韓国ドラマ「30だけど17です」(連載162)
「30だけど17です」第19話(愛の告白)②
☆主なキャスト&登場人物
○シン・ヘソン➡(ウ・ソリ)
○ヤン・セジョン➡(コン・ウジン)
○アン・ヒュソプ➡(ユ・チャン)
○イエ・ジウォン➡(ジェニファー(ファン・ミジョン)
○チョ・ヒョンシク➡(ハン・ドクス)
○イ・ドヒョン➡(トン・ヘボム)
○チョン・ユジン➡(カン・ヒス)
○ユン・ソヌ➡(キム・ヒョンテ)
○チョ・ユジョン(イ・リアン)
○ワン・ジウォン(リン・キム)
○アン・スギョン(チン・ヒョン)
★★★
「聞いてもいい?」
広告依頼をすませての帰り道でウジンは切り出した。
「長い間、入院してた理由なんだけど…」
「交通事故です」
ソリはすんなり答えた。そろそろ詳しく話してもいいと思っていた。
「こう、交通事故?」
ウジンの驚きにソリは慌てて手を横に振った。
「小さな事故だったのに運が悪かったみたい」
「…」
「じつはあの日、気になることがありました」
「気になること?」
「叔父さんの姿を見たんです。私と叔母には出張だと言ってたのに、車を運転して走ってるのを」
「…」
「そのウソと叔父夫婦が姿を消した理由に―何か関係があるのかどうか…今も気になってるんです」
「…」
ウジンは部屋でパソコンを立ち上げ、ソリの叔父夫婦の追跡を本格的に開始した。
★★★
ソリの叔父さんがやっていたらしい”K&J”とかいう貿易会社から検索を始めたが何も出てこない。
ソリとのつながりから足跡をたどっていくとその会社はだいぶ前に破産していることが分かった。
ウジンは電話を入れた。
「父さん、頼みがあるんだ」
ウ・ソリは静まり返った夜の公園でバイオリンを弾いた。マスネの”タイスの瞑想曲”を奏でながら叔父さんたちとの生活を懐かしんだ。
ひとりだと思っていたのに後ろで拍手が起こった。振り返るといつもバイオリンを聴きにやってきてくれていたおばあさんだった。
ソリは笑顔を返した。
バイオリンをケースにしまってソリはおばあさんの横に座った。
おばさんは手にしてきた緑の袋を差し出した。
「観覧料よ。旦那さんと食べて」
「旦那さんじゃないのに…」
ソリははにかみながらもまんざらでもなさそうに頭を下げた。
「遠慮なくいただきます」
2人は笑みを交わし合う。
「でも、ここで待たないで、聞こえたら足を運んでください。むだ足になったりするかもしれないし…大きな音色で演奏しますから」
おばあさんはソリの肩を叩いた。
「ありがとう」
「ほんと、ごちそう様です」
ウジンが階段をおりてくると、ジェニファーに声をかけられた。
「クリーニング店に出かけます。出す服はありませんか?」
「特にないです」
ウジンは頭を下げた。
「気をつけて行ってください」
頷いてジェニファーが歩きすぎるとウジンが声を出した。
「落とし物です」
ウジンが拾い上げたのは写真だった。
ウジンはびっくりする。思わずジェニファーを見る。
ジェニファーは思い起こす。
「兄も願っています。お義姉さんに笑顔を取り戻してほしいと…」
義理の妹からそう言われて渡された写真だった。
ウジンは写真を差し出しながら言った。
「滅多に笑わないから別人かと思いました」
ジェニファーは話し出す。
「”嬉しくて笑い、悲しくて泣く”それらの感情を表す資格がある人と、ない人がいると思います」
「…」
「私はその資格がありません。では」
ジェニファーは背を返す。
立ち去ろうとするジェニファーを追いかけるようにウジンは言った。
「僕も資格がないと思ってました!」
ジェニファーは足を止めた。
ウジンは自分に言い聞かすように続けた。
「少し前までは笑うべきじゃないと。 ジェニファーにも笑える日がきっと来ます!」
ジェニファーは黙って歩き出し、ドアを開けて出ていった。
ウジンはソリの帰りを待ちかねていた。歩み寄ってソリの手にした袋を握り取った。
「出かけるならちゃんと声をかけて」
「何これ? トウモロコシを買いにでかけた?」
「それは…」
ソリは笑顔になった。
「生まれて初めてのギャラです」
「ギャラ?」
「あのおばあさんが―演奏のお礼にってくださったんです」
ソリに合わせウジンも嬉しそうにする。
「演奏を喜ばれたし、私もそれで得しちゃった」
「ご機嫌だね、ご機嫌だよ、はっは」
ソリは両手を合わせた。
「次は何を演奏しようかな…」
そう言って前を歩き出す。
「美しきロスマリン? それとも…」
ソリの背中を見ながらウジンは父の言葉を思い起こした。
「頼まれた契約書を送る」
それは不動産の売買契約書だった。
家の売主はクク・ミヒョンとなっていた。
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