雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「病院船」から(連載156)

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 韓国ドラマ「病院船」から(連載156)




「病院船」第15話➡脅威にさらされた手術




★★★


 派出所の警察官は病院船から離れて行く船を目撃し、無線機を握った。
「船長、いま出た船は何ですか。急患でも?」
 困りながらも船長は急場の対応を見せる。
「そうなんだ。急患の診療を行った」
「そうですか。ご苦労様です」
「ああ、そちらこそ」
「よし。無線機をおけ」
 一味の男はすかさずモニタと操舵室の明かりを消した。




 ウンジェらの乗せられた船は目的地に着いた。2人は船をおろされ、負傷したボスのいる場所に連れて来られた。
 そこに広がっている光景を見てウンジェは恐怖に慄いた。
 そこここで男たちが血を流して倒れていたからだ。しかも彼らはピクとも動かない。
 ウンジェとヒョンは悲愴な顔で目を見合わせた。


★★★


 一味の男が銃でヒョンの背中を押した。ヒョンはやむなく歩き出す。ウンジェも背中を押されて続く。
 背中を押されて歩き出したウンジェは、誰かの手で足元を遮られた。恐怖で立ちすくんだ。しかし、すぐ医者に戻って男の脈を診た。
顔を上げた。
「生きてるわ。早く手当を」
 サブリーダーは銃を取り出した。いきなり男の胸板を撃ちぬいた。ウンジェは悲鳴を上げた。
 駆け寄ろうとしたヒョンをサブリーダーが銃を向けて立ちはだから。銃をヒョンに当てがってウンジェを見た。
「次はこいつだ」
「…」
「頭を撃ちぬくぞ」
 ウンジェは悲痛な声になった。
「やめて…」
「連れて行け」
 ウンジェは言われる通りに従う。
 2人は建物の奥へ奥へと連れられて行った。




 そして一人の男の待つ場所へやってきた。
 到着を待っていたボスがサブリーダーに言った。
「連れて来たか…」
「医者が来たからもう大丈夫ですよ」
 サブリーダーはウンジェ達を促した。
「治療しろ」
彼の命令にウンジェの身は震えた。怯えで手が動かない。
「大丈夫か?」とヒョン。
「やるしかない」
 ウンジェは息を整えた。医者の使命感を掻き立て、カバンから医療具を取り出す。
 ヒョンは聴診器を息絶え絶えのボスの胸に聴診器を当てた。
 ウンジェは手術用のゴム手をした。凶暴なサブリーダーの目線を気にしながら医療具をそろえる。


 ヒョンはボスの鼻と口に酸素マスクをセットした。
 ウンジェは負傷したボスの下着をまくった。
「脇腹に2発ね」
「肺と心臓は無事だけど呼吸は不安定だ」
「背中を診ないと」
 2人でボスの身体を返す。
「射出口は1つ。この位置だと右腎臓を貫通してるようだ。血圧は?」
 ヒョンが血圧を計測する。
「70以下だ」
「主要血管損傷の可能性が高い」
 ウンジェは消毒液を患者の腹にドボドボ流す。
 ボスは痛みで呻く。
 皮膚の表面は雑菌だらけでその内側は無菌状態。裂けて内側をさらした人体は命の危機と向き合っている。
 ウンジェらは輸血を急ぐ。
 ボスは呻き続ける。
「輸血して早く病院船に運ばないと」
「病院船だと?」
 ウンジェは手を止め、サブリーダーを振り返る。
「手術しないと死ぬ」
「ここでやれ」
「何ですって?」
 サブリーダーはウンジェを睨みつけた。
「ここでやれと言ってる」
「これは開腹手術よ」ウンジェは答えた。「不衛生で麻酔もないところではできない」
「今すぐメスを出せ」
 サブリーダーは怒鳴った。立ち上がった。  
「患者を殺せと言うの?」


 サブリーダーはウンジェに銃を向けた。
「ここでやれ」
「ここでは患者が死ぬわ」
「…!」
「メスは人を救うための道具よ。凶器にはしたくない」
 サブリーダーはウンジェの顔に銃を近づける。
「早く手術しろ」
「ちょっと」
 ヒョンが立ち上がる。
 サブリーダーはヒョンに銃を向ける。ウンジェはほっとする。
「落ち着いて話をしましょう」
「俺はだまされない」ヒョンに銃を向けたままサブリーダーは言う。「病院船に誘い込んで警察を待つ気だろ」
「…」
「朝まで時間を稼げば逃げ道がなくなるからな」
 両手を上げたままヒョンは言う。
「そうじゃない。開腹手術には多くの器材が要る」
 患者を見下ろす。
「この容体では病院船でもたりるかどうか…」
「それならなぜ病院船に行く…?」
「大病院に行けますか?」
「…」
「無理でしょ? それが可能なら、病院船を狙うはずがない」
 サブリーダーはボスを見た。
「病院船に運びましょう。器材は足りないが、頼りになる仲間はいる。共に命を救ってきた人たちが」
 ふいに患者が喘ぎだした。
 ヒョンは話すのを中断した。
 サブリーダーは目線をよそにやる。


 ウンジェらは応急処置にかかる。
「自発呼吸がない」とヒョン。「挿管する」
 2人は急いで挿管を行う。”OK"を出してヒョンは立ち上がった。
「患者を救うために病院船に行かせてくれ。そうすれば患者の助かる道はある」


 サブリーダーの腹心が言う。
「そうしましょう」
「いいだろう」
 サブリーダーは彼を睨みつけ、ヒョンを見た。
「病院船に行こう」

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