韓国ドラマ「イケメン(美男)ですね」第12話(12)
Korean drama "You're Handsome" Episode 12 (12)
観葉植物の建屋に連れ込んでワンはミニョに化粧をほどこしている。グラビア撮影のためというのは偽りだ。 ユ・へイの邪なたくらみがそこにあるのをワンは気付いていなかった。
「ずいぶん、かかりますね」
ミニョは訊ねた。男にもこれほどかかるメイクがあるのかと考えたわけではない。
「グラビアだから、メイクも念入りにやってるの。目をつぶって。あともう少しよ」
「・・・」
「化粧のノリもいいわね。マスカラも・・・」
ミニョは怪訝そうにする。
「それもですか?」
「グラビアだからよ。ほら、いくわ・・・あなたね、マスカラのおかげで目が大きく見える。いい感じ。やりがいあるわ」
かくしてミニョはきれいな女に変身(戻った?)した。
ワンは鏡をミニョの前にかざした。
「ミナム、見てごらん」
ミニョは静かに目を開ける。
しかし女に戻っている自分を見て仰天しそうになる。
「ワンさん、これは女じゃないですか」
ワンは淡々とした口調で説明した。
「一度、あなたをきれいにしてあげたかったのよ」
ミニョは焦って抗議する。
「こんな姿は見せられません」
「ううん、大丈夫よ。雨が降っているから誰もいないし来ない。心配はいらないわ」
「だけど・・・」
得心がいかないでいるとワンは用意の衣装を持ち出した。
「ミナム、これも着て」
衣装を見てミニョは疑問を膨らませる。何だか様子が変だ。
「雨の間だけよ」
「・・・」
「雨が降ってる間、あなたはきれいなレディーになるの。そして、雨がやんだら男に戻ればいい」
ワンから渡された衣装を手に持たされると、ミニョの女心は騒いだ。
「きれいだ・・・こんな服着たことないわ」
雨は降り続いている。
ミニョはワンから渡された衣装を着てエレガントな女になった。
ワンは感嘆の声をもらした。
「ミナム、とてもきれいよ」
ワンはポラロイドカメラを取り出した。ミニョの姿を写真に収め、それを手渡した。
「この写真を思い出に取っておいて」
こういうことだったの?
ほっとなりながらミニョはワンに笑顔を返した。
「ありがとう、ワンさん」
「ここで楽にしてて。私はあたりを見てくる」
ワンはポラロイドカメラを置いて出て行った。
残されたミニョはワンの撮ってくれた写真を見ながら次第に浮き浮きしていった。誰もいない場所で女に戻っていられるひとときがただただ嬉しい。素でくつろいでいると自然に表情は緩み、口からは歌声が流れ出る。足元はダンスのリズムを身体は弾む。
元の場所に戻り、ミニョは鏡を手にした。鏡の中を覗きこんだ。思わず顔がほころんだ。
「ウソみたい。兄貴も私に気付かないかも・・・ああ、もう・・・気付かれたら恥ずかしいな」
この時、背後で人の気配がした。
「ワンさん?」
振り返るとドアを開けて入ってきたのはカン・シヌだった。
(続く)
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