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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載39)

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韓国ドラマ「プレーヤー」(連載39)

☆主なキャスト&登場人物 


○ソン・スンホン➡(カン・ハリ(チェ・スヒョク))
○クリスタル➡(チャ・アリョン)
○イ・シオン➡(イム・ビョンミン)
○テ・ウォンソク➡(ト・ジヌン)
○キム・ウォネ➡(チャン・インギュ)



 「プレーヤー」第3話→(検事と手を組む詐欺軍団)⑦


★★★


 チャン検事らが立ち去った後、ビョンミンはハリに言った。
「俺はビビったんじゃなくて…本当は…」
「いや、検事はダメだ」とジヌン。
「仕事をもらったんだぞ。同じ船に乗ったも同然だ」とビョンミン。
 ハリとアリョンはそのつもりのようだが、ジヌンとビョンミンはそれからも意見交換を行った。


★★★


 車に戻る途中、メン係長はチャン検事に訊ねた。
「あの連中、大丈夫でしょうか? 私はどうも…」
 チャン検事は歩きながらメン係長を見た。
「手を組むなら、腕くらいは差し出してやらないとな―”水清ければ魚も住まない”。あの連中が仙人じゃないのはお前にも見ての通りだ」
「…連中とは別に捜査を進めますか?」
 ドアを引いたところでチャン検事は足の動きを止める。
「いや。連中の実力を見よう」




「後で裏切るかも…」
「怪しいわね」
 疑念を見せるジヌンにアリョンは同調する。
「私も公務員は信じられない」
「心配するな、ウソじゃない」
 ハリはジュースのグラスを手にして言う。
「お前に何が分かる」
「ウソは俺の専門分野だ」
 ハリは両手を広げた。
「違うか?」
「すごい説得力だ」
 とビョンミン。
「強要はしない」

「やるよ」とジヌン。「賽は投げられた。食いつく獲物は大きい」
「私も」
 アリョンも頷く。
 ビョンミンは横を向く。
「後は俺だけか」
 と後ろにふんぞり返る。足を組む。

 ハリはグラスを置いて立ち上がる。
「よし、始めよう」
「おいおい」とビョンミン。「俺はまだ決めてないぞ」
「多数決だ」

 ハリは準備に向けて動き出す。
「学級会でもあるまいし…」
「どうせ、やるんだろ」とジヌン。
「女々しいわね」
 席を立ちながらアリョン。
 ジヌンも立ち上がった。
「おい」ビョンミンは足で邪魔をする。「一緒にやろうと言ってくれ」
 ビョンミンの脚を顔に向けて畳んでジヌンは言った。
「一緒にやろうぜ」
 ビョンミンの悲鳴を残してジヌンは行ってしまう。
「ためらうのは…俺が純粋過ぎるからだ」
 ビョンミンは1人で納得してハリたちの行動に続いた。




 ディスコ風の音楽の流れる地下のホールでは、中央にリングが用意され、そこでは筋肉盛り盛りの男2人がグラブをはめて格闘を行っていた。
 ホステスを侍らせ、格闘を眺めさせて酒宴を楽しませる店らしい。
 やってきた客たちは檻の中で格闘する2人に狂乱の声をあげていた。
 経営者のナ・ウォナクもホステスを侍らせ、興奮状態で贔屓の選手に向けて声を張り上げている。
「そこだ、行け! ぶちのめせ!」
 しかし鐘が鳴り、見込んだ選手はダウンしてナ・ウォナクは腹を立てた。
「あいつ…使えないヤツめ」
 そこにナ・ウォナクのライバル、チェ社長が現れて声をかけた。
「最近、ツイてないようですね。入札の件で大変だったでしょうに」
 口笛でも流れ出そうな薄ら笑いを残して立ち去った。
 連中にちらと目を投げ、ナ・ウォナクは部下を呼び寄せた。
「ブローカーを連れて来い」
 部下は震えた声を残し、出て行った。


 連れて来られたブローカーをナ・ウォナクは鉄パイプで叩きのめした。
「闘うのは得意だと言ったよな。それなのに何だあのザマは! お前のせいで屈辱的な思いを味わった。どうしてくれるんだ!」 
 鉄パイプでさらに叩く。
「こいつが、こいつが!」
 見ている部下も恐れおののく残酷さだ。
 やがて鉄パイプは床に音を立てた。
 ナ・ウォトクはブローカーの前にしゃがみ込んだ。
「次の試合までに…だと」
 頭髪を掴んだ。
「もう一度言ってみろ」 
「連れて来ます…」
「使える選手を連れて来い。わかったな」
「はい」
「ふざけたヤツめ」
 ナ・ウォナクは背を返す。
 部下はブローカーのそばに金を投げ与えてナ社長に続いた。 


 
 アリョンは訊ねた。
「ナ社長ってどんなヤツなの?」
 ビョンミンはプロフィールをモニタに映し出して説明する。
「2002年に華陽物産に入社。5年後、理事に昇進。2年前に社長になった」
 ジヌンを見た。
「映画の主人公のような人物だ」
「超スピードの出世ね」
「経歴上はそうだが実情は強引かつ辛辣で手は汚れてる」
「…」
「成果を上げるため部下を殴り、あちこちで金を使って営業をした。しかも関連する法まで変えて入札したんだ」
 ジヌンらは頷く。
「大学時代はホストもやっていた」
「なるほど」
 ハリは立ち上がった。
「その特技を生かして会長の娘を口説いたってわけか」
 ジヌンもナ社長を指さした。
「出世術だけは長けてるな」
「他にはないか」とハリ。
「違法な格闘賭博場を運営してるようだが、警戒がすごくて詳細は不明だ」
「…」
「そこでは莫大な金が動いているらしい」
 ハリの表情に引きがきた。何度も頷いて見せる。
「金になりそうだな…」
「そこから始める?」とアリョン。
「金が集まってるんだろ。美味しそうじゃないか」
「手はずは?」とジヌン。
 ハリは頷いて答える。
「選手を送りこもう」
「選手? 誰?」とジヌン。
 ハリはジヌンのもとに歩み寄った。両肩をガシっと握った。
「見事な筋肉だな」
 アリョンはにんまりする。
「俺かよ」とジヌン。「やめてくれよ。嫌だ。やらない」
「みんな触ってみろ」とハリ。
 各人の手が伸びる。
「やめてくれって」

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