韓国ドラマ「30だけど17です」(連載163)
「30だけど17です」第19話(愛の告白)③
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
ウジンはソリの帰りを待ちかねていた。歩み寄ってソリの手にした袋を握り取った。
「出かけるならちゃんと声をかけて」
「何これ? トウモロコシを買いにでかけた?」
「それは…」
ソリは笑顔になった。
「生まれて初めてのギャラです」
「ギャラ?」
「あのおばあさんが―演奏のお礼にってくださったんです」
ソリに合わせウジンも嬉しそうにする。
「演奏を喜ばれたし、私もそれで得しちゃった」
「ご機嫌だね、ご機嫌だよ、はっは」
ソリは両手を合わせた。
「次は何を演奏しようかな…」
そう言って前を歩き出す。
「美しきロスマリン? それとも…」
ソリの背中を見ながらウジンは父の言葉を思い起こした。
「頼まれた契約書を送る」
それは不動産の売買契約書だった。
家の売主はクク・ミヒョンとなっていた。
★★★
「G線上のアリア、も悪くないわね…」
楽しそうに楽曲を選びながらソリは玄関に向かう。
ソリに遅れて歩きながらウジンは思案に沈んでいる。
「売主が叔父さんではなく、叔母さんだったのはなぜだったんだ?」
とうとう足が止まった。
「2人の間に何があったんだろう…」
後ろに気配がなくなってソリはウジンを振り返った。立ち止まっているのを見て手を振る。
「どうしたんです? 入りましょう」
「あ、そうだね…」
ソリの笑顔にリモコンボタンを押されたロボットのようにウジンは歩き出す。
キム・ヒョンギュ(男性)とクク・ミヒョン(女性)の消息を尋ねるチラシが出来上がった。それは市街各所の掲示板に貼られ、マンションや集合団地のコーナーに置かれていった。
ウジンとソリはウ・チャンのボート個人戦の応援に出向くことにした。ジョンファ―は”チャン君ファイト”と書き込んだハート型の応援パネルをウジンたちにたくした。
「私は仕事でいけないので―応援の心をそこにこめました」
そう言って親指と人差し指を交差させる。
ハートマークを何とか理解しながら、ウジンは頷いた。
「はい。その熱いハートも伝えますね」
ソリも笑顔で言った。
「では行ってきます」
出て行く時、ウジンはジェニファーを振り返った。ジェニファーは目で小さくウジンの思いに応えた。
ウジンたちはボート会場に向けて車を走らせた。
「これ、いいわね」
ジェニファーから託された応援パネルに明かりを入れてソリはご機嫌だった。
「ちょっとちょっと」
ウジンは苦笑する。
「楽しそうだけど、まぶしいから今は消しておいて」
「そうですね」
ソリは走り回る明かりを消す。外を見て叫ぶ。
「生花店があるわ」
ウジンを見た。
「後で花束を買うわ」
車は生花店の横を走り過ぎた。
クク・ミヒャンの姿がそこにはあった。
ボート会場は多くの人が繰り出している。チャンの彼女を自称するリアンもそこにやってきた。
「チャンはどこにいるの?」
チャンはひとりでウォーミングアップを行っている。
「いたわ」
走り出すと見覚えのある男もチャンに向けて走っている。
後手を踏んだリアンは足を止めた。
「なぜ、義叔父様が…忙しいはずなのに何でわざわざ来たの? 最悪だわ」
リアンは紙袋から花束を取り出した。そして紙袋を頭にかぶった。
チャンはウジンが来たのを喜んだが、すぐにソリを捜した。
「おばさんは?」
「ああ、買い物をして来るって」
ウジンはハートマークの応援パネルを見せた。ジェニファーからたくされた応援メッセージをとつとつと読み上げる。
「”応援する心を表現しました”byジェニファーだよ」
チャンは半分シラけた表情になる。
「喜ぶべきだろうね。何だか気が抜けるなあ〜、でも、ありがとさん」
ウジンは言った。
「緊張してるだろうけど、リラックスして…」
「あべこべだよ。ミスター・コンが緊張してどうするんだ」
「…」
「叔父さん、俺は必死で練習したし勝つつもりでいる。優勝祝いを準備してて」
チャンからそれを聞いてウジンの気持ちはほぐれた。チャンを抱きしめた。
「その調子だ。思う存分、楽しんでこい」
そう言って肩を叩いた。
「じゃあ、行って来る」
「ああ」
駆け去るチャンを見送りながらウジンは呟く。
「大きくなったなあ〜」
ウジンのもとを離れて、チャンはソリを捜しまわった。なかなか見つからない。レースに不安はない。しかしレース前にソリの顔を見れないのは小さな苛立ちだった。
もうあんまり時間はない。
そろそろ行かなければ…石段を走りあがろうとしたチャンは足に痛みを覚えた。
足の踝に腫れが出ている。ため息をつく。
「ちょっとまずったな〜」
会場に設置された薬局で痛み止めを処方してもらい、名前を書き込んでいると後ろで女性の声がした。振り返るとソリの姿がある。チャンは呑み込んだ水を器官に流し込みかけてむせた。
急いで外に走り出た。
「遅かったよ」
ソリの前でつい愚痴った。
「試合前に会えないかと思った」
ソリは花束を抱えて申し訳なさそうにした。
「そうだ。音楽祭の舞台はどうだった?」
一瞬、迷ってソリは笑顔になった。
「はい。すごく楽しかったです」
そこに集合の声がかかった。
「もう、行かないと」
「…」
チャンはソリの前に手を出した。
「ハイタッチしよう」
ソリはチャンの手に自分の手を思い切りよくぶつけた。
チャンはその手をしっかり握った。
「必ず優勝します」
ソリの前で誓った。
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