雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ ファンタスティック・カップル 第10話(1)




「チャン・チョルス」
 アンナは訊ねた。
「私が出ていったと思ったの?」 
「朝っぱらから姿が見えないからだ。誰でもそう思うだろ」
「・・・出ていったと思った割には喜んでないのね」
「そ、それは・・・お前が戻ってきたからじゃないか」
「あんたには悪いけど、まだ出ていく気はないわ。残念ながら、ほかに居場所がないの。犬を捜してたのよ」
 アンナはコッスンを引いてチョルスの横を通り過ぎた。
「サンシリッ!」
 チョルスはその背に話しかける。アンナは振り返る。
「出て行く時は、”私は出て行く”と、ひとこと、メモを残して行け」
「それで何が変わるの?」
「そうすれば、お前を捜さなくてすむんだ」
「あんた・・・私を捜してたの?」
 チョルスは減らず口を叩いた。
「お前が犬を捜したように俺も出てきたんだ」
「じゃあ、私は犬と同じってこと?」
「そうだ。それにコッスンは・・・たまにデートに行くから捜す必要はない」
 チョルスはそう言って先に家に戻っていった。
 アンナはコッスンに腹を立てた。
「あんた、デートしてたの? 留守番もせずにデート?」
 犬小屋に紐を短く縛り付け、コッスンに言いつけた。
「そうして、家を守りなさい」

 部屋に戻ってきてチョルスはぼやいた。
「ああ、まったく・・・心配して損したよ」
 しかし、ふと自分の気持ちにぶちあたった。
「俺が、出て行くあいつを心配してどうする? わけがわからん・・・」
 アンナの携帯をもってるのを思い出す。あわてて元あったところに投げ返す。
「そうさ・・出て行くのは当然だ。それでいいんだ」
 しかし、気分はどうもイマイチ吹っ切れない。

「今日はアンナに会いに行くぞ」
 ビリーは新たな意気込みに燃えていた。
 鏡の前に立ち、自分の服装を確認する。
 後ろにアンナが姿を見せる。いつもそうだった。彼女のセンスに自分は合わせてきた。
 彼女はビリーに向かってつぶやく。
「悪くないわ」
「もちろんだろう」
 ネクタイを締める。
「締めすぎるのは嫌いよ」
「そうだった」
 少し緩める。
 次に香水。ささっとふる。
「多い。2回だけよ」
 アンナのイメージに沿って盛装は成る。
「これがアンナの目を引く最終兵器だ」
 ビリーはご機嫌になる。
「プリンセース」


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