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韓国ドラマ「30だけど17です」(連載36)
「30だけど17です」第4話(壊れたバイオリン)⑥
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
★★★
その夜、ウジンは寝付けなかった。引きこもりになった頃の記憶に呼び戻された。
自分がそうなってしまったのは好きだった女の子が交通事故で亡くなったからだった。あの日以来、ウジンは他人との余計な折衝を拒むようになってしまった。父にも母にもその理由は話せなかった。
「ウジン、ドアを開けなさい。いったい何があったんだ? 父さんに話してくれ」
「理由を言って。今日も学校を休むの? ウジン、聞いてる? 返事して」
ウジンは悲しみに暮れ、何日も学校を休んだ。
他人との折衝を拒んで選択したのがドイツ留学だったのだ。
ウジンは目を開けた。大きくため息をついた。
「ウ・ソリ…」
★★★
ジェニファーはよく研いだ包丁を二本構えた。
それでまな板の上に取り出した肉をリズムよく切り刻みだした。
横のボールには新鮮な野菜類が山のように積まれている。
そこにソリが顔を出し、挨拶した。
「これからバイトの面接に行ってきます」
ぺこりと頭を下げ、背を返す。
ジェニファーはすかさず呼び止める。
「ストップ」
ソリは足を止めた。振り返った。
ソリを自分の部屋に案内するとジェニファーは言った。
「タイム。プレイス。オケージョン」
「えっ?」
ソリには何のことかさっぱり分からない。
「TPOに合わせた服装は―求職者の基本です」
「ああ。この格好では確かに…」
ジェニファーはクローゼットのドアをスーッと開いた。
「見てください」
ソリは思わず目を丸くした。
「これを貸してくださるなんて…助かります」
感激した。
しかしよく見ると、白いのと黒いのばかりだ。
「ぜんぶ同じ服に見えます。あえて選ぶ必要はなさそう…」
「ノーノ―。同じに見えてそうではありません。みんな、それぞれ違います」
かくしてソリは白と黒のエレガントな衣装に身を包み、髪も束ねて後ろに流し、市街へ繰り出した。
長い髪と腰から垂れた紐は歩行のリズムに沿って優雅に揺れた。
しかし、お上品な歩行に慣れないせいか、足を取られてよろめく場面もあったりした。
とにもかくもソリの面接は開始された。
「…飛び級合格ですが、事情があって入学できなかったんです」
履歴書を見て面接してくれた人は言った。
「つまり、高校の卒業資格はなく、音大の学位もない。要は中卒ですね」
「中卒…」
ソリはショックを覚えた。
グランドピアノを備え、構えも本格的な教室の先生はマナーにも厳しかった。
「それと楽器の持参は基本です。その御年でご存じなかったですか?」
ソリはバイオリンを弾く機会ももらえず面接先を後にした。
「歌謡曲、ジャズ、クラシックの公演が日替わりで三日間。舞台のセットも日替わり」
「へぇ~、面白そうだ」とチン・ヒョン。「大がかりな企画ですね」
「急かされるのはイヤだ」
ウジンはボソっと言った。
「代表は私よ」とカン・ヒス。「従ってちょうだい」
ウジンは反論せずペットボトルの水を飲む。
「この3人でやりこなせますか?」とチン・ヒョン。
カン・ヒスは腕を組んだ。小首をかしげた。
「そうよね。コンの考えはどおっ?」
「任せるよ」
「…だと思った。あとで関係者と顔合わせを。近くだから来るのよ」
ヒスはウジンを見て顔を突き出すようにした。
「挨拶だけなら、僕が行くまでもないんじゃないか」
「それでいいと思う?」とヒス。「キム監督の時みたいに無愛想にされたら…私が困るの。またやったら、今度こそぶっ飛ばすからね」
「その時はクロアチアまで飛ばしてくれ」
「何がクロアチアよ」
ヒスはペットボトルを握って立ち上がる。
「だったら今すぐぶっ飛ばしてやる」
チン・ヒョンも慌てて立ち上がる。ウジンの椅子を押して逃げる。
「さあ、仕事しよう」