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雨の記号(rain symbol)

韓国ドラマ「朱蒙」第3話


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 プドゥクプルはヘモスを罠にかける作戦を練った。それは兵士に流民を装わせた偽装作戦だった。
 ヘモスはまんまと罠にかかり、ハンナラ鉄器軍に捕まってしまう。
 捕らえられたヘモスは目を潰され、磔にされる。
 ユファは急いで駆けつけてきた。目を潰され、さらし者になったヘモスを見て彼女は泣き崩れる。
「ヘモス将軍に私がここにいると伝えたいのに・・・」
(第2話より)

 
 三日後にヘモスの身柄はハンナラ(漢)へ押送されるとの報がソンジュから金蛙にもたらされる。
 兵を出してヘモスを助けてくれと金蛙はヘブル王に願い出るが、王はとりあわない。頭の中は固まっていて、ただ、がなりたてるばかりである。
 神女ヨミウルの予言的警告とプドウクブルのヘモス排除論にまどわされ、自分の考えに自信を失っていた(側近に振り回される典型的な愚王?)。
 落胆する金蛙をプドウクブルは説得にかかる。
「ヘモス将軍を罠に落とした張本人は誰かご存知ですか? 陛下です。ハンナラ軍との戦いを避け、陛下が決断を下されたのです。陛下の意をどうか汲んであげてください」
「大使者はこの事実を事前に知っていたと?」
「ええ」
 金蛙は大使者の首に剣をつきつけた。
「死は怖れていませんが、ヘモスが生きていれば夫余国と陛下の運命があやうくなります」
 金蛙はテーブルの上に剣をふりおろした。
 
 三日後、ヘモスが押送されていくハンナラ軍に金蛙は仲間とともに突っ込んだ。隊列を乱し、木の檻からヘモスの救出に成功するが、目をつぶされたヘモスは馬のたずなをうまく引けない。たちまち騎兵においつめられてしまう。そこは断崖だった。身体に矢を受け、ヘモスは断崖から墜落していった。

 ユファに陣痛が始まった。

 ヘモスが死んだと聞いていたヨミウルだが、三足鳥が力強く羽ばたく夢を見て不安にかられだす。

 ユファは子供を産んだ。男の子だった。ユファは金蛙に告げる。
「男の子だ。男の子だよ、ヘモス」

 ヨミウルは大使者を呼び出した。
「ヘモスは間違いなく死んだのですか」
「死にました。どうしたのです」
「三足鳥はいなくなりましたが、死んだのではありません。力強く羽ばたいて飛び去りました」
「そんなことはありません。ヘモスは死にました。戻ってくるはずがありません」

 ユファは金蛙にお礼を述べた。
「大変お世話になりました。身体が回復したらおいとまいたします」
「どこへ行くというのです。私の子として育てます」
「いいえ、ここを出てヘモス様の話をしながらヘモスのように育てます」
「だめです。ここを出ていったらハンナラ軍に捕まってしまいます。ハンナラ軍は今、朝鮮流民をかたっぱしに探し出し、引っ立てています。この情勢でどこへ行こうというのです」
「山の奥に入ります」
「山に入り、何をさせてヘモスのように育てようというのです。野獣のように育つだけではありませんか」

 金蛙の父へブル王は重い病に伏していた。
 金蛙は父が罠にかけたヘモスの子を産んだユファの話をする。その子を自分の手で育てたいと話す。その子を育て、必ずハンナラを討つ、と。
 死床にあるらしい父の表情には、ヘモスに対する懺悔の念が脳裏をめぐっているようにも見えた。

 プドウクブルは大将軍を呼び出して言った。
「ユファアガシーの産んだ子は太子殿下の子ということだが、ヘモスの子の可能性がないでもない。もしそうだとするなら夫余の将来を脅かしかねない」
 プドウクブルの命を受けた大将軍は、夜中、ユファの部屋に侵入した。しかし、母子の姿はない。
 ユファは赤子を連れて城を抜け出していた。当てもなく山中をさまよい、人の群れを見て近づいていった。それは引き立てられていく朝鮮流民の姿だった。流民の一人が言った。
「私たちはつかまって連れていかれる朝鮮流民です。早くここを離れなされ」
 兵士たちがユファに気付いて追いかけだす。
 その兵士らをあっさり切り殺した者がいる。
 ユファはほっと胸をなでおろすが、その男は大使者の放った刺客だった。
「私は夫余の大将軍です。その子がヘモスの息子であるなら、あなたとその子は夫余の将来に暗雲をもたらします。お覚悟を」
 大将軍が剣を振りかざした瞬間、その上に雷が落ちた。

 絶体絶命の危機を逃れたユファは、この子と生き永らえるには夫余城に戻るしかない、と悟る。
 城に戻ってユファは誓った。
「ヘモス様。ヘモス様を殺した夫余の宮内に入りました。ここで私とこの子がヘモス様の恨みを晴らします。あなたが叶えられなかった夢を息子が叶えるでしょう」
 金蛙に会ってユファは言った。
「チュモンと名付けました。この子を太子殿下の息子として受けいれてください」
 金蛙も誓った。
「ヘモスの意を受け、この子を朝鮮流民の英雄として育てます」

 それから二十年が流れた。

 金蛙王は戦いで連戦連勝の日々を送り、領地を倍に広げていた。
 ある日、息子たちが夫余軍の陣にかけつけてくる。帯素、ヨンポ、朱蒙の三人である。
 朱蒙は軟弱な若者に育ったようだ。すぐ戦が始まるというのに、神女のプヨンをつかまえ、懐かしがり、ここへやってきたのはお前に会いたいためだった、などと言ってくどく始末だ。
 
 夜が明け、戦さが始まった。
 三人の初陣である。
 帯素、ヨンポ、朱蒙の戦いぶりはどうか。
 帯素とヨンポはいっぱしの戦いを行った。
 相手はまさかりを持っているから小部族のようだった。つまり夫余にとって余裕の相手だ。しかし、その戦いで朱蒙は殺されかかり、肝を潰した。

 金蛙王は大使者やヨミウルらの提言を受け、一年ぶりに夫余へ戻ってきた。
 金蛙がまず向ったのはユファの部屋だった。
 そこで金蛙は話し出した。
「私はヘモスに負い目を持っている。そのヘモスに誓った。チュモンを立派に育て上げ、朝鮮流民の英雄にすることだった。しかし、今のチュモンはあまりにいくじがない」
 その言葉にユファはヘモスの言葉を思い出した。胸が痛んだ。
「私があの子の育て方を間違えました」
 
 ヨンタバルの一団は夫余に姿を見せていた。ヨンタバルは勢い盛んな夫余の地を一山あてる場所と踏んでいる様子である。
 この地を根城にでもしたか、ヨンタバルは召西奴を頭首にしたてて遠行に出すと宣言した。

 この頃、金蛙王無事帰還をかねた祭事が盛大に行われようとしていた。神女たちは舞台回しの役割だが、朱蒙はその一人をくどいて戯れ事にひたった。
 それを知らされて金蛙王がやってくる。朱蒙のだらしない姿を見て彼は怒りを露にした。剣を抜いた。
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