 賭けの売り上げはぐいぐい数字を伸ばした。売上金は次々に束ねられていった。


 ハリとアリョンはリング会場に向けて階段を下ってきた。アリョンたちに向けて売り子から声がかかる。
「いくら賭けますか?」
 アリョンはハリの肩を叩く。ハリはアリョンに任せた。アリョンはジヌンに賭けた。勝ち札を握るのを見てハリは先に立って奥に進んだ。


 
 久しぶりの実戦である。
 ジヌンは目を閉じて兄の言葉とやりとりを思い出していた。
「また身体を動かせよ。だいぶ月日も経った…」
「うるさい」
「…」
「その話はしないでくれ」
 こんな形でリングに戻るとは思いもしなかった。
 分かっていたなら、コンディションをもっと整えられただろう。ハリに応えたほど、ジヌンも自分に自信があるわけではないのだった…。
 その時、係員がジヌンを呼びにやってきた。
「まもなく始まります」
 係員はすぐ消えた。
 ジヌンはゆっくり立ち上がった。深呼吸をひとつした。
「よし。やってやろうじゃないの…!」
 両グラブを弾き合わせてジヌンは控室を出ていった。

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