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韓国ドラマ「病院船」から(連載130)
「病院船」第12話➡あなたを突き放す理由⑥
★★★
ウンジェはウジェの待っている場所に戻ってきた。
「姉さん、なぜ出て来たんだ? 父さんに何かもんだいでも?」
「いいえ、手術は予定通り始まった」
「じゃあ、なぜここに?」
「話せば長くなる」
ウンジェは長いすに腰をおろす。ため息をつく。手術に対する心配は同じだった。
秋夕でヒョンは父を連れて墓参りに行った。
父親のコンディションは今日はあまりよくない。
供え物を次から次に食べようとする父にヒョンは手を焼いた。
「誰も飯をくれないから腹が減ってる」
ヒョンは父親が食べるのを見ているしかなかった。
法事を簡単にすませた後、ヒョンは父親としばしくつろいだ。
「今、ソン先生のお父さんが手術を受けてる」
「…」
「父さんが元気だったなら、手術を引き受けただろ。そうしたらソン先生は苦しまずにすんだ」
「…」
「だろ?」
「…」
★★★
キム・スグォン一家は息子キム・ジェミンの慰霊に出向いた。ジェミンの弟、ジェゴルも一緒だった。
卒塔婆のかかった樹木に手を触れ、ハン・ヒスクは目をつぶった。
息子の霊を慰め、ジョゴルを呼んだ。
「こちらに来なさい」
ヒスクの目は濡れている。
「花を供えて、ジェミンに―」
ジェゴルを振り返る。
「挨拶しなさい」
父親のそばで立ったままでいるジェゴルをスグォンが促す。
「行け、母さんが待ってる」
「…」
「行って、ジェミンに挨拶しろ。ここに来たのは初めてじゃないか。ジェミンがお前に会いたがってる」
はぁ~、と息をつき、ジェゴルは母のそばに近づく。
卒塔婆には”キム・ジェミン―愛する息子よ”と書かれている。
それを見ながら母のそばに立った。
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しかし、卒塔婆を見ているうち、感極まって松の木の脇を過ぎて歩き出して行ってしまう。
「あの子…」とヒスク。
「あいつめ…!」とスグォン。
ジェゴルは離れた場所で座り込み、考え込んでしまった。
そこへ父親がやってきた。
「ここで何を?」
ジェゴルは顔を起こした。
「父さんが正しい。僕のせいで兄さんは死んだんだ」
「バカ言うな」
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スグォンもジェゴルの横に腰をおろした。
「僕が電話しなければ、兄さんは雨の中、迎えに来なかった」
「…」
「いや、自分探しの旅でインドなんかに、僕が行ったせいで…」
「私が、そう仕向けてしまったんだ。兄と比較ばかりしてお前に劣等感を植え付けた」
ジェゴルは父親を見た。
「その上、お前に罪などないのに、何か事があるたびお前を責め立てた。父親としてその報いを受けた」
「父さん…」
「腹が立ったんだ。ジェミンをあっけなく失い、腹が立って―耐えられなかった」
「…」
「誰かを責めなければ―やってられなかった」
「…」
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「でも、私は間違ってた。我が子を責めてはならなかったんだ」
「いいや。そうして当然だ。僕が兄さんを死なせた。だから」
「やめろ」
スグォンは立ち上がった。
「キム先生。医者としての所見を述べろ」
「…」
「ジェミンの死因は?」
「父さん…」
「ジェミンの弟としてでなく、最期を看取った医者として―所見を述べてみろ」
「…」
「キム・ジェミンの死因は何だ?」
父親のまっすぐな質問にジェゴルは戸惑った。しかし、見た通り、思った通りの所見を述べた。
「交通事故による―多発性骨折と外傷性―脳出血です」
少し考え、キム・スグォンは頷いた。
「そうだな。私の所見も同じだ。今後もそれを絶対に忘れるな。兄はお前のせいで死んだんじゃない」
キム・スグォンはジェゴルの肩に手を置いた。肩の肉をぎゅっとつかんだ。そして頷いた。
ジェゴルの目には涙が溢れた。
キム・スグォンは手を放し、先に歩き出した。
ジェゴルは大きく息をついた。二度三度と息をついた。
父親の背中が大きく見えた。