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韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第15話(11)
Korean drama "You're Handsome" Episode 15 (11)
ミニョは続ける。
「”いい言葉”も忘れません。ひとつひとつ大切にこの胸にしまっておきます」
ジェルミに続き思い出作りの第二弾はシヌだ。
ミニョは離れたテーブルに座りシヌを見て考え込んでいる。
何か思いついてウエイターを呼んだ。
「すみません」
日本語だ。やってきたウエイターの前で続ける。
「コッピー、ホットコッピー」
ウエイターは丁重に確認する。
「あのー、ホットコーヒーのご注文でよろしいでしょうか?」
ミニョは愛想よく頷く。
「ええ、ホットコッピー」
「かしこまりました。お待ちくださいませ」
ウエイターは深々と頭を下げてそこを離れた。
コーヒーにケーキを添え、ミニョはシヌのテーブルに運んだ。
「コーヒーとケーキです」
シヌは黙ってミニョを見つめ返した。
「いつも温かく、やさしく包んでくれました。何のお返しもできなくてすみません」
「気にするな。気付いてないけど、何度も振られているんだ。慣れたもんだ」
「・・・」
「温かいな。何かホッとする」
「よかったです」
シヌはコーヒーを飲み始めるとミニョは急いでカメラを取り出しシャッターを切った。
びっくりしているシヌに向かってミニョは言った。
「シヌ兄貴は心の温かい人です」
ポラロイド写真を取り出してかざした。
「一枚しかないから私のです」
シヌはケーキを差し出して言った。
「一緒に食べよう」
「はい、いただきます」
最初の一口目をミニョがついばんだ。二口目はシヌにあげる振りをしてまた自分が食べた。
「おいしいです、ふふふ」
「こいつ」
シヌはミニョの頭を撫でた。
帰国してから、テギョンはずっとブルーな気分を引きずっている。
ペンダントを見つめてミニョの言葉を思い出している。
「一番大切な星はいつもそばにいますから・・・」
テギョンはペンダントの鎖をつよく握りしめた。
階段をおりてくると前方からアン社長とモ・ファランが歩いてくる。
「おお、テギョン、いいところで会った。レコーディングするから一緒に行こう」
「俺は行きません」
テギョンはにべもなく答えて母親の前から歩き去った。
外に向かおうとするテギョンの前に事務所のスタッフが駆け込んでくる。
「行かないのか?」
「行かない」
同じ調子でテギョンは答える。
スタッフは顔をしかめる。
「まいった。困ったよ」
「・・・!?」
「キムさんにひどく怒られたんだ」
「昨日会った先生か?」
「そうだ。昨日二人でずいぶんもめたらしい」
「何で?」
「歌を奪った奪ってないで言い争いになったようだ」
「・・・奪った? どういうことだ?」
テギョンは母親のもとに急いだ。
――モ・ファランさんがコさんにすがって、恋人と別れさせようとカネで奪ったそうだ。
「少しお待ちください」
レコーディングルームではスタンバイがかかっていた。
モ・ファランはご機嫌だ。いつでもOKの態勢だ。
アン社長は楽譜に見入った。
戻ってきてよ
私にはあなただけだから
・・・
「未練を歌った歌か・・・」
そこにテギョンが現れた。
「おお、きたのか」
テギョンは母親をにらみつけて訊ねた。
「あなたのために作った曲ではないですね」
モ・ファランは顔色を変えた。
テギョンは続けた。
「彼女を遠ざけようと――あなたが奪ったんだ」
「・・・」
「嘘だった。あなたは愛されていない。そうでしょ?」
モ・ファランの目から涙があふれた。テギョンの質問にも答えられなかった。
(続く)
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