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韓国ドラマ「青い海の伝説」第18話⑧
韓国ドラマ「青い海の伝説」第18話⑦
★★★
ジュンジェたちがイルジュン宅に出向くとホン刑事が待っていた。
「まいった。証拠がぜんぜん出てこない…」
ホン刑事の言葉にセファは反射的に思い出した。カン・ソヒの過去の世界だ。あの場面はこの家での出来事に間違いなかった。
「こっちよ」
そう言ってセファは歩き出す。
「どこへ行く?」
「地下室か?」とホン刑事。「もう調べたけどな」
しかし、ジュンジェとホン刑事はセファについて行く。3人は階段を下りていく。
「地下室なんて昔はなかったのに…」とジュンジェ。
「ここはもう調べた」とホン刑事。
確かあそこにカラクリのドアがあった。
「あそこよ」
セファは壁に近づいて行った。記憶してる場所を押すと壁に隠れていたドアが開いた。
中に入ってすぐにジュンジェは見つけた。大きな甕に植物が植わっている。
「トリカブトだ」
近づいて植物に触ろうとするジュンジェにホン刑事が叫んだ。
「触るな。指紋が残ってるはずだ」
2人のやり取りの間、セファは壁の絵にじっと見入っている。
「これは? 人魚じゃないか?」
「マ・デヨン…マ・デヨンがここにいたのよ」
ジュンジェは言った。
「証拠が見つかったな」
ジュンジェとホン刑事らは急いでホ・イルジュンの葬儀会場に出向いた。
★★★
葬儀会場に着くとジュンジェはまっすぐカン・ソヒのところに向かった。カン・ソヒらは弔問客の応対をしていた。
ジュンジェはつかつか歩み寄る。
「よく来たわね。あなたもチヒョンと一緒に葬儀を手伝って」
「そうだな。お前はここから失せろ」
「えっ?」
後ろに立っているホン刑事が切り出す。
「本件は殺人事件として捜査される」
カン・ソヒらは顔色を変える。
「故人は解剖のため移送する」
カン・ソヒとチヒョンは目を見合わす。
「何ですって! お断りよ」
「カン・ソヒさん」とホン刑事。「いや、カン・ジヒョンさん。あなたを殺人容疑で逮捕する」
周囲はざわつく。
「黙秘権の行使は自由だ。弁護士も読んでもらっていい」
母親を制してチヒョンはホン刑事に歩み寄る。
「証拠はありますか? 令状はありますか?」
「それだが…証拠が出たおかげで令状はいらないんだ」
「…」
「緊急逮捕できる」
チヒョンの肩をひと叩きしてホン刑事はカン・ソヒの前まで歩く。手錠を取り出そうとする。
「私が夫を殺したとでも言いたいの?」
「…」
「ふざけないで。夫が知ったらどんなに悲しむか」
「黙れ!」
ジュンジェがソヒの前に進み出る。
「お前は”夫”と呼ぶな」
「同感だ」
ホン刑事はカン・ソヒの手を取った。すばやく手錠をかけた。
「ちょっと…何するのよ」
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ホン刑事らは必死にもがくカン・ソヒを連れて出て行こうとする。
じたばた逆らっていたカン・ソヒはセファに気づくと一瞬立ち止まった。何か言いたそうにするが、ホン刑事がかまわずカン・ソヒを引っ立てる。
後ろを振り返りながらカン・ソヒは叫ぶ。
「チヒョン、弁護士会に連絡を! 早く弁護士を呼んで。話してよ!」
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カン・ソヒらがいなくなった後、ジュンジェは父親の遺影の前に立った。
セファはジュンジェに向けて歩き出す。横に立って手を取る。身体を寄せてイルジュンを見つめる。2人はしばし動かなかった。
今日も駆けつけた時、ジュンジェの傍にはセファがいた。口惜しさと悲しさを顔ににじませていると、後ろから声がかかった。テオだ。
この間はテオの胸の中で泣くだけ泣いた。
あの時のうじうじした顔は見せられない。
シアは笑顔で振り返った。
「様子が変ね。何かあったの?」
テオはシアを連れて歩きながら今しがたの逮捕劇の様子を話した。
「信じられない。ジュンジェがかわいそう…お母さんと再会できたばかりなのに…」
あたりを見回してテオは訊ねた。
「車はどこにある?」
シアは首を横に振る。
「バスで来たわ」
「送ってやろうか?」
少し迷ってシアは答える。
「ひとりで…じゃあ、遅いからお願いするわ。でも」
シアはテオを振り返る。
「変な気は起こさないでね」
テオは含み笑いする。
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テオ達はバスに乗った。いちばん後ろの席に陣取った。
バスの中は女子高生らで賑わっている。彼女らはイケメン男子の話で盛り上がっていた。